活動報告
「アフガニスタン情勢についての講演4」
「アフガニスタン支援問題について」:中村 哲 医師
(ペシャワール会医療サービス病院・総院長)
冒頭、日本ではOEFだ、ISAFだという議論がなされているが、アフガンの現状について話し合われていない事に驚くとともに、愕然とした。
[自己及び会の紹介]
- ペシャワール会医療サービス病院・総院長・・・パキスタン、アフガニスタンで活動
- 会員:200名、作業員最大時:1,00名、年間3億円の費用(全て募金)
- 23年間の現地活動実績
- クリスチャン(ブッシュ大統領と全く同じ宗派)
[アフガンについて]
- 人口2千数百万人(統計上は2,800万人)。内80〜90%が農民、遊牧民
- 山岳地帯に住み、谷ごとに集落がある。(高いところは標高2,500〜3,000m)
- 国家や中央政権の影響をほとんど受けないで、国民は生活しているのが実情
- イスラム教:保守的・古典的 ⇔ アルカイダは先進地域・エリートで構成
- 自治の要は“モスク”。紛争の解決の場はモスクと長老会であり、自治においては、軍隊や警察も
いらないのが実情。 - 貧富の格差が進行。数百円から数千円しか所持しない国民が99%
- アフガンにはハンセン病対策で行ったが、使える医療器具は皆無に等しい状態。
- 女性患者は肌を男性に見せないので(ブルカ)、女性を救うには、女性医師が必要。
- ソ連進行後、内乱勃発で200万人の死者、600万人の避難民を生んだ。
- 日本人と言うことで、仕事がし易いことが多い。現地の日本に対する評価は3つ
- 日露戦争の勝利・・・植民地から逃れた唯一のアジアの国(アジアでは高評価)
- 広島・長崎の被爆・・・廃墟からの目覚しい復興
- 2001年、自爆テロによる米兵死傷被害発生 ⇒ 国連決議によるアフガン制裁
- 首都カブールからタリバンが姿を消し、北部同盟、米軍が進駐し、市民に歓迎さ れた映像が流されたが、世界中がだまされた。市民は誰でも歓迎する。
※ 「アフガンでは金がなくても食っていけるが、雪がなくては食っていけない」といわれている。しかし、
最近地球温暖化の影響で、その雪が消えつつある。雪が消える事は、アフガンでは生活空間が
消える事を意味する。
日本からは女医を派遣。⇒現地の文化・慣習を知ることが本当の意味の復興支援。
(1)戦争放棄・・・その気になれば強い軍隊が出来るのに、放棄している
(2)ソ連軍撤退後(1989年)、独力で200万人の難民が帰国
(3)病人を救う事は勿論大切だが、病人を作らない努力も大切
⇒ 清潔な水と食糧があれば、助かるケースが大
⇒ 外国敵視が増幅
[アフガンの現状・対策]
- 今アフガンに必要なのは、武器・弾薬ではなく「食糧」である
- ケシ栽培の世界の93%がアフガンとなってしまった
- 制裁のために、麻薬の増大、未亡人のこじき、売春、等惨憺たる状態
- 食糧自給率は90%⇒60%に落ち、干ばつのため30%程度になる見込み
- 米軍のアフガン軍事費用が年間300億ドル。この現状に対してカルザイ氏から「この費用をアフガン復興に
回してくれたなら・・・」と言う発言があった。 - 史上最大の干ばつ・・・1,200万人に影響、500万人の移動、100万人が餓死の危機
- “水が出た”という噂が出ただけで、故郷に帰ってくる難民
- 日本の農業土木技術(室町・江戸時代以来の)は世界に冠たる技術であり、これをもっと普及させるべき。
- 自分は現地でテロリストに会ったこともないし、市民に脅されたこともない。テロリストがアフガンに
いるから外国人が入るのではなく、外国人がいるからテロリストが集まるのである。 - 最後に23年間の活動を通じて言えることは「情けは人の為にならず!」である。 金と武器があれば何でも
出来るという妄想は捨てるべきだ!
[質疑応答]
Q.今、我々日本にできる事は?
Q.OEF、ISAFは現地にとってどうなのか?またNGO(日本、他国)で信頼を得ているところは?
A.
これから何かしようとしても、既に活動している他国に比し、何が出来るか?それだけに小沢代表の発言は
残念である。(言わなきゃよかった)
治療する事が必要。
数百名の市民の犠牲が有る。
−吉良州司−