139「子供手当について その2」 2009年09月29日
みなさん、こんにちは! 吉良州司です!
前回のメルマガでは、子供手当に関して、グローバル経済下に おける子育て世代に対する国を挙げての支援の必要性について、 所見を述べさせて戴きました。 一方、子供手当についての説明を試みている際に、地元のみなさん からお聞きしたご意見も踏まえた上で将来的な改良も必要と 思っています。本号では、その将来的な方向性について お伝えしたいと思います。
1.所得制限について 将来的には、一定所得額以上の家庭への支援は行わなくていいと 思っています。しかし、現時点でそれにこだわることは避けるべきだと 思っています。何故なら、定額給付金の支給において、所得制限が ない中で800億円を超える莫大な事務費が必要になったことを 思い出してください。所得制限の即時実施にこだわるあまりに、 所得捕捉や事務処理に莫大なコストがかかったり、公平性を欠く ようなことがあっては本末転倒になってしまいます。特に公平性の 問題は、所得捕捉の問題と密接に関連します。 国民年金の一元化が難しいことの最大の理由は所得捕捉が難しいこと です。それ故、民主党の国民年金も含めた年金一元化の方針は歳入庁 (国税庁と社会保険庁の一体化)と社会保障番号の創設が前提に なっています。これらの創設により所得捕捉の正確さと公平性を 担保するのです。 子供手当の所得制限はこれらの所得捕捉制度の充実と平行して 実施すべきだと思っています。
2.時限立法制度(25年~30年)に 前回のメルマガでは、グローバル経済下では、専門性をもたない労働は 発展途上国の労働と比較され、残念ながら賃金が上昇しにくいことを 説明しました。だからこそ、これからは、家庭、コミュニティ社会、 自治体、国を挙げて、専門性を持った人材、グローバル経済下の世界で 通用する人材を育てていかなければならないと思います。これは何も 世に言う「できる子供」だけの話ではなく、ほぼ全ての子供達に 懇切丁寧な教育をほどこして、実現していかなければなりません。 その意味でも北欧諸国、特にフィンランドの教育は大変参考になりますが、 本メルマガではこれ以上触れません。 今、子育てをしている世代は、実は就職氷河期世代と重なります。 この世代の特徴は、彼らが育っているのと平行してグローバル経済化が 進展し、受けた教育は古い時代のまま、社会人になる頃は、バブルの崩壊と 失われた10年(15年)の真っ最中で就職氷河期でした。再起を期そうにも グローバル経済下においての専門性を要求され、短期の自己投資では 追いつけません。このような環境下で将来的な夢や希望が持ちづらく なっている世代なのです。 この責任を彼らだけに押し付けるのはあまりにも理不尽では ないでしょうか。このような国際的、国内的環境変化に的確に 対応できなかった政治の責任でもあるし、その政治を野放しにしてきた 国民全体の責任でもあります。学校教育を受けている時期の 社会のルール(労働の国際比較が少ない時代のルール)と、 社会に出てからのルール(グローバル経済下のルール)が異なる、 いわば被害者の側面があるのです。だからこそ、彼らの子育てを 国を挙げて支援する必要を痛感するのです。
しかし、一方で、これは時代がなせる特殊な事態であり、 この特殊事情が必ずしも未来永劫続くわけではないという冷静さを 持つことも必要です。これからは、グローバル経済を意識した教育、 人材育成になりますので(学校教育時のルールと社会のルールが同じになる)、 今の子供達が親になる頃には、子供手当の支給を見直してもいいと 思うのです。それ故、この子供手当制度は25年から30年の時限立法に すべきだと思います。現在、財源論が盛んに議論されています。 私は、5.3兆円の財源は無駄の検証で十分捻出できると信じていますが、 この特殊事態を乗り切るための25年~30年なら国債発行も選択肢の ひとつだと思っています。
時代は大きく変わっています。私は選挙中、「自民党は戦後復興と 高度成長戦略により日本を世界有数の経済大国にした功労者だが、 その歴史的使命は終わった。何故なら、自民党は環境変化に 対応できなくなった政党だから。国内的な少子高齢化という 人口構成の変化、冷戦終了とグローバル経済の進展という国際的な 環境変化に対応できる政治を実現するために政権交代が必要」と 訴え続けました。子供手当ひとつ取っても、時代がもたらす大きな 環境変化の延長線上で捉える必要があると思っています。
今、世界は大きく動いています。リーマンブラザーズ破綻は 世界経済を震撼させましたが、でもその影響で、米国では、 新しい時代にふさわしい新しい価値観を掲げて颯爽と登場した オバマ大統領が誕生しました。そのオバマ大統領誕生により、 世界がめざす価値観が大きく変化しています。ブッシュ政権の時代に 誰が「核兵器廃絶」が国連安保理で、それも常任理事国首脳出席の中で 決議されると思ったでしょうか。わが国の地球温暖化対策の勇気ある 目標設定と国連での公表もオバマ大統領の誕生抜きには語れないと思います。 時代の変化に対応できる政治が今ほど求められている時はないと思います。
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