No.001 159回国会「衆議院 予算委員会 11号」 2004年02月17日
①平成16年2月17日 予算委員会
○笹川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉良州司君。
○吉良委員 無所属で民主党・無所属クラブ所属の新人、吉良州司でございます。 きょうは、年金改革、対中ODA、また、日本の財務・金融安全保障等について質問させていただきますけれども、年金改革及び対中ODAに関しましては、必ずしも民主党の意見そのものとは一致しない場合がございますけれども、私、無所属吉良州司の見解として大臣の見解を賜りたいと思っております。 まず最初に、年金改革につきまして、厚生労働大臣にお尋ね申し上げます。 今回の、与党として出されております年金改革、この年金改革の理念、そして、国民に対して何を訴えたいのかについてお伺いしたいと存じます。
○坂口国務大臣 吉良議員から真正面切っての御質問をいただきまして、ありがとうございます。 年金につきましては、前回も少し申し上げましたけれども、これは持続をさせるということが最大の課題だというふうに思っております。持続こそ命というふうに思っております。したがいまして、年金制度が、現在だけではなくて、私たちの次の世代あるいは次の次の世代にもそれが継続していけるような体制をどうつくり上げるかということではないかというふうに思っております。 そうした意味で、お若い皆さん方にできるだけ負担を軽減していく、そして、次の世代の皆さん方を含めて今度は給付の方で、まずこれぐらいでまあ辛抱できるかというぐらいな程度の年金はつくり上げていかないといけない。 そうした意味で、今回の改正案におきましては、負担の方は一八・三〇%を上限とする、そして、給付の方の下限につきましては五〇%を下限にするといったことで組み立てを行わせていただき、さらに、そこに、いわゆる少子高齢社会で人口構造がかなり極端に変化するわけでございますから、それを是正する意味からいきましても国庫負担が必要でございます。まず、基礎年金の二分の一への引き上げの道筋を明らかにして、そして、それに対する御理解をいただけるようにするということでございます。 さらに加えまして、積立金、百四十数兆円に達しておりますけれども、これは言うならば今までの皆さん方が積み立てていただいたものでございます。これを次の世代に御利用いただくということで、百年先に一年分を残す、そういう体制の中でこれを使用させていただいて、お若い皆さん方の年金に使わせていただくというのが今回の年金のあらあらの姿でございます。御理解いただければと思います。
○吉良委員 今のお話ですと、例えば、現在年金を受給している世代も五〇%を下限として給付を減らしていく可能性があるという理解でよろしいでしょうか。
○坂口国務大臣 現在既に年金をもうもらっておみえになる皆さん方、これは今までの制度設計におきましてお約束をしてきたことでございますから、既にもらっておみえになる皆さん方の分までも下げるということになりますと、それこそ年金に対する不信が増大すると思いますし、既に人生設計をしておみえになる皆さん方にも御迷惑をかけることでございますから、その名目額は下げないということでいきたいというふうに思っております。
○吉良委員 一方で、世間では、現在の、例えば昭和一けた生まれの高齢者は自分の掛金の八倍の給付がある、四十代半ば、私は正確な数字を持ち合わせてはおりませんけれども、まあ倍である、今の二十代、この世代はほぼ同額だ、若干上回る程度だ、こういうような議論がまかり通っておりますけれども、このことについて坂口厚生労働大臣はどのように受けとめておられるでしょうか。
○坂口国務大臣 これは若干の相違があることは御指摘のとおりでございますが、現在年金を受けておみえになる皆さん方がお若いとき、それは、制度のなかった時代もございますし、制度がございましても、そのときの皆さん方の所得が少なかったわけでございます。月々の給料が少なかったわけでございますから、したがって保険料も低いということは、それは当然といえば当然でございまして、それから賃金上昇がずっと行われてまいりましたから、過去と現在と比較をいたしますと、その納付をしていただきました保険料に格差が出てくる。 それでは、現在お受けになっている皆さん方と次の世代とはどうかということになるわけでございますが、恐らく、今はデフレでございますけれども、間もなくインフレにはいかないまでも賃金上昇の時代になるだろうというふうに思いますが、そうなってまいりますと、現在の人と次の世代の人を比較しますと、次の世代の人はまた給料が高くなっているわけでありますから、前の世代の皆さん方は、これは納めていないというおしかりを次の世代からもまた今の世代の人たちが受けるということに、これはもう順繰りになってくる場面がある。 しかし、現在の年金制度が未成熟でありましたときにお入りいただいた皆さん方と、成熟をしました現在との間の格差があることは、間違いがないわけでございます。
