No.003 161回国会「衆議院 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 6号」 2004年12月01日
①平成16年12月1日 イラク支援特別委員会 ○船田委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 十一月に民主党に入党いたしました吉良州司でございます。 私は、さきの通常国会、そして今臨時国会、本来ならば、イラクをテーマとして、二十一世紀における日本の外交、安全保障のあるべき姿を議論し、また、年金をテーマとして、二十一世紀における社会保障のあるべき姿というものについて議論すべきだというふうに思っておりましたが、残念ながら、枝葉末節の議論が多く、自民党は、数の論理を背景にして、結論先にありきということで説明責任を果たさず、かわしの対応に終始し、また同時に、私も所属した党ではありますけれども、民主党も、敵失を追及するということが中心になったというふうに思っております。 その意味で、このイラクの問題で、ぜひ民主党に、二十一世紀におけるあるべき外交、安全保障について国民への説明責任を果たしていただきたい、そういう思いから質問をさせていただきたいと思っております。 今回の特措法の廃止法案、これ自体は、法律論、法律解釈論からいえば、先ほどから出ておりますように、非戦闘地域、そして戦闘地域という概念そのものがフィクションである、仮にそれが成立したとしても、非戦闘地域というものがもう成立しなくなっている、このことについては賛同しますので、法律論からいけば即撤退すべきということは、全く異論がないと思っております。 しかし一方で、提出者の代表である鳩山ネクストキャビネットの外務大臣も、冷戦下における一国平和主義というものは時代の任務を既に終えた、世界の平和と、それからそれによってもたらされる自由貿易、そして自由な経済活動が日本に対して最大の利益をもたらす、日本が国際平和の最大の受益者だ、そのために、日本自体が国際平和の維持、創造に積極的にかかわっていかなければいけないという持論をお持ちだと思っておりますし、それを鳩山試案ということで憲法試案として開示されております。 そのことについて、民主党を代表するということになるのか、鳩山提案者の日本の外交、安全保障におけるあるべき姿というものについて簡単に開示願いたい、このように思います。
○鳩山(由)議員 今、吉良委員がお話しされましたように、私どもが今回イラク特措法廃止法案を提出しました理由は、現下の憲法のもとで、イラク特措法という非常にフィクション的な法律ができているということに基づいているわけでございまして、私は、今、吉良委員がお尋ねの憲法改正の試論というものを自分自身で考えております。 まず、お断りを申し上げれば、その試論というものは、必ずしも民主党の中で正論となっておる議論ではございません。これから議論をしてまいらなければならない話であることをまず申し上げておきます。その中で、その意味から申し上げたいと思っていますが、私はやはり、この五十年間、日本が世界の中でしっかりとした国際的な役割を果たし得るような、そんな憲法に変えていかなければならないと思っております。 いわゆる憲法九条でございますが、その憲法九条には、国際的な役割のあり方も書かれておりませんし、また自衛権ということに関しても何も書かれておりません。このようなことでは、将来にわたって立派な国としての尊厳を保つ行動ができないと私は考えております。 その意味で申し上げますが、憲法九条の第一項に関しては、私は、そのまま、やはりこれはパリ条約なども含めて考えたものでありますだけに、いわゆる侵略戦争というものは行わない、国際紛争を解決する手段としての武力行使はこれからも行うべきではないということは、日本国として守り続けていかなければならないことだと思っています。 しかし、あわせて、今日的な国際的な環境にふさわしい行動をするためには、やはり、例えば国連、あるいは将来的には、アジア太平洋にEUのアジア版のようなものができたときには、そういったものを見据えて考えるべきだと思いますが、まずは、それがありませんので、国連というものの決議が得られたものであるならば、しっかりと日本としても積極的な役割を果たすべきだと考えております。 ただ、その場合に、さらに国連のもとで集団安全保障という行動になる場合に、さらに申し上げれば、日本国として主権の一部を制限する、例えば国連の指揮下において行動をするということも十分にあり得る形をとるべきではないかと思っております。 さらに申し上げれば、自衛隊のことに関しても一言も付言されておらない憲法でありますだけに、自衛軍というものを持つ。それは、持つということによって、集団的あるいは個別的いかんにとらわれず、自衛権というものは当然保障するということになります。 