活動報告
「新世紀日本の創造」 基本理念
豊かさを実感できず、将来不安がぬぐえない
現在の政治は、緊迫する北東アジアの中で、どのようにしてわが国の安全を守っていくのか、また、国際社会の中でどのような役割を担っていくべきなのか、その責任を果たすためにはどのような理念や実力や戦略が必要なのか、を示し得ていません。また、対内的には、表面的な経済情勢は好転しつつあるものの、国民一人ひとりはその体感がなく、本当は豊かな国のはずなのに、その豊かさを実感することができません。
また、昨今の消えた5000万件の年金問題や国民年金の保険料未払い問題、産科医、小児科医、過疎地の医師不足・偏在問題など、年金・医療制度等社会保障制度に対する不信が高じて将来の生活不安を拭うことができません。更には、国家全体の800兆円とも1000兆円とも言われる莫大な借金返済への道筋は示されておらず、雇用不安とも相俟って、若者から「将来の夢」が失われつつあります。
発展途上国の仕組みは新時代には通用しない
何故こうなってしまっているのでしょうか?
東西冷戦下の戦後復興期とその後の高度成長期(言い換えると、「日本が貧しく、発展途上国の時代」)の官僚主導・自民党主導の中央集権型政治は効率的に機能し、「所得倍増」を見事に実現したように、我が国を経済的に豊かな国にしてくれました。その意味では、昭和時代までの自民党や官僚は、わが国の復興と発展の最大の功労者であると思っています。
しかし、冷戦の終了や国内的な成熟社会化や安定成長経済への移行過程においては、自民党政権下の官僚主導中央集権型政治こそが、非効率な行政運営を生じさせ、莫大な税金の無駄遣いを醸成、放置し、今や日本社会を停滞・疲弊させる最大の原因となっています。特に、選挙時に人やお金や票を出してくれる支援業界や団体に、貴重な税金や国債発行による歳出原資が優先配分されてしまう「しがらみ政治」は、今を生きる一般国民の間はもちろん、将来世代に対して著しく公平性を欠き、モラルハザード(倫理観や道徳的節度、社会的責任の欠如)を生じさせています。
これは、ピラミッド型人口構成と当時の国際経済環境に支えられた高度成長期時代に創られた国の仕組みで、国境なきグローバル経済下で少子高齢化が進む新時代の国や社会(「先進国になりつつある日本」)を運営していくことに限界が生じているからです。
新世紀日本の姿を示す
発展途上国を卒業しながら、先進国になりきれない現代日本の政治に課せられた最大の使命は『新世紀日本』の姿とその創造に向けた明確なビジョンを示すことです。
しかし、先進国になりつつある一方で、発展途上国時代の制度と、それが当り前と思っている国民意識と感情が残っているために、現在の日本はあたかも異なる二つの国が並存しているようなものです。だからこそ、新時代の仕組み創りのためのあらゆる改革が大きな抵抗を受けてしまうのです。特に、先達が昼夜を分かたず頑張り続けてくれた高度成長時代は、映画「三丁目の夕日」に代表されるように、多くの国民が「成功体験」と位置付けていますので、その成功体験を(新時代に応用できるか?という観点ですが)否定することは、容易なことではありません。
一国二制度、三制度の必要性
それ故、私は、新世紀日本のあるべき姿とその実現の為の明確な道程を示します。戦後100年に当たる2045年の新世紀日本の姿を示し、それまでの道程では、異なる二つの国が並存していることに鑑み、課題によっては、各々の世代が生きてきた時代背景を踏まえ、既存制度を部分的に残しつつ、時代の要請による新しい制度も導入していく、といった一国2制度、3制度が並存する「移行期」を設ける必要性を訴えます。
>>農業政策「民主党案か自民党案か」については、こちらをご覧ください
必ず「真に豊かな国」を創ることができる
新世紀日本は「地域主権の国」であり「生活者主権の国」です。生活者が主役、地域が主役の地域主権型社会を実現し、活力と愛情に満ち溢れた、世界から尊敬される新世紀日本を創りたいと思います。そして、現在世代に対しては勿論のこと、将来に亘る子々孫々の世代に対する責任を果たしていきたいと思います。
