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国会発言録

No.004 162回国会「衆議院 予算委員会 6号」  2005年02月04日


①平成17年2月4日 予算委員会
○甘利委員長 これにて篠原君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉良州司君。

○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。
 きょうは初めて小泉首相にも質問をさせていただきますけれども、イラクへの復興支援、そしてODAの方針ということを中心に、時間があれば年金改革の大げさですが哲学ということと、教育改革について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、イラクについてでありますけれども、先日行われました選挙、これは予想したよりも高い投票率もあり、成功裏に終わったと私自身も思っておりますが、これはイラク国民の、みずからの手でみずからの国をつくっていくんだという強い意思のあらわれだというふうに感じておりまして、そういう意味では、ああいう混乱の中でその強い意思を見せたイラクの国民の方々に心から敬意を表したいというふうに思っております。
 私自身、また民主党は、イラクへの自衛隊派遣及びその延長について反対の立場をとっておりますけれども、派遣した以上、その自衛隊の安全確保に最善を尽くすということと同時に、この選挙の成功を機会に、出口戦略、撤退戦略、その明確化、確立、この観点から質問をさせていただきたい、このように思っております。
 まず、イラクへの復興支援、これは、政府として自衛隊派遣による支援と経済援助が車の両輪だというふうに理解しておりますけれども、いかがでしょうか、総理。

○小泉内閣総理大臣 イラクに対する復興支援というのは、自衛隊は一部であります。自衛隊が出る必要がなくなって、民間の企業、民間人が出られるような状況になるように、できるだけ努力していかなきゃならないと思っています。現に、イラクの政府の人も、またサマワの住民たちも、日本の企業の能力とか電力等の事業についての技術の高さをよくわかっています。もっと企業が出てくれないかという話も来ております。
 しかし、現時点において、そういう民間企業なりが進出できるような状況にないから、自衛隊の皆さんがみずから、自己完結能力といいますか自己防御能力というのを持っているから、自衛隊の諸君にあの地域で活動していただいて、当地からも歓迎され、評価を受けている。
 今後、一日も早く、そういう自衛隊員以外の、日本のODAなり日本の企業、民間人がイラクの復興に手をかすことができるような状況にしていきたいと思っております。

○吉良委員 今、総理の方から復興支援に対する基本的な考え方ということをお聞きしたわけですけれども、実際にもう援助計画ができている、またできつつあるという中でのその援助の中身について、町村外務大臣にお伺いしたいと思います。詳細は結構ですけれども、援助方針に基づいたその中身について御説明いただけますでしょうか。

○町村国務大臣 現在の状況というのは、今総理がお話をされましたように、自衛隊とそれからODA、特に無償資金協力ということでやっているわけであります。十五億ドルの無償資金ということで、そのうち十四億ドルは既にお金を先方に渡した、あるいは一部着手が始まったということで動き始めていると私どもは認識しております。その中には、緊急的に必要な水道でありますとか、あるいは緊急に必要な学校の修理でありますとか、自衛隊あるいはODAの一部をそっちの方に回して、だんだん水道の方は整備をされつつあるということだろうと思います。
 これから先はだんだん、もちろん無償の中でも電力とかそういうものはやっておるんですが、これからより大規模な、電力網の整備でありますとか通信網の整備でありますとか、基本的な、基幹的なインフラ整備というものにこれからは重点が移っていく。その辺を、五十億ドルのうち残った三十五億ドルの円借を中心にやっていくことになるんだろう、こう思っておりますが、そこまで詰めた話を先方政府なり自治体なりとするほど、先方もまだそう落ちついているわけでもありませんし、まだ十分な検証ができているわけでもございません。
 日本からも既に二回、直接イラクではございませんが、ヨルダンの方に調査団を出し、そこから現地の人たちに頼んで調査を始めておりまして、どういうニーズが高いんだろうかということをやっております。ただ、現場にやはり入ってみないとわからないところもたくさんあるものですから、その辺は、もう少し治安情勢が落ちつく度合いを見ながら、次第次第にそちらの活動を活発にしていこう、かように思っているわけであります。

