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116「自衛隊湯布院駐屯地創立52周年記念行事検観閲式に参加して」  2008年10月14日


――世界金融不安と米国の北朝鮮テロ指定国家解除に思う自主防衛の重要性について――


こんにちは!
吉良州司です。

10月12日(日)、自衛隊湯布院駐屯地創立52周年記念行事の検観閲式に参加しました。与党議員はインド洋における給油活動が如何に重要であるか、日米同盟の維持の重要性、わが国が世界の主要国とともにアフガニスタンにおいてテロと戦うことの必要性を訴えておりました。そのようなことは余りに自明であるとの前提の上で、私は次のような挨拶をしました(下記文章は文語調ですが、実際の挨拶は丁寧語による口語表現)。


(1)(52周年のお祝いと関係者への感謝、自衛隊の任務の重要性につき敬意と感謝を表した上で)最近はリーマン・ブラザーズの破綻に端を発する世界の金融不安により、世界の経済秩序が音をたてて崩れている。そのような状況の中で、昨日、米国が北朝鮮のテロ指定を解除してしまった。このことは一体何を意味するのか。


(2)ここ数年、世界の政治経済情勢に極めて大きな変化がおこっている。1991年の冷戦終了により出現した米国の圧倒的な優位の時代から多極化の時代へと変化してきている。資源・エネルギーが戦略物資化する中で、ロシアが『新冷戦も辞さず』とグルジアに介入したことはその典型例といえる。


(3)今後、どの政党が政権を担うことになっても『日米同盟、日米関係が日本の外交・安全保障の基軸』であることは論を待たない。


(4)しかし、今回の米国発の金融不安、経済危機の中で、イラクに深くコミットし、またアフガニスタンにもコミットしながら、イランに備えなければならない米国・米軍が、東アジアにコミットする軍事的余力、経済的余力は以前に比べて大きく減じざるをえない。その結果が今回の北朝鮮のテロ指定解除ではないかと思う。


(5)つまり、『日本の安全保障にとって、日米同盟・日米関係の維持・発展は必要条件ではあるが、もはや十分条件ではなくなった』という認識を持った上での防衛戦略が必要ではないのかと思う。その意味でも、日米同盟はきちんと維持・発展させながら、同時に自主防衛力の強化に取り組んでいかなければならない。


(6)自主防衛に備えた自衛隊の更なる精進・努力をお願いする。また、自分は、そのことを国政の場において強く訴えていく所存。(最後に今一度、敬意と感謝、お祝いを述べて挨拶終了)」


今回の世界的な金融危機、経済の不安定化は、世界経済のみならず、資源・エネルギー問題は勿論、世界の政治、軍事情勢にも大きな影響を及ぼしています。このことをきちんと認識した上での国家の舵取りが必要です。

以前の55年体制であれば、『米国につく=自民党=西側諸国の仲間として自由主義経済を守る、一方、ソ連につく=社会党や共産党=社会主義・共産主義経済を志向する』という図式が成り立っていたでしょう。
しかし、今や、わが国が自由と民主主義を守り、自由主義経済を志向していくことは余りにも当たり前のこと、また、日米同盟や日米関係の重要性・必要性などの認識は、党派を超えた「いろは」の「い」であって、特に自民党と民主党の間では、もはや全く争点にはならないのです。
それを、55年体制の論理を持ち出してきて、インド洋での給油継続に反対することを、無理やり日米同盟の軽視や否定と結び付けようとする姿勢は情勢認識の甘さや時代遅れを示しています。また、その単純図式を持ち出すことで、めまぐるしく変化する世界の政治・経済情勢から国民の目をそらさせてしまっていることを深く憂慮します。
これまでの日本の安全保障を規定していた世界情勢は刻一刻と変化しています。その変化の背景を説き、その変化への対応の方向性を示していくのが、リーダーとしての役割、使命だと思います。

 


-吉良州司-


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