その場合に、例えば一つ一つに照らしてどのような行動が今回なし得るかという議論が出てくるかと思っておりますが、まずはイラクの戦争に対して、英米軍の戦争に日本が参戦できたかということになれば、私は、新しい憲法試論の中でもそれは不可能だと。すなわち、国連の決議というものがないまま行動したわけでありますだけに、それは無理だと。 しかしながら、戦争が終わった後のイラクの復興支援に関して何らか積極的な活動をしなければならないという状況の中で、国連決議というものがしっかりと存在をするという状況であるならば、そのもとで日本として行動をする、それは自衛隊なら自衛隊として行動をすることは、新しい憲法試論の中でも可能となります。 ただ、それをなすべきかどうかということになれば、当然、国益というものをさまざま考えた中で結論を出すべきだということを申し上げておきます。 以上です。
○吉良委員 今の答弁では、やはり日本としても積極的な国際貢献を果たしていくべき、そしてイラクの復興支援についても、原則的には積極的に果たしていくべきと。ただし、今イラク特措法、またその延長というものについては、先ほど来言っていますように、そもそも手続論、法律論として全く適合し得ない、こういうことで反対をされているというように了解をいたします。 その意味で、非常に厳しい質問かもしれませんけれども、鳩山提案者また民主党の、先ほど言いました日本の国際貢献のあるべき姿というものを語っていただく意味も含めまして、もし今回、仮に鳩山試案に基づく憲法がこの国にあったと仮定し、そして鳩山提案者が総理大臣であったと仮定した場合に、一年前に自衛隊、米国からの要請があったときに派遣の判断をしたのか、しなかったのか。そして、仮にしたとして、このように状況が悪化してきたときに、今、撤退するという判断をされるのかどうか。非常に厳しい質問かもしれませんけれども、先ほどの国のあるべき姿ということに照らして、お答えをいただければと思っております。
○鳩山(由)議員 今のお尋ねは、ある意味で本質的な議論であって、すなわち、日本がそれなりに活動というものが制限されないで日本の国益のもとで判断がなされる場合に、それでも今回イラクに対して自衛隊を派遣し得たかどうかというお尋ねでございます。 私は、やはりこれは、先ほど申し上げたように、国益に照らして、参加をするという道をとる方法もあったでしょうし、参加をしないという方法もとり得たと考えています。しかし、結論として申し上げれば、私は、今回は参加をさせない方が正しい答えであったと考えております。 なぜかを申し上げます。それは、例えばアメリカ、日米関係ということを考えたときに、それは日米関係に対して影響がないとは言えません。しかし、先ほど申し上げたように、日米関係というものが、基本的に日本が沖縄を中心として基地を提供しているということは大変にアメリカの世界戦略のために有用なわけでありますだけに、このようなことで日米関係が崩れるようなことがあるほどもろい日米関係であってはならないし、あるべきではない。少なくとも、そのような日米関係に育て上げていくことが重要だと私は思っています。 一方で、それならばイラクのためにどうかという話になります。イラクのために行う行動として、自衛隊の活動以上に、私どもこの間各地を見せていただいた中で、もっと別の形の方がはるかに役に立つ。さらに、先ほど前原提出者が申し上げたように、決して自衛隊の活動に対してけしからぬと申し上げるつもりもありませんし、法律のもとで行かれた自衛隊の方々に対しては敬意を申し上げる。しかも、無事に帰ってきていただきたいと思う気持ちばかりでございますが、しかし、それ以外の方法ではるかに、すなわち国民の税金を使って十分な役割を果たすイラクに対する支援のやり方がある。 そのことを考えたときに、最終的に申し上げたいのは、今回の戦争は、イラク戦争あるいはその後の状況を考えたときに、これは、私もパレスチナとイスラエルのあの紛争も見てきたんですが、結局は宗教的な戦いの色彩というものが極めて強い。日本は今まで、ある意味では、キリスト教を信じておられる国々、あるいはユダヤ教も含めてでしょうが、それとイスラム教を信じている国々、双方にとって、それなりに尊敬をされ、それなりに理解をされている国であった。それが、一方に偏する行動をとったというふうに見られることによって、アラブ諸国に対して偏見を持たれる可能性が極めて高い。 とすれば、やはり結論として、今回新しい憲法ができたとしても、イラクに対する自衛隊の派遣は、私としてはとり得なかったと考えています。