○吉良委員 私の冒頭の質問からいうと、今の高齢者はもらい過ぎだというふうにとらえられたかもしれませんけれども、私の質問の趣旨、当初、哲学、理念とは何ぞやということをお聞きしましたのは、私個人として、今現在の高齢者、この方々が、今大臣おっしゃられましたけれども、若い時分、特に今のもう六十五歳以上の方、七十以上の方というのは本当に、戦前、戦中、戦後、物すごい苦労をされている。それこそ芋の葉っぱを食い、カエルや蛇を捕まえて食べ、そして、戦後の廃墟の中、日本をここまで復興させてくれた恩義ある世代、そういう意味では、先ほど坂口大臣の答弁を聞いて安心したわけでございますけれども、今の既存の高齢者の給付水準は絶対に下げるべきではない。もう少し言いますならば、政府案は全世代に対して五〇%を下限にして給付をしていくという目標を設定しておりますけれども、私は、世代間のある意味での不公平はしようがない、実はこういうふうに思っておるところでございます。 何が言いたいかといいますと、これだけ苦労して日本を復興させてくれた高齢者に対しては下げない、けれども、これからの待ったなしの高齢化社会を考えますときに、本当に五〇%を下限ということで成り立っていくのでしょうかと。逆に、私、今四十五でありますけれども、私ども若い世代は、今の高齢者が苦労したおかげで豊かな時代に生まれ育ち、五〇%と言わず、場合によっては四〇%、そういうような給付水準でもいいのではないか。 私が最初に聞きました哲学といいますのは、申しわけないですけれども、与党案というのは、高齢者にも気を使い、票を失いたくないがために五〇%という下限を設け、一方で、こちらを下げないと言えば保険料を上げざるを得ない、そうすればまた経済界からやんややんや文句を言われる、右にも文句を言われず左にも何とか文句がおさまる程度でというような、その場しのぎの改革案になっているのではないか。 もう少しこの国の戦後の歴史を踏まえて、苦労を重ねてきた人たちには安心を、そして、その人たちのおかげで豊かに育ってきた我々若い世代、現役世代は自己責任、自助努力というものをもっと政府として押し出してもいいのではないか。そういうめり張りのきいた、歴史観を持った年金制度であるべきだと。 話はちょっと飛びますけれども、今の、例えば問題になっている教育問題等を含めても、何でもかんでも数字、そろばん、それだけで解決しようというか、それだけを前面に押し出して国民の理解を得ようとするところに日本の荒廃がある、精神の荒廃がある。何がたっといんだ、それで、どういうところが――先ほど言いましたが、私ども若い世代は、愛のむちということで、今、日本復興をなし遂げなければならない、私たち若い世代も依存体質のままでいいはずがない、もっと自己責任、自助努力でやってほしいというような訴えがあってもいいんじゃないか、このように私自身は思っておるわけでございます。 その辺について、再度、坂口厚労大臣の所見をお伺いしたいと存じます。
○坂口国務大臣 私の世代の者にとりましては涙の出るような話でございまして、感謝を申し上げたいというふうに思いますが、先ほど申しましたとおり、現在既に年金をもらっておみえになる皆さん方に対しましては、現状を維持したい、下げることはしないということでいきたい。また、もう間もなく、来年か再来年かという皆さん方に対しても、今、平均して五九%だけれども来年から五〇%にしますよと言えば、それは大変な、人生設計に影響をすることでございますから、年金というのは、少なくとも二十年ぐらいかけて、制度設計にしろ、計算の今度はやり直しにしろ、徐々に徐々に行っていかなければならないものだというふうに思っております。 