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メールマガジン

138「子供手当について その1」  2009年09月28日


みなさん、こんにちは!
吉良州司です。

鳩山外交がスタートしました。米国をはじめ国際社会から
好意的に受け止められていることをありがたく思うと同時に、
正直な話、ほっとしています。

さて、先日、地元大分放送(OBS)主催の大分県選出国会議員に
よる討論番組に出席しましたが、自民党議員から、子供手当や
高速道路無料化についての疑問が提示されました。また、
本日投票予定の自民党総裁選の候補者も民主党政策について、
従来型の発想による批判が絶えません。OBSの討論会では討論
参加者も多く、時間も限られていましたので、批判対象となった
子供手当について十分な説明をすることができませんでした。
そこで、本日のメルマガでは、何故、今、子供手当なのかの総論、
そして次回では、子供手当の将来的なあるべき姿について、
私なりの所見をお伝えしたいと思います。

私は選挙中も子供手当(0歳から15歳までの全ての子供につき
月額2万6千円の家計支援)の必要性につき、次のように日本を
取り巻く環境変化を持ち出しながら訴え続けました。

1.自分が社会人になる頃(昭和55年)と現在とでは全く環境が
異なります。その頃はまだ終身雇用、年功序列賃金が一般的でした。
新入社員の頃は給料が安くとも、一所懸命働き続ければ歳とともに
給料も上がるという確証もあったので、20歳代でも結婚し、
子供を産み育てることができました。将来への安心、期待が
あった時代だったのです。

2.それから時代は大きく変わり、冷戦終了後にグローバル経済化が
大きく進展しつつあります。また、昨年9月の米国リーマンブラザーズ
破綻は世界中に大きな影響を与えました。

3.リーマンブラザーズ破綻以降の世界経済危機が一体何を
意味するのか。それは、「経営者の経営努力や一人ひとりの
働き手の頑張りの及ばない原因により、ある日突然、経営危機や
雇用不安に陥ることもある」ということが明らかになったことです。
トヨタ自動車は一昨年2兆円を越える利益を出していましたが、
それが一挙に数千億円の赤字に転落してしまいました。トヨタの
経営陣が突然杜撰(ずさん)経営をし始めたわけではありません。
解雇された期間従業員や派遣労働者が突然サボり始めたわけでも
ありません。経営努力や個人の頑張りを超えたところで、
危機に直面することがあることを如実に示したのです。

4.このことは、たとえ、ある時点では安定した優良企業に
就職していたとしても、その企業の永続性や、そこでの将来に亘る
雇用についてリスクが存在することを意味します。

5.一方、グローバル経済化がもたらすものは何か。それは、
特別な専門性をもたない労働は、発展途上の中国や東南アジアなどの
労働力と比較される運命にあり、賃金水準が上昇しないばかりか、
将来的に下降するリスクもあるということです。

6.数十年前なら、地方の自治体は盛んに「企業誘致」を推進し、
それは一定の成果をあげてきました。当時の企業の新工場建設の
判断材料も、たとえば、室蘭か相生か大分か。大分には、良質で
豊富な大野川の工業用水があり、高校卒の優秀な労働力も十分
確保できる、周辺のインフラ整備など大分県・大分市の大きな協力も
得られる、だから大分だ、といったものだったと思います。
室蘭でも、相生でも、大分でも高卒給与をはじめとする新工場の
人件費には大きな差異がない時代でした。

7.しかし、現在は同じ規模の工場を建設、運営するのに、上海や
ベトナムのハノイで建設する場合は大分の場合と比べて建設費2/3、
人件費1/4となるような時代です。年間人件費がハノイで10億円、
大分だと40億円、せめて大分で半分の20億円に収まるなら、
大分立地でもいいという判断になります。そうすると工場運営の
必要人員が200人である場合、大分工場の人件費を20億円以内に
するために、50人を正社員、150人は派遣社員にするといった判断に
なってしまうのです。仮に、全員を正社員で雇用する場合でも
「大分○○株式会社」という地方法人をつくり、本社とは全く
待遇の異なる採用、雇用条件になる場合が多いのです。
これが受け入れられないとなると、新工場は大分ではなく、
中国やベトナムにいってしまい、50人の正社員、150人の非正規社員の
雇用もなくなってしまいます。

8.このことは、間接的ながら、日本の専門性を持たない働き手が、
発展途上国の働き手と比較され、賃金が上昇しない(時には下降)
可能性があることを意味しているのです。

9.現在、子育てが終わっている世代も、大変な苦労をして就職、
結婚、子育てをしてきたことは十分わかっています。「自分達も
苦労して頑張ってきたのだから、今の若い人達も国からの支援などに
頼らず、頑張りなさい」という気持ちも十分わかります。しかし、
当時は苦労の甲斐あって、目に見えて生活が向上しました。そして、
終身雇用や年功序列賃金制度の中で将来への安心と希望があり、
思い切って結婚、子育てができる時代でした。その環境が全く
変わってしまっているのです。頑張って、頑張って、更に頑張って、
どれだけ一所懸命頑張っても、本人たちの努力の及ばないところで、
苦労し、将来への自信がもてない時代なのです。

10.「このような時代だからこそ、『子供は国の宝、社会の宝』
という意識を持って、社会のみんなで子育て世代を応援しようでは
ありませんか!」「雇用上の将来不安はあっても、社会のみんなが
支えてくれるという、安心があれば、思い切って恋をし、
プロポーズをして、結婚、そして、かわいい子供たちを育てる勇気が
沸いてくると思います。かけがえのない将来世代のために、
国を挙げて子育て世代を支援していこうではありませんか!」と
熱く訴えかけたのです。

このような訴えに対して、毎回、割れんばかりの拍手が
沸き起こりました。かけがえのない子や孫たちのためにこそ政治がある、
そのためにいい国を創ってくれ!と応えてくださる大分のみなさんの
高い志と見識とにどれだけ勇気づけられたでしょうか、
心から感謝しています。


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