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132「財源論」  2009年08月03日


みなさん こんにちは!
吉良州司です。

先週の金曜日、自民党のマニフェストが公表され、これで全ての
政党のマニフェストが出揃いました。前号では、政権交代後に
民主党が実現したい「民主党重要政策の概要」についてお伝え
しましたが、本号では、今後、最大の争点になるであろう
(現与党はとにかく争点にしたがっている)
「財源論」について、お伝えいたします。

1.政権交代によって一体何が変わるのか??予算の優先順位が変わる!

7月22日付けのメルマガで、国のかたちや仕組みが政権交代によって
どのように変わるのかについてお伝えしました。
政権交代による変化を「予算」という側面でみますと、民主党は
政権交代後に一体何を大事にしたいのか、そのために、どのような政策に
予算を優先配分するのか、という予算の「優先順位」が変わることを
意味します。政権交代により「政策の優先順位が変わる」のです。

(1)     与党が「財源を示せ」と攻撃する際の、三つの前提

与党やマスコミは、「民主党は新政策の『財源』を示せ」と執拗ですが、
この攻撃には、下記三つの前提があります。

1)現自公政権の予算は、大事な事業向け予算ばかりで、削るべきムダはない
2)民主党の新政策は全く新規の事業であり、
   現予算には削れるムダはないので、全く新しい『財源』(恒久財源)が必要。
3)「財源論」という土俵で相撲を取れば、必ず与党が有利になる(注1)

(注1)予算と財源論 
財源を捻出する方法は、(1)増税、(2)借金(国債発行)、(3)既存予算の削減、
の三つがありますが、特に2007年に参議院の多数党が逆転する中、現政権の
税金ムダ使いが次々と明らかになりました。あまりにひどい税金ムダ遣いを
目の当たりにして、国民負担増を求める前に、まず、税金ムダ使いを
根絶することが至上命題だと思います。一方、一般会計並びに特別会計、
すなわち国家予算全体に渡って、既存予算がムダかどうか、ムダだと
判断する場合、廃止なのか減額なのか、減額する場合はどの程度の予算なら
妥当か(予算額の正当性)などを判断することは、その現場の実態を個別に
精査しなければなりません。
時には予算作成上の事業者から見積もりを取りなおしたり、それを専門家に
分析、判断してもらうことも必要になってきます。このことは、民主党が
実施した事業仕分け(後述)手法により予算事業を検証する中で、より明確に
なってきました。つまり、財源を示すということは、突き詰めれば、
「国家予算そのものを編成すること」と同じことなのです。しかし、憲法上、
与党に基礎を置く内閣にのみ予算編成権(第73条4号)が与えられています。
また、詳細な予算項目の内容やその実態に関する情報は、財務省をはじめと
する各省庁が独占しており、議院内閣制(与党が政府をつくる)の
仕組みの中で、野党が予算精査に必要な情報を入手することは極めて困難です。
何故なら、現在のように政権交代が現実味を帯びてくる中では、与党がそれを
許さないからです。以前、民主党の資料要求に対して、役所が民主党に
提出しようとする資料を自民党が事前にチェックしていることが
大きな話題になったことはご存知の通りです。
権限と責任と情報は一体であり、予算編成権のない野党には、財源を示す
責任もなく、その情報も与えられていません。
因みに、本場英国のマニフェストにつき、労働党、保守党各々の
マニフェストを検証しましたが、優先課題が示されているだけで、財源などは
一切記載されていません。野党に財源の詳細明示など求めていないのです。
また、与党になって役所を自由自在に使わない限り、財源の詳細明示は
無理なのです。与党もこのことがわかっているからこそ、すなわち、
「財源論という土俵で相撲を取れば必ず勝てる」とわかっているからこそ、
執拗に財源論争をしかけてくるのです。

(2)     民主党が掲げる重要政策の予算化

上述した与党の民主党攻撃に対して、我々は下記3点を前提として
予算編成を行います。

1)現政権の予算は、現政権が大事だと思う事業(ハコモノ建設、土木工事、
 業界や天下り受入法人への補助金)を最優先しており、民主党の
「国民生活が第一」の観点からは、ムダが多く、大きな削減余地がある。
2)予算編成の際は、民主党が掲げる重要政策の予算をまず確保する。
 その分だけ、現政権のムダな政策予算を削除または減額する(注2)。
3)財源提示は「予算編成そのもの」なので、政権獲得後に堂々と詳細を
提示する(注1を再度ご参照)。

(注2)事業仕分け(ムダの検証)
民主党は、国の全予算事業を、所管各省庁別に担当議員を決め、そこに
有識者など、第三者委員を交えたグループをつくり内容を検証しました。
その上で、省庁の事業担当者と意見交換し、事業の必要性の有無、必要な
場合の改善点などを議論し、民主党が政権を取った場合に「事業廃止」
「民間実施」「地方移管」「改善して継続」「継続」という判断作業
(=事業仕分け)を行いました。
根絶すべき税金ムダ使いの総額は「事業廃止」の合計と「改善して継続」や
「民間や地方移管」した場合の削減額の合計を足した総額となります。
民主党が、このような事業仕分けをすることができたのは、参議院で
与野党逆転したことにより、(以前に比べて)官僚から様々な情報を
入手することができるようになったからです。税金のムダ使い根絶に向けた
第一歩が踏み出せたと思います。

2.予算の総組み替えこそ財源論の回答

民主党の現実的な対応としては、民主党は一体何を優先するのか優先順位を
明確にし、優先順位の高い政策は必ず、真っ先に予算化します。そして
優先順位の低い予算項目を削除、減額します。つまり、「予算を総組み替え」
することにより、重要政策を実現してまいります。このことが政権交代の
意義だと確信します。

尚、ここで書いた文章を図示していますので、こちらをクリックしてください。
http://kirashuji.com/pdf/2009chirashi.pdf


-吉良州司-


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