そして、お若い皆さん方に対するお話もございましたけれども、お若い皆さん方もこれから御努力をしていただくわけでありますので、お若い皆さん方の将来に対して年金が少なくなってもいいのかといえば、それはやはり、少なくともお若いときの手取りの半分ぐらいはないといけないんだろうというふうに思っております。 なぜかといえば、現在の高齢者の消費というものを見ますと、大体お若い皆さん方の半分ぐらい、五〇%ぐらいの消費になっておりますので、そのぐらいの年金はどうしてもやはり確保していかなければいけないというふうに思っております。 そうした意味で計算をしてみますと、一八・三〇という、最高、これから徐々に上がっていきますその保険料、一七年にかけて上げていきますが、それで、上限をそこまでにいたしまして計算をすると、今の四十五歳というお若いあなたの世代の方々も、それから、あなたのお子さんの世代の皆さん方にもその年金は適用することができ得る、そういう計算でございます。
○吉良委員 再度申し上げたいと思うんですが、私、最初に哲学ということを申し上げましたのは、その時代背景を踏まえた世代が生きているわけでありますので、その時代背景に応じた対応があっていいのではないかと。 先ほど私が、今の高齢者に対しては厚くといいますか、下げるべきではないと申し上げましたのは、この世代の方々は、例えば戦争ということを通して、自分の努力ではどうしようもない、そういう時代背景があった中で生きてこられた方々です。極端に言うと、自分の人生を自分で切り開けない、自分の努力ではどうしようもならなかった、そういう世代でもあると思っています。 ところが、私たちの世代は、ある意味では、努力すれば何とかなるという時代に生きさせてもらっております。そういう意味で、これだけ日本の国の例えば国債残高、公債残高が積み上がり、子孫に対してツケが回されようとしている今、若い世代には自助努力というものをもっと促してもいいのではないか。 先ほど言いました、国のために必ずしも自分の努力を超えた条件があった、状況があった、時代背景があった人たちには、国がちゃんと面倒を見る。だけれども、自分の人生は自分で切り開けるという世代に対しては、もっと自助努力を促していく。そうすることによって、国だ、何でもかんでも国に頼っていく、そういう今のこの日本の体質、この体質が今この日本の閉塞感をもたらしていると私は認識しておりますけれども、その意味で、もっと自助努力を促す。したがって、世代間に多少の不公平があってもいい、そこまで踏み込んだ年金改革が必要なんじゃないか、このように申し上げているわけでございます。 もう一度、その意味で、民主党が掲げております、基礎年金について全額税を投入する、そして、自助努力部分も含めた比例報酬部分という年金、それから、今、仮に政府案をベースにした改革のときも、世代間にある程度差をつけた、そういう改革案というのをもうタブーを設けずに検討してもらいたい、このように思い、質問をしているわけでございます。 再度、最後の質問になりますけれども、厚労大臣、所見をお願いいたします。
○坂口国務大臣 お気持ちは痛いほどよくわかるわけでございますが、しかし、お若い皆さん方の将来のこともやはり考えていかなければならないというふうに思います。 したがいまして、現在よりも額は下がりますけれども、しかし、最低限の、それで生活を支えていただけるだけの年金はつくっておかないと、立派に生活のできる皆さん方は、いや、将来のことはもう心配要らないよ、自分のことは自分でやるよ、こういうふうにおっしゃっていただけると思いますけれども、すべての人がそうではありませんので、やはり最低限の支えになります年金はつくっておかないといけないだろうというふうに思っております。 ただし、これはもう年金プラス自助努力であることだけは間違いがないわけでございまして、いろいろのアンケートを見ましても、多くの皆さん方は、七割の皆さん方は、年金プラス自助努力あるいは自助努力プラス年金、こういうふうにお答えになっているわけでございまして、私は、その皆さん方の御要望におこたえをするということが大事だと思います。