○吉良委員 今、町村外務大臣からあった説明は、恐らく、一昨年のマドリード会議から端を発して、支援国の間で会議を重ねた結果日本も応じている、そういう金額また方針だと思いますが、今、町村外務大臣からありました、十五億ドル、そのうち十四億ドルはほぼ着手またはコミットしているということなんですが、そのうち十四億ドルはほぼ着手またはコミットしているということなんですが、そのうちの国際機関への拠出額、また、イラク復興信託基金への拠出額、それは幾らで、そこへの拠出が決まったプロセス、そしてどういう判断基準で決めたのかについて御説明いただけますでしょうか。

○町村国務大臣 私のわかっている範囲だけで、もう少し詳しくは事務当局によければ答えさせますが、十五億ドルのうち、国際機関の方にはイラク復興関連基金というのがございまして、そこに五億ドルというものを出しております。これは、国連が管理している部分が三・六億ドル、世銀管理部分が、ちょっと端数のあれですが、一・三億ドルというぐあいになっているわけでございます。
 そのほかにも、あと、NGOを経由した支援でございますとか民間に一部出しているということで、あとイラクの方に直接、イラクの各自治体等に出しておりますのが約七億七千万ドルというようなぐあいになっております。

○吉良委員 貴重な無償資金協力の中で、今指摘ありましたように、五億ドルが復興信託基金へ、それから国際機関へ等々説明いただきましたけれども、今、七・七億ドルの直接支援というものが決定されているという御説明でありました。そのうち、サマワ及びその周辺に投じられる金額はどうなっておりますでしょうか。そしてまた、その中身について説明いただけますでしょうか。

○吉川政府参考人 事実関係でございますので、私の方からお答え申し上げます。
 サマワにつきましては、先生御案内のように、ムサンナ県全体に対するODAという格好で進めておりますが、これまで実施決定しました支援総額は約六千万ドルでございます。これまで無償で決めております十四億ドルのうちの約二十五分の一ということになります。人口的には、ムサンナの人口は全国の五十分の一でございますから、人口割でいきますと、平均の倍ぐらいをムサンナ県に費やしているということでございます。
 分野につきましては、水・衛生、保健医療、それから公共施設の復旧、電力、治安その他、サッカーボールを出すとか、ムサンナ・テレビの機材供与をするというようなことで、現地におります自衛隊の部隊と一緒に活動をしてまいっております。

○吉良委員 この資料は届いていますね。
 今の説明で、六千万ドルということと、一部内容についても説明をいただきましたけれども、お手元の資料にもありますように、ムサンナ県に供与されている事業といいますか機材、ほとんどが供与、供与、供与、供与で、実際、必要なものではあるんですけれども、持っていって、運んで、渡しておしまいという案件が中心になっております。
 外務大臣にお伺いしますけれども、今説明を受けました金額及びその内容で、サマワ、ムサンナ県に対する援助は十分だとお考えでしょうか。

○町村国務大臣 十分かと言われると、なかなか、私も答えにちょっと窮するのでありますが、これは去年の、私が大臣になった直後ですから十月だったと思います、ムサンナの知事さんがお見えになりまして、実は、もっとあれもこれもというお話をいただきました。それで、かなり私どもとしてはそれにおこたえしたつもりなんでありますが、あるいはこたえつつあったつもりなんですが、知事さんは、何だ、これきりかみたいな、若干の不満を漏らしておられた現場も実はあったわけでございます。
 しかし、これはイラクの暫定政府の方と話をすると、ムサンナ県を重視するのはわかるけれども、そんなにムサンナ県ばかりでも困るよというようなことも別途、暫定政府の方からはそう聞いておりました。
 しかし、私どもとしては、確かに供与というのは、これは何といっても無償資金でございます。これが円借だとまた話は変わってまいりますけれども、給水タンクの供与、浄水施設の供与、病院に対する機材供与、これは確かに、渡してそれまでというか、でも病院などは、自衛隊の方が行って、機材を渡し、薬を渡し、それを実際に使ってみせて指導するというようなところまでやっておりますから、ただ単に全部が全部上げてばかりでもないということではあろうかと思いますが、現状、無償が中心なものですから、どうしても供与を中心にならざるを得ないんだろう、こう思っております。