○吉良委員 お考え、よく理解させてもらいました。 民主党として、日米同盟、そして国際協調、この二つの外交の柱を最重視していくという方針でございますけれども、今の問題は、先ほど来御指摘のように、小泉政権が余りにも日米同盟重視、米国重視というふうに陥っていると思います。以前の予算委員会の答弁だったかと思いますけれども、小泉首相が、国連が日本を守ってくれるのか、守ってくれるのはアメリカだけじゃないか、このような、正確かどうかはわかりません、私も出ておりましたので、そういうたぐいの発言をされたというふうに思っております。 その意味で、今回のイラク派遣というのは、ある意味では、サマワの地で、砂漠の地において日本海の防衛に当たれというのが今の自民党政府の考え方だというふうに思っております。 そういう中で、日本が仮に今回撤退をするという場合に、今、米国がドイツに対して見せているような幾分冷たい対応、これが日本に対しても生じないとは限らない。もちろん、基地を提供している日本、その日米関係はそんな脆弱なものではない、そう信じたい、そうあるべきという議論はわかりますけれども、信ずれば救われるというには、やはり日本人の命、安全を守る立場としては弱いかというふうに思っております。 そういう意味で、日本が期待するよりもアメリカの日本に対する防衛意識が仮に下がったとした場合に、日本としての、対北朝鮮なり台湾海峡有事等を含めたこの北東アジアに対する危険に、日本の独自性、独立性をより高めるということについてどのようにお考えなのか。これは恐らく前原ネクストキャビネットの防衛庁長官がふさわしいと思いますが、そのことについてのお考えを賜りたいと思います。
○前原議員 先ほどおっしゃったことで、言葉じりをとらえるつもりはございませんけれども、我々は政府・与党の敵失を追い求めるようなイラク政策というものを出しているとは思っておりません。 一つ、法律論は、先ほど吉良委員がおっしゃったように、戦闘地域、非戦闘地域の設定そのものについての問題点、それから第九条の安全確保の状況というものについての疑義、これが二つの大きな柱でございますけれども、そもそももっと大きな理由というのは何だろう。 例えば、イラクは結果的には破綻国家になったわけですね。まあ、アメリカの攻撃によって破綻国家になったわけですけれども、これから恐らく、他国の攻撃もしくはみずからの内乱によっていろいろな破綻国家が出てくるんだろう、それをどのように国際社会の中でうまくマネジメントして、国際社会に復帰させて、そして、それをうまく不安定要因にならないように国際社会が協力していくかということが、私はいろいろなケースが出てくると思うんです。 その場合にイラクというのは一つのケースだと思うんですけれども、そのケーススタディー、大事なケーススタディーが悪い方向に行っている。もともと攻撃をしかけたアメリカの理由も大量破壊兵器だったわけでありますけれども、それがなかったということもありますし、また、実際フセイン政権が倒れてからのやり方、先ほどのファルージャの問題を含めて、極めてまずいやり方をして、そして、どんどんどんどん憎悪を招いている。 これに対して、同盟国であれば、もう一度国際協調の枠組みとか、この成功しなきゃいけないケーススタディーというものがまさに泥沼化の道を歩んでいて、これはお互いにとってよくないんじゃないかということをしっかり議論し合えるというのが、まず私は同盟関係のあるべき姿ではないかということを考えております。 そういう意味で、何もしないということではなくて、そういう国際社会の再構築、国際協力の再構築というものを図ることの提言をできるのが、まさにイギリスとかオーストラリアとか日本とか同盟国ではないかということを、我々は日米関係を重視する立場からも申し上げてまいりました。 それから、御質問のところでございますが、日本もアメリカもボランティアで同盟関係を結んでいるとは私は思っておりません。アメリカはアメリカの国益に基づいて日本との同盟関係を結んでいると思っております。したがって、今回イラクから撤退した、あるいは参加しなかったということによって、さまざまな問題点が出てくるのはそれは事実でございましょう。 しかし、それをもって、では日本との同盟関係をやめてしまうということが果たして得策かどうかと考えたときには、私は全くそういう結論にはならないんだろうと思っております。ただ、逆に、イラクに協力をしたから北朝鮮の問題は全面的にアメリカが協力してくれると考えるのも、私は余りにも甘い考えだというふうに思っております。 したがって、その前提に立てば、お互いが国益に基づいて同盟関係を結んでいる、しかし、自分の国はやはりきちんと自分で守るということを遅まきながらそろそろやっていって、同盟関係は維持するけれども、いざというときにはノーと言えるような、そういう毅然とした、自分自身の城を確保しておくということも私は今後の防衛政策としては極めて重要じゃないかというふうに考えております。
○吉良委員 民主党は、反対政党ではなく、本当にビジョンを持って、かつ国民に提示していく、そういう立場の党であるということを今確認をさせてもらいましたし、これからもぜひ進めていっていただきたいと思っています。 本当は、そのために、撤退後のイラクの復興支援についてお聞きしたかったのでありますが、残念ながら時間が来てしまいました。できることならば赤嶺先生にその辺も聞いていただくことを念じながら、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○船田委員長 次に、赤嶺政賢君。
|