○吉良委員 私も、自分のことなり自分の子供なども含めて、何でもかんでも自助努力でほったらかせと言っているわけではなくて、私自身は、今のこの国は国が関与し過ぎるというふうに認識しておりますので、今言いました自助努力が求められる世代については、国の関与はナショナルミニマムを達成するための最小限のものにして、あとは、イギリス型のステークホルダー年金だとか、米国型の四〇一kまでいくか、その辺についてはまた改めて私もよく勉強してまいりますけれども、私的年金というものも考慮に入れて、間接的に国が支援をしていく、直接的には自助努力を求めていく、こういうことについてぜひ再検討をお願いできればなというふうに思っているところでございます。 次に、対中ODAについて、川口外務大臣にお尋ね申し上げます。 まず、対中ODAの過去十年の実績について、及び、この間、対中ODAの見直しがなされておりますけれども、その見直しのポイントについてお伺いしたいと思います。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。 過去十年間の対中ODAでございますが、交換公文ベースということで申し上げますと、有償資金協力につきましては一兆六千九百一億円、無償資金協力が五百八十四億円ということで、合わせまして一兆七千四百八十六億円ということでございます。これは、JICAも含めまして、技術協力を除いた数字でございます。それを除いた有償、無償の資金協力の実績でございます。 それから、対中援助の方針につきましては、二〇〇一年の十月に対中国援助計画というものを策定いたしまして、その中で、多年度方式から単年度方式へということとか、それから、過去の実績を与件としないで、所与のものとしないで個々のプロジェクトをきっちり積み上げていくという考え方とか、あるいは、対象につきまして、沿岸地域から内陸地域に方向転換をする、それから、環境案件でありますとか人材育成でありますとか、そういった案件に特化していくということがうたわれておるわけでございます。 現在は、その考え方に沿って、毎年、中国からの要請を前提に、一つ一つプロジェクトについて議論をし、私どもとして最終決定をするということでやらせていただいております。
○吉良委員 私自身は、今後のFTA、アジア地域におけるFTA、それから将来的な経済圏構想を考えたときに、中国との協力、これはもう絶対必要なものであるということを前提になんですけれども、中国は、ODA大綱の中には軍事支出の増大について注意を払うという項目がありながら軍事費が毎年毎年ふえている、それから第三国に対して経済援助を行っている、こういう状況でございますけれども、川口外務大臣にお尋ねしますが、中国の現在の軍事支出というのが幾らなのか、そしてまた、第三国への援助額が幾らになっているのか、お聞かせください。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。 中国の国防予算でございますが、二〇〇三年度につきましては、千八百五十三億元ということでございまして、対前年比の伸び率が九・六%でございます。(発言する者あり) 日本円に直しまして、ざっとこれの十五倍ということで御理解いただければと思うわけでございます。ちょっと手元に、今、厳密なものがございませんで、過去数年、二けたの伸びで来ておりましたが、二〇〇三年度につきましては、九・六%の伸びということでございます。
○川口国務大臣 たまたま手元に資料がありましたので。 日本円で申し上げますと、二〇〇三年の国防予算、これは約二・八兆円ということでございます。
○吉良委員 一年だけ古い資料にはなるんですけれども、アメリカの国防省が中国の軍事力に関するレポートを議会に提出しておるわけですけれども、その中では、中国が発表したいわゆる国防白書の中では二十ビリオン、二百億ドルながら実際の支出はその三倍から四倍であるということをレポートの中に明確に書いております。その金額は日本円に直せば四・六兆円ないし六・八兆円という数字が出ております。 このことは、外務省としてそのように把握しておるんでしょうか。また、アメリカの国防省からそのように聞いておるんでしょうか。
○川口国務大臣 中国の国防予算がそもそも一体全部で幾らなのかということについては、非常に不透明性もありまして、必ずしもはっきりわかっていないということでございます。 この透明性の向上をするということは非常に大事なことだと私は思っておりまして、今までに、中国の外務大臣、外交部長ですけれども、とお話をした際に、この予算について透明性を確保してくださいということを、特にその援助との関連で私も申し上げております。 昨年の夏であったかと思いますけれども、その場合にもそういうことを申し上げてありますし、なぜそれを言うのかということについて、これは委員もおっしゃられたように、ODA大綱との関係で透明性の確保ということは大事であるということも説明をし、説明を求めてきているということでございます。 これについては、引き続き、重要なことですので、機会をとらえて、機会があるたびにそういうことを言っていきたいというふうに考えています。