○吉良委員 一方、御存じのとおり、サマワの宿営地には昨年の四月七日を初めに九件、宿営地内、宿営地外への迫撃弾またはロケット弾の着弾がございます。この迫撃弾、ロケット弾の着弾を受けまして、それぞれ、自衛隊としての防衛策、そして外務省としてといいますか、国として、サマワ及びムサンナ県に対するいろいろな働きかけ、自衛隊の安全確保策を講じておられると思いますけれども、防衛庁長官、そして外務大臣に、その具体的な対応策についてお伺いします。
 断りますけれども、せんだって、ある委員会での質問で、自衛隊の安全に関することで、防衛庁の方としては機密事項があり得るという答弁がございましたので、しゃべれない部分はそれで結構であります。しゃべれる範囲でお願いをいたします。
 外務省の方はきっちり全部お願いします。

○大野国務大臣 御配慮をありがとうございます。
 昨年十二月初旬にサマワへ行ってまいりましたので、私の目で見た安全確保、現地で耳で聞いた安全確保について簡単に御報告いたしたいと思います。
 まず、宿営地内でございます。
 宿舎、隊員が休むところでございますが、完全に厚い壁、厚い屋根で囲われております。どのぐらい厚いかというのは御勘弁いただきたいと思います。
 それから、ロケットは夜飛んでまいります。九発とも夜飛んでまいりました。したがいまして、隊員にはなるべく早く宿舎に入るようにと言っております。何時から何時までは宿舎におるように。ただ、何時から何時までというのは御勘弁いただきたいと思います。
 そして、そのとき感じましたのは、長い夜を隊員はどう過ごしているのか聞きましたら、みんな、読書をしたりトランプをやったりというような答えでございました。大変厳しい生活をやっているということを御理解いただきたいと思います。
 その他、空中監視装置、それから外堀、宿営地の外に堀があったり、いろいろなさくをつくったりしております。
 それから、外での活動でございますけれども、まず、事前に情報調査をいたします、情報収集をいたします。その上で、隊員はすべてヘルメットをかぶり、そして防弾チョッキを着て活動いたしております。これまでに一発もこの自衛隊に弾を撃たれたことはない、これはもう御理解いただいているとおりでございます。
 それからもう一つは、オランダ軍、それからサマワの治安当局とも十分な情報交換をいたしております。このことは特に強調しておきたいと思います。 それから、これからの課題といたしましては、オランダ軍がイギリス軍とかわりますので、イギリス軍と密接なる接触を続けてやっていかなきゃいけないと思っております。既に、フーン・イギリス国防大臣から、私、手紙をちょうだいいたしまして、るる説明をいただいております。
 我々の念頭には、イギリスが対迫レーダーを備えてくれるのかどうか、そして、これまでもオランダとやっておりましたが、新しい気持ちでイギリスとの間で情報交換、情報共有システムをつくっていこう、それからもう一つは、協議を密接にやっていこう、こういうことを考えております。
 そのほか、前にもお答えしておりますけれども、やはり、こうして自衛隊が現地の人の共感を呼んでいる、この点は特に御注目いただきたい。その共感がやはり治安の維持につながってくる、こういうことだと思っております。

