120「続・続 党首討論に思う --玉石混交法案への対応--」 2008年12月11日
みなさん こんにちは!
吉良州司です。
前回の<続 党首討論に思う>のメルマガに対する感想として、「野党は何でも反対と思っていたが、現実はかなり複雑。民主党の主張にもそれなりの理由があることがよくわかった」とか、「現在の政治状況を非常にわかりやすい言葉と説明で解説してくれているので、素人の自分にもよく理解できた」などと好評を戴きました。ありがたいと思う気持ちとともに、もっと早くからこうした解説もすべきだったのではという反省も込めて、今日も、「続・続 党首討論に思う」と題して、マスコミにはあまり報道されていない「政府提出法案に反対」する、もうひとつの理由についてお伝えします。
それは、玉石混交の内容が同じ法案や予算案の中に溶かし込まれているという問題です。前回のメルマガでもお伝えしたように一見素晴しい法案に見える名称で提出される法案の70%は賛成できる内容だが、30%は賛成できない内容を含んでいるような場合の問題です。
具体的な例を挙げてみましょう。
玉石混交予算案についての好例は、来年早々に政府から提出されると思われる第二次補正予算案です。
当面の失業対策や景気刺激策としての公共事業の拡大、中小企業の資金繰りを助ける信用保証協会や政府系金融機関の保証・融資枠の拡大などの政策は、足下の厳しい経済状況下では「止血政策」として賛成すべきだと思います(公共事業は厳選し、一時しのぎ的ばら撒きは許されませんが)。
しかし、一方で、ばら撒きそのもの、総選挙を直前に控えての「合法的賄賂」ともいえる定額給付金2兆円も同じ第二次補正予算の目玉として「一括」「一本」の予算案として提出されてくるのです。
このような場合には民主党として非常に厳しい判断を迫られます。
- 定額給付金が組み込まれている限りは反対する。
- 厳しい経済状況下の緊急性など定額給付金以外の政策は必要だと判断して定額給付金には目をつぶって賛成する。
- 修正要求を求め、受け入れられなければ反対する。
このように「何でも反対」ではなく、きちんと内容を精査して賛成、反対を判断していくわけです。
しかし、与党は「民主党は、100年に一度という経済的危機を乗り切るための補正予算案に反対している」「やはり何でも反対政党だ。こんな無責任な政党に政権を任せられますか?」と国民に訴える材料にします。民主党を陥れるための戦術として利用するわけです。
玉石混交溶かし込み法案の具体例は、前回の通常国会で提出されてきた「地域力再生機構法案」があります。
「地域の力を再生する」ことに反対する人など誰ひとりいません。しかし、詳細な説明は割愛しますが、この法案には、地域力再生機構を設立して地域の(本来優良な企業ながら、現時点で苦境にあるような)中小企業を再生するという、賛成できる要素を含む一方、計画も経営もずさんで、莫大な損失を生じさせている第三セクターも救済するという、賛成できない要素も含んでいます。国民の税金で救済するにもかかわらず、ずさん計画、ずさん経営の責任は問われなくなってしまうのです。損失垂れ流しの第三セクターの中には、将来負担を考えた場合、潰した方が国民や住民のためになるものもあります。しかし、(多くの場合には過去も含む大物首長や役所幹部の)責任をあいまいにするために、税金により存続させてしまうのです。この他にもこの法案には納得できない要素もあり、この第三セクター問題と併せた判断から、最終的に反対したわけです。
最近の与党は、上述のように、単独で提出すると欠点が浮き彫りになってしまう内容を、国民や野党も納得できる内容に潜り込ませた法案や予算案として提出してくる戦術が多くなっているように思います。
前回のメルマガで、実質審議した法案128本中94本(73%)は賛成したとお伝えしましたが、この94本も内容的に100%賛成できた法案ばかりではありません。しかし、それこそ反対ばかりしていると喧伝されることは得策ではない(内容的にもぎりぎり許される範囲であろう)と判断して賛成している場合も多いのです。
今日お伝えしていることも、あまり国民のみなさんには伝わっていないと思います。マスコミが与党の喧伝に乗せられてしまうことが多いからです。
現在の与党は「民主党は反対ばかりする万年野党体質だ!」と攻撃するくらいしか攻撃材料がないからか、執拗に「美名法案」「玉石混交溶かし込み法案」を提出してきます。マスコミも、もう少しそこに潜む問題点を報道してほしいと思います。そして、国民も冷静に判断して戴きたいと思います。
勿論、そのために私たちは、国民のみなさんの理解が得られるよう、説明責任を果たして参ります。
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