○吉良委員 外務大臣みずから不透明性があるとおっしゃられたからには、米国の国防省の見方がある程度正しいというふうに理解をいたします。 そのように軍事費が増大している、そして第三国にも経済援助を行っている。そういう中においてもODAを継続しようとする、そこの現在の外務省の意向、政府の意向についてお聞きしたいと思います。 先ほど、方針の見直しをしたという中で、沿岸部と内陸部の格差是正というのはありましたけれども、それはあくまでも中国の国内問題だというふうに私自身は了解しておりますけれども、そういうことを踏まえてもなおかつ中国に対するODAを継続しているその意図は何ぞやと。 もう一つ、その背景でいいますと、それまでODA、円借款等でやってきた中国におけるインフラ整備、これはもう御存じのとおり、国際協力銀行の旧輸銀部門による輸出金融、アンタイドローン、そういうところで今ほとんど賄われていると言っても過言ではないと思っています。そういう状況下においてもなおかつODAを継続する意図について、所見をお伺いしたいと思います。
○川口国務大臣 中国についてのODAの考え方は何かというかなり大きなお話でございますけれども、そもそも基本的にODAについての考え方といたしまして、これは昨年の八月にODAの大綱を改正いたしました。 それで、ここに書かれた基本的なODAの目的についての考え方ですけれども、「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資すること」というのが目的であるわけでして、中国のODAもこの考え方に沿って行われているということでございます。 それに加えて、中国につきましては、先ほど経済協力局長からお話をいたしましたように、対中国経済協力計画ということがございまして、先ほど御説明をしたような考え方に基づいてやっているということであります。 基本的に中国をどう考えるか。これは、委員もおっしゃられましたように、中国へのODAについてはいろいろな厳しい意見が国内にあるということでございます。それで、我が国として、当然に、中国の隣国でありますから、今後中国がどのような国になっていくのかということについては、これは非常に関心もありますし、当然に、我が国の繁栄、安定、安全、平和といったすべてのことに及んでくるということだというふうに思います。 それで、沿海部は確かに我々が見ても驚くような見事な発展を遂げているわけでございますけれども、貧困問題、これは大変に深刻であります。そして、さまざまな開発上の課題を抱えているという、発展途上国であるということです。 それで、先ほど申しました対中国経済協力計画の中に一つ書かれていることといたしまして、互恵的な案件、要するに、相互に理解、相互に利益になるような案件についてやっていくという考え方があるわけでございますけれども、例えば環境問題それから感染症、こういったことは我が国に直接に影響を与える問題であるわけです。そして、そういったことについては我が国にも影響がありますので、おのずとその分野についての支援ということも重要であるというふうに考えております。 中国が開かれた国になって国際社会の責任ある一員として発展をしていくために、我が国としてODAを使っていかに中国をそのような国にすることができるかということは一つ重要な観点であると思います。おっしゃった軍事支出の問題それから対外援助の問題、そういったことについてはきちんとその透明性を確保するように求めていくということを行いながら、今、円借で大体七割が環境案件、そして、二三%だったと記憶していますけれども、相互に、人的な交流ですとか相互交流、そういったことに使われているということでございまして、かつてやったようなインフラ整備を円借を使ってやっているということではなくて、シフトしてきているのが現状であります。 中国は国民所得で計算しますと世界の中でもまだまだ貧しい国であるということでございまして、我が国のODAを使って中国が隣国として国際社会のいい一員として発展をしていくように助けるということにODAの役割があるのではないかというふうに考えております。
○吉良委員 時間も限りがありますので。私の趣旨は、今、川口外務大臣がおっしゃられた、日本の平和のために中国と平たく言えば仲よくしていくということに対しては、まるっきり異存はないわけでございますけれども、最近の胡錦濤さんがどう言われているかは知りませんけれども、それ以前の歴代中国のリーダーは、日本の経済協力についてはお互いの利益だというような言い方をずっとされているわけでございます。 そういう意味で、それと、先ほど冒頭に言いましたように、将来のFTAまた経済圏構想を視野に入れたときに、もうODAを卒業して、国際協力銀行の旧輸銀プログラムの中でやっていける間柄ではないのかということを私自身は申し上げたいと思いますことと、それから、短期で見たときに、私が申し上げたいのは、中国に今ODAを供与するぐらいであれば、パレスチナ地域に一部そのODAを増額して、日本として、身の丈に合った範囲で結構なんですけれども、中東の安定に少しでも貢献をしていく、ひいてはイラクに派遣された自衛隊の安全をあらゆる外交手段を通して確保していく。 断っておきますけれども、私自身も、民主党会派として、イラクへの自衛隊派遣自体は反対でございます。さはさりながら、一度決まった以上、安全について祈念するというのは、これは民主系議員も皆同じ気持ちでございます。そのことは申し上げた上で、中東の今の混乱の根本原因というのはやはりイスラエル・パレスチナ問題、特にパレスチナの貧困問題というのが根底にあるというふうに理解しております。 そういう意味で、中国に向けるODA資金があるならば、それを少しでもパレスチナ地域に振り向けたらどうなのかということを申し上げたいと思いますが、川口外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 パレスチナ、中東に対する支援というのは、私どもも大変に重要なことだと思っております。 これは、例えばヨルダンに対して、昨年四月ですけれども、六十億円の無償資金の協力ということをやっておりまして、こういったことはこの地域の安定、和平に向けた環境づくりという意味で非常に重要であると思います。 それから、私自身、昨年の五月にパレスチナに参りましたときにも、支援、これは人道支援、それからパレスチナの改革支援、独立を将来したときにきちんと国づくりをしてやっていけるような改革支援、それからイスラエルとの間の信頼醸成、この三つの分野について援助をしていくということを言っておりまして、今までに六億七千万ドルのパレスチナ支援を実施いたしております。イラクについての支援については御案内のとおりでございます。 そういった意味で、御指摘のあったパレスチナ支援、中東への支援ということは非常に重要だというふうに考えてやっております。 それで、中国についての支援を振りかえてというお話でございますけれども、先ほど来申し上げたように、中国に対して、ODAで中国が開かれた国家になるように支援をしていくということも重要であると考えまして、先ほど来申し上げているような考え方に沿ってこれも実施をしているということでございます。
○吉良委員 平成十四年の八月に、NHKの「クローズアップ現代」という番組がございまして、その中で、日本のNGO組織がイスラエルの子供たちとパレスチナの子供たちとを日本に呼び寄せまして、そして、同じ屋根の下、同じかまの飯を何週間か食べさせて、この両国の子供たちが非常に仲よくなって、最後、別れるときは本当に涙を流さんばかりにして、将来、大人になっての再会を誓い合った、こういう番組が放映されておりました。 ODAの方針としても、NGO、ボランティア等を使った国民参加型のODAを推進していくということを外務省としても前面に打ち出しております。 そして、先ほど言いました、パレスチナ地域の安定が中東の安定にもつながる、それから、先ほど言いました、あの手この手を使った自衛隊の安全確保という意味で、これは小さな提案かもしれませんけれども、今言ったNGOの動きを、例えばもっと多くの子供たちを呼び寄せるというようなことを政府が支援して、そのような支援をしているということを、例えばアルジャジーラだとか、そういう中東全般に向かって政府として発表することによって、例えば今イラクの中でテロが頻発しておりますけれども、テロのためのテロリストたちは別にしまして、もし外国の占領統治に対する一種のレジスタンス的な人たちがいるならば、そういうような日本のパレスチナに対する動きが日本の自衛隊だけは襲うなというような動きにもつながる可能性がある、かように思いまして、今言ったようなNGOの動きの支援、このことを外務省にぜひお願いしたいなというふうに思っております。