○町村国務大臣 今、大野長官が言われた自衛隊みずからによるさまざまな努力ということに加えまして、その周辺として、私ども外務省で、あるいは政府全体としてやっていること。
 一つは、今お話が少し出ましたけれども、オランダ軍千四百名にかわってイギリス軍が六百名入ってくるということ。それは、随分人数が減って危険度が増すではないかという御指摘もあろうかと思いますが、オランダ政府が議会に対して説明をしたペーパーによりますと、自分たちは一生懸命彼らを教育訓練し、彼らというのはイラク自身の治安部隊、警察とか軍とかですね、こうしたものを一生懸命訓練してきた、したがって彼らに相当能力が高まってきたので撤退できるんだ、こういう説明をしておりました。
 どこまでそれが本当に訓練が行き届いたかどうか、十分であるかどうかわかりませんが、一応、ムサンナ県には五千名のそうした治安部隊がいるという説明を私どもは受けております。
 それらの警察、治安部隊に既に、例えば、千百五十台イラク全体でパトカーを私どもは実は供与したんですが、そのうち四十台をムサンナ県に配備をしてもらうというようなこともやっておりますし、それから、今手続中でございますけれども、サマワ市内の警察署にいろいろな小型発電機とか照明器具などを、機材を供与するということもやっておりまして、これは三月中に現地に到着をして、すぐ動かせる。そのほか、実は、防弾車両を二台ムサンナ県に配備しようということで、夏までにはこれを配備するというようなこと。
 そのほか、今後新たにどういうことができるかということを、これは総理の御指示もあるものですから、今検討して、さらに追加できれば、こう思っているところでございます。
 このような形で、地元の治安能力の向上ということもありましょうが、ただ、より重要でありかつ基本は、先ほど大野長官言われたように、自衛隊と地元の皆さん方との関係、あるいは、私どもが出しております無償資金協力等によって、日本に対するいいイメージといいましょうか、頼りになるとか信頼できるとか親しみが持てるとか、そういういい環境づくりというものをバックグラウンドとしてやっておくことというのが、やはり私は、自衛隊の安全というものを広い意味で確保する有機的なバックグラウンドとして有効ではないだろうか、かように考えております。

○吉良委員 今、防衛庁長官そして外務大臣からの説明をいただきましたけれども、一番新しいロケット弾の着弾というのは、御存じのとおり、ことしの一月十一日であります。昨年の四月七日から始まって、合計九件着弾があった。これは、いろいろ言われておりますように、やはりテロリストが、このサマワにおいて、住民が積極的な協力まではしないにしても、少なくとも黙認をし始めているということを意味するというふうに私は理解をしております。
 実際、私の非常に近い友人、現にアラビア語でサマワの友人から情報をとれる人たちからいろんな情報を聞いておりますけれども、今防衛庁長官の方では、自衛隊の方々が歓迎されている、歓迎されていることは確かだと思います、一定段階までは。ただ、当初の期待に比べて、日本の貢献または自衛隊の貢献というのがやはりはるかに小さい。それは、主に雇用に対する期待、経済浮揚に対する期待、それが裏切られているという結果で、サマワの住民が少しずつ離れている。このあらわれが九件の迫撃砲またはロケット弾だというふうに思っております。
 そういう意味で、私が今心配しておりますのは、先にコミットメントありきで金額がある、緊急ということで無償援助ということでいろいろな機材は提供している、だけれども、必要なんだけれども、決してサマワの人たちのニーズにはこたえ切れていないというのが現状だと思います。
 これは、民主党の党としての考え方とは多少異なるかもしれませんけれども、私がきょう総理を初め政府に申し上げたいのは、自衛隊の方々の安全確保義務があるという中で、日本独自のお金を出し得るこの無償援助、それも直接援助、これを、通常の外務省の無償援助はこういう条件だ、こういうプロセスでやっているとか、そんなことではなくて、もうなりふり構わずサマワに日本が独自で出せるお金を集中すべきなんではないか。そこで雇用創出をさせ、そして次に来るであろう、安全になってから民間が入り始めれば大型のプロジェクトがやり得る。そうなれば、今お答えいただいたような期待にこたえられるわけですけれども、今まだ危険な状態が続いているときに、八方美人的にあっちにもこっちにもと、日本の日の丸が見えない、顔が見えないような国際機関、復興基金に何億ドルも出すのであれば、それを直接サマワにぶち込んで、なりふり構わず自衛隊の安全確保に努める、これが政府の役目なんじゃないでしょうか。総理、いかがでしょうか。

○小泉内閣総理大臣 なりふり構わずという表現というのはどうかとは思いますが、できるだけサマワの住民の要望にこたえられるような支援を、自衛隊にしても外務省にしても、よく連携をとってやっていかなきゃならない。確かに、多くのサマワ住民の期待からすれば、今までの自衛隊の活動というのが、もっとしてくれると思ったという不満はあると思います。しかし、自衛隊でできることとできないことがありますから、そういう点は承知の上で、できるだけ自衛隊、防衛庁、外務省、連携をとって有効な支援策をこれからもやっていかなきゃならないと思っております。

○吉良委員 私が得ている情報では、やはりサマワ住民、それも直接自衛隊だとか外務省のスタッフに接することのできる人たちの不満というのは、日本の援助が絵にかいたもちにすぎないということなんですね。幾らコミットメントをしても、実際そのプロジェクトを発掘しそれをプロモートする民間人が入れないという中で、コミットだけはひとり歩きしている。
 一方、これはこういう場では言いづらいんですけれども、国連それから世銀を含めて、イラクの人たちは、彼らに渡るお金がプロパーそれから現地スタッフのボディーガード代にかわったり、プレゼンテーションドキュメントにかわったりして、イラクの人たちに直接その支援が行き届かないということに物すごく不満を感じているんです。それだけに、日本に対してはより直接的な支援を期待しているわけなんです。
 ところが、先ほど言いましたように、外務省は今までの支援の状況というか支援のプロセス、それを大事にするがために、絵にかいたもちで、いや、いずれこういう形で援助しますからということで説明はしているけれども、彼ら聞く方からしてみれば全くそれが実現しそうにない。今、現にそれだけの直接援助をする余裕があるのであれば、自分たちの雇用に使ってほしい、自分たちが必要だと思っている道路の補修、橋の架橋、水の供給についてはやっておりますけれども発電所の建設、こういうのに充ててほしい。そういうものをどれだけ今政府が取り上げて実施しようとしているのか。
 先ほど私が、マドリードの会議以降どういうプロセスでその金額が決まり、また中身が決まったのかということをお聞きしました。これは通常の要請主義に基づくプロセスとは全然違うはずなんです。先に支援国全体としての、総額これぐらい要るだろうというのがあって、後、そのうち日本でこれぐらい頼むと、えいやの世界なんです。そういう意味では、もうイラクに対する支援そのものが、今までの提供プロセスがこうだああだというような状況ではないと思っているんです。
 にもかかわらず、外務省は今、サマワの切なるニーズに対して、通り一遍の今までの方針ということを前面に出してこたえ切れていない。それがサマワ住民の不満につながり、それがテロリストの活動の黙認につながって自衛隊の安全を脅かしている、こういうふうに私は思っておりまして、政府として自衛隊に対する安全確保義務があるのであれば、なりふり構わずという言い方はちょっと適切でなかったかもしれませんけれども、とにかくそこに、日本で独自でできることはとことんサマワ周辺に投じていく、こういうことをお願いしたいと思っております。

○町村国務大臣 今改めて、先生がお配りになった資料、あるいはもう少し詳しい資料を見てみますと、かなりそれでもやっていますよ。それは、彼らの期待値がどれほど大きかったか。それこそ日本からもうとてつもなく大きなサンタクロースさんの袋が届くかと思ったらば余り大きくなかったという、それは期待と現実のギャップはあるのかもしれません。
 今、水の方はかなりやっている、確かにそうであります。例えばサマワ母子病院に対する医療器材、これは自衛官による技術協力もついておりますけれども、これなども十分やられておりますし、サマワ総合病院に対する医療器材供与約八千六百万円とか、あるいはイラク、これはサマワ総合病院以外の病院にもやっております。救急車の供与もやっております。
 あるいは学校を見ましても、これは昨年の九月末時点でありますけれども、ムサンナ県の六十五ある学校のうち十三校が再建完了、八件再建中、十三校が入札事前審査中というようなこともやっておりますが、こういうのも、これは全部自衛隊がやるわけじゃありませんから、お手伝いはするけれども、かなり地元の企業に発注をされるというようなものもあります。
 道路改修にしても、五億七千四百六十六万円という形で、サマワ及びその周辺の道路改修あるいは舗装といったようなこと。オリンピックスタジアムの改修、これはムサンナ県じゃありませんかね。あと警察車両、消防車、防弾車両、果てはサッカーボールに至るまで、随分これはやっていますよ。それは、まだまだあれもやる、これもあると言われればそうかもしれませんけれども、なかなか、どうでしょうかね。
 それから、確かに、余り国際機関を使わずにという御意見もあろうかと思う。しかし、やはり日本が国際機関の顔を立てながら、そして、日本ばかりではなくてほかの国の支援も呼び込むために、日本は例えばUNDPにこれこれを出す、ユニセフにこれこれを出す、そしてそれを見てやはりほかの国も、じゃ、自分たちもこうやらなきゃいけないかと。
 確かに、そこに人件費がとられたりなんなりという、全部現地の人にお金が回らないという若干のデメリットはあるかもしれない。しかし、そうはいっても、やはり国際機関の、うまく諸外国の協力を引き込むという呼び水として日本が協力をするという面もあるわけでありますから、これを全部直接、ダイレクトにやればいいというばかりではやはりないんだろうと思いますね。
 まして、今後の開発といいましょうか復興というものを考えたときに、それすべてを日本がカバーし切れるものでもない。やはり国連のいろいろな機関の協力というものがなければ、イラクの復興復旧は難しいだろう。そんな先を少し考えたときに、すべて直接日本がやるというわけにもやはりいかない部分もあるんだろうと思います。
 ただ、委員がおっしゃるように、自衛隊の安全のためだから思い切ってというお気持ち、お考えも私どももよくわかるわけでありまして、そういう意味から、かなり直接的なことも先ほど申し上げたようにやっているということは御理解をいただければと思います。

○吉良委員 先ほど私の方から指摘させてもらいましたように、いろいろやっているんですけれども、供与供与が中心で、サマワの住民の期待にはこたえられていないということは、再度指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
 それと、日本全体が財政的にかなり厳しい状況にあるわけですから、あれもこれもというわけにはいかない。そうなったときに、明確な優先順位をつけるのがやはり政治の役割だろうと思っています。日本の援助は、民間が入り始めて、借款を含めて本格的な援助が始まれば、必ず感謝されます。それだけの実績を日本はイラクで、または中東地域でつくり上げております。
 したがって、ここは、限られた資源をまずは自衛隊の安全確保に努めて、治安が改善し、日本の民間が中心となった援助ができるようになれば、当然そのときには自衛隊を撤退させられるわけですから、まず自衛隊の安全に貴重な資源を使うべしということを指摘して、次に移らせていただきたいというふうに思います。
 続きましては、常任理事国追求とODA方針ということなんですけれども、まず、また外務大臣になろうかと思いますが、外務大臣、国連安保理の常任理事国を追求していくという方針は、もう政府としての確立された方針である、このように理解してよろしいでしょうか。

○町村国務大臣 これは、昨年九月の国連総会におきまして小泉総理が、日本はその資格があるしまた意欲もある、責任を果たす決意であるということを明確に述べ、その他いろいろな機会、私も、個別にいろいろな外相会談等々の場でそのことは随分はっきりと申し上げております。
 先般、一月の下旬に国連の総会がありまして、これは各国の常駐大使が九十四カ国前後発言をして、この国連改革、なかんずく常任理事国の問題について発言をしておりますが、そのときにも日本は、この国連改革の中で、特に常任理事国についてはモデルA、Bというのがございますが、モデルAを支持するというようなことで、非常に明確にそこは言い切っております。