我が国の歴史・文化・伝統と、明治以来の、特に終戦後のあの廃墟の中から見事に復興を成遂げた先達の涙ぐましい努力と成果に想いを馳せるとき、我が国は必ず「安心して暮らせる豊かな国」、「心と技術の両面において世界から尊敬される国」を創ることができると信じています。みなさんと一緒に足下の第一歩から歩きはじめたいと思います。
>>「新世紀日本 10の基本政策」に関してはこちらをご覧ください
一国二制度、三制度の必要性 - 農業政策 民主党案か自民党案か -
仕組みの上で発展途上国と先進国の異なる二つの国が並存していること、各々の世代が生きてきた時代背景が異なることを踏まえ、既存制度を部分的に残しつつ、新しい制度も導入していく一国二制度、三制度につき、農業政策を例にとって説明を試みます。
どちらも正しい農業政策
昨年の参議院選挙時には民主党と自民党の農業政策が大きな争点となりました。民主党は全ての農家を対象に「戸別所得補償制度」を提唱、自民党は4ヘクタール以上の大規模農家(北海道は別)を対象にした支援策を打ち出しました。そして、民主党案に対しては「厳しい財政状況の中のばら撒き」、自民案に対しては「小規模零細農家の切捨て」との批判合戦が繰広げられました。私はどちらも正しいと思っています。65歳以上の高齢者農家に対しては民主党案が、若い世代の農家には自民党案がふさわしいと思っているからです。世代毎に別々の対応(一国二制度)をすることで解決するのです。年金制度も世代毎の対応が必要と思っておりますが、このことはキラキラ広報8号に記載しておりますので、そちらをご参照下さい
高齢者に支えられる日本農業
現在の農業は65歳以上の高齢者(農業人口に占める割合32.4%【257万人、H18】)によって支えられています。65歳以上の農業従事者は、戦後、米を中心に食料を生産し、都市部に供給し続けることで戦後復興を支えてくれた大恩人です。供給し続けたのは食料だけではありません。愛情と時間と労力とお金をかけて子供を3人も4人も育て、その子供達を産業戦士として都市部に送り出してもきたのです。現在も食料生産のみならず、保水や消防団機能の維持を含む災害対策や環境保全、お祭りの継承など古きよき日本の文化を守ることを通して、地方を住むことによって支えてくれているのです。過去のそして現在のこのような貢献に対して、恩返しをする意味も含めて、この方々の食料生産を通しての生活を、社会の構成員みんなで支える(所得補償する)ことは筋が通っています。
若い世代には競争力のある農業を
しかし、社会政策の要素を持つこの戸別所得補償制度を、若い世代にまで適用することは、産業としての力強い農業、国際的にも競争力を持つ農業の育成という観点からは逆効果だと思います。食料安全保障の確立はわが国の最も根幹の基本政策であるべきです。その意味で、現在の新規農業就業者は全国でわずか年間7万8900人(H17)しかおりませんので、日本の食料自給率を向上させるためにも大規模化を支援し、競争力のある農業にしなければなりません。
このように、たとえば65歳以上の農業者には戸別所得補償を適用、40歳未満は大規模化政策を適用、40歳から64歳までは、その混合とするといった世代毎の政策対応が必要だと思います。この際、39歳と40歳の不公平、64歳と65歳などわずか1年違いで対応が違うなどの不公平が生じますが、これは、4月1日生まれと4月2日生まれの学年が違うように割り切るしかないと思っています。
あまりに早く急激な変化
食べるものもなかった戦後初期の時代から飽食の時代と言われる現在まで、わが国はあまりにも急速に成長し産業構造が変化してきました。発展途上国と先進国を一人の人生の中で経験してしまう状況が生まれたのです。それだからこそ、世代間の公平性の観点からも、新しい時代の最終制度の姿を示しつつ、それまでの道程は2制度、3制度の必要性を提唱するものです。
>>「新世紀日本 10の重点政策」に関してはこちらをご覧ください
−吉良州司−