もうこれは言いっ放しで結構でございます。 最後になりますけれども、財務大臣また経済財政担当大臣にお聞きします。どちらがどちらかというのは決めていただいて。 大上段に構えて、日本の財務・金融安全保障ということを掲げさせてもらったんですが、当面の政府の財政再建の目的がプライマリーバランスの回復にあるということは存じておりますけれども、その先にあるゴールは何なんだ。もう少し言いますならば、先ほどの本会議でもありました、一三年に九百兆円に膨れ上がるというその残高を減らす意図があるのかどうなのか、それとも、それはもうたなざらしにして、とりあえずはこれ以上ふやさないという形でのプライマリーバランスの回復のみを目指していくのか。 実は、「学士会会報」の中に土生芳人さんという岡山大学の名誉教授が論文を載せておりまして、そこには、世間は残高の大きさをああだこうだ言うけれども、現在の低金利下で問題になるのは利払いの額の問題であって、今これだけ低金利の中にあって利払い費が低く抑えられている、こういう状況下にあれば残高が多少多くても問題はないんだという論文を掲げております。 単純に素人として考えますならば、景気回復局面になれば必ず金利が上昇してくる、そうすれば、残高に掛ける金利ですから、借りかえが年に七十兆円、八十兆円とある中で必ず利払い費もふえていく、そうすれば、やはり財政の健全化を失うのではないか。 先ほど言った論文の趣旨に対して、それから、プライマリーバランス回復の次にあるゴールについて、所見をお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、吉良委員がお引きになった論文を私も実は読ませていただきましたけれども、確かに、今の金利の安い状況では、あの論文に指摘されていた面は当たっていると思いますが、私は、財務大臣になりまして、念頭から離れないこと、また、自分の部屋に入りまして常に見ますのは、部屋の中に金利や為替が幾らか、株価が幾らか、電光板で表示がありまして、国債の十年物の金利はどうなっておるのか、あるいは為替はどうなっているのかというのは、いつも見る習慣になっておりまして、長期で考えたときに、今のような金利水準でいつまでいくのかというようなことは常に念頭にあるわけでございます。そうなりますと、今、金利が安いから何もしなくてもいいというようなささやきに耳を傾けるわけにはいかないなというふうに私は思います。 したがいまして、先ほどからお話がありますように、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復する。そのことの意味は、結局、プライマリーバランスをとるということは、その年にいただいたものでその年のことはやっていく。つまり、まだ国債はそれで返せるというわけではありませんけれども、少なくともその世代のニーズはその世代で賄っていく、後世代にツケを先送りしないということがプライマリーバランスを回復していくということの基本的な意味だろうと思います。 もちろん、プライマリーバランスを回復しても、先日来いろいろな御議論がございましたように、金利水準が成長率よりも高くなるということになればGDPの中で金利の占めている比率はどんどん高くなっていく、また、逆であればその負担は生じないということでありますけれども。 ですから、プライマリーバランスを回復するというのはやはり第一歩の目標であるというふうに私は考えております。 ただ、その先どうなるかといいますと、正直言いまして、プライマリーバランスをこれから二〇一〇年代初頭までに回復する、その道筋はいろいろシナリオを考えながらやっておりますが、そこから先どうなるかということを、今この権威ある国会の予算委員会で明確に述べろということになりますと、そこまでまだ気宇壮大になり切れないというのが残念ながら実情でございますが、今委員がおっしゃいましたような、もうそれはたなざらしにしてというようなことは考えておりません。やはりそのことを十分視野に置きながら、一歩一歩、ステップ・バイ・ステップ――委員も昔、山に登っておられたということでございまして、さっきから、さすがに高いところから天下を見渡しておられるとすっきりした物の考えをお持ちだなと思って聞いておりましたが、ステップ・バイ・ステップで進んでまいりたい、こう思っております。
○吉良委員 私もつい最近まで本当に一般の国民をやっておりましたので、当面、プライマリーバランスの回復というのはわかるんですが、国民からしてみれば、これだけ積み上がった残高が一体どうなるんだということがやはり非常に気になるところであります。 その観点からいいまして、これは竹中大臣、どちらになるのか、ムーディーズとS&Pが、日本の国債を、ちょっといつだったか、引き下げまして、そのときに、財務省として、日本の経済のファンダメンタルズを考えたときにレーティングを下げたことは不当であるという抗議をなされたということは承知しておりますけれども、今、株式市場の中で、二一%と聞いておりますけれども、外資が保有をしている。それから、正確な数字は持ち合わせておりませんけれども、新生銀を初めとして生損保それから金融にこれだけ外資が入り込んでいる。 外資というのは、私、釈迦に説法になりますけれども、ポートフォリオマネジメントの中で、一定のレーティングに下がってしまえば、当然、資産を保有するということができなくなって売り払わなければいけなくなってくる。そういうような中で、国債残高がずっと減らない、長期債務がずっと減らないという中で、何らかの事由によって国債レーティングが下がってしまう、そのときの混乱に対してどう対処しようとしているのか、そのことについてお聞かせいただければと思います。
○谷垣国務大臣 今のお話は、国債管理政策をどうしていくかということに結局なるんだと思います。 昨年暮れ、いろいろ審議会でも御議論いただいて、財務省としても「国債管理政策の新たな展開」というのをまとめたわけですが、しかし、そのさらに前にある基本は、先ほどから御議論いただいているように、やはり日本の国債がどうなるか。 これは、日本の政府が財政規律に対してもう投げ出してしまったんだというようなことになれば、もう国債管理政策なんというのは私は成り立たなくなると思います。日本の政府が国債といいますか財政規律に対して意欲を持って臨んでいるんだということがやはり国債管理政策のイロハのイでないかというふうに考えているわけでございます。 その上で、昨年の暮れにまとめました管理政策の基本になりますのは、これだけ発行しているわけですから、確実かつ円滑に発行していく、それから、中長期的なコストを抑制していくということでありますけれども、それをやっていきます場合には、やはり市場のニーズとか動向を踏まえた発行計画をつくらなければなりませんし、それから、国債の安定消化をできるような国債市場というものをきちっと整備していかなきゃならないということもあると思いますし、それから、商品性や保有者層の多様化とか、そのほか、適切な債務管理とか市場との対話とか、いろいろなことを組み合わせていかなければならないと思います。 私も、数年前、幸田真音さんが「日本国債」という小説をお書きになりまして、中を読んでおりますと、「シ団」なんという言葉が出てきて、こういうことが小説の題材になるのかとびっくりしたことがございますけれども、要するに、この問題は、小説の題材になって広く国民に読まれるような、それだけある意味では切迫性を持った問題になっていると思いますので、昨年立てた指針を基本にしっかりと管理政策をやってまいりたい、こう思っております。
○吉良委員 この予算委員会でも、折に触れ、将来的なアジア地域を含めた経済圏構想というようなことが、提案といいますか、目指すべき方向だという議論が出ているわけですけれども、EUに参加するときの条件等も、国債残高がGDPの何%だというようなことが出ているわけで、日本としても、アジア経済圏を将来目指していくに当たって、その盟主となるからには、みずから財政規律といいますか、他に範を示せるような財政状況に持っていかなきゃならないことは自明のことだと思っております。 私自身、実はこのことについては対案を持たないまま、本当に国民として質問をしただけなんですけれども、そのことをぜひお願いしたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○笹川委員長 これにて吉良君の質疑は終了いたしました。
|