○吉良委員 この十七年度の予算案の中で、その常任理事国を目指すという具体的な活動方針が予算の中でどう反映されているんでしょうか。御説明をお願いいたします。

○町村国務大臣 直接的にこの予算がということは別に明示をされてはおりません。
 ただ、いろいろな国際機関の活動に対する協力という面では、率直に言って、これは国会の中でも、国際機関に対してお金の出し過ぎではないか、これだけ財政厳しいんだからもう引き揚げたらどうかという相当強い御批判、御意見もあることを承知しておりますが、その中で、私どもとしては、厳しい財政の事情のもとではありますが、できる限り、そうした国際機関への拠出。
 あるいはODAの予算、これにつきましては、確かに前年と比べますと三・八%減ではございますが、これは、先般御承認をいただきました十六年度の補正予算の中で、PKOを初めとするODA予算、PKOの予算あるいはODAの予算がその中に入っております、例の津波対策なんかも含めてですね。それらを見ると、ようやっと下げどまり、このところちょっと減ってきているものですから、下げどまり感がこれでできたかな。
 今後は、これをきっかけとして、ここから先に行くと、もうお立ちになってしまった財務大臣は、そこまではおれは言っておらぬぞと言われるかもしれませんが、幸いなことに、谷垣大臣もう外国へ向けて今出発されましたから、鬼のいぬ間にというわけじゃございませんが、私ども外務省としては、できる限り今後ODA予算についても、できるだけこれを確保する努力をしていきたい、今後よく政府部内で議論をして煮詰めていきたい、かように考えております。

○吉良委員 厳しい財政状況の中での外務省の胸のうちを聞かせていただいたと思いますが、お手元にお配りした資料がございます。
 これは、主要先進国のODA実績の推移で、それを見たら一目瞭然のごとく、日本だけが減額という形になっております。
 それと、今の答弁の中でも、じゃ、常任理事国を目指すということでの具体的な方策についてまではお聞きできなかったんですが、全体としてここまで下がると。
 それから、国連の要人、ちょっと名前を忘れましたけれども、そしてコロンビア大学の教授も、せめてGDP比〇・五%はとか、〇・七%までは、そういう発言がある中で、こういうデータが現実問題として出ているわけなんですけれども、こういう状況の中でも、その常任理事国を目指す、それが具体的な政府の活動として、また予算としてあらわれているというふうに断じられるんでしょうか。もう一度、外務大臣、お願いします。

○町村国務大臣 委員御指摘のように、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授が、このODAのGDP比〇・七%を二〇一五年までに達成する、そういうコミットメントをしたらどうかという勧告が出された、報告書が出されているわけでございます。
 日本として、今〇・七というのは、率直に言ってこれは極めて厳しい目標になってまいります。ただ、これはGDP比で見るのか、あるいは絶対水準で見るのかという議論、両方あると思うんですね。だから、アメリカとか日本のように大変GDPの大きな国は、これを〇・七というと大変な金額になってまいります。現在の日本は〇・二%、アメリカは〇・一四%ということでございますから、それでも絶対額でいえば一位がアメリカ、二位が日本という関係がありますので、私どもとしては、国際的な責務というものは十分果たしているとは思っております。
 思っておりますけれども、今委員、図でお示しをいただいたように、各国ともこの何年かずっとODAが増加傾向にあります。日本がちょっと下がっているのが、したがって非常に目立つ。これは日本の財政事情の厳しさ、そんなお金があるんだったら外国に持っていかないで、うちの県に、うちの町にという声だってそれは確かにあります。私も、北海道新幹線をぜひお願いしたいと言って、ODAとともに谷垣大臣に北海道新幹線をよろしくというお願いもしたものですから、いささかそれは、外務大臣としてはまた裂き状態になってしまうこともあるわけでございます。
 いずれにしても、厳しい財政事情の中で、これはプライオリティーのつけ方ということになろうかと思います。私どもとしては、今後、閣内でよく議論をして、このGDP比率もこれ以上下がらないように、願わくば少しでも上がっていくように努力をしていきたい、こう思っておりますが、一遍に、急に、コンセンサスがまだ今とれているわけじゃございません。今後、関係閣僚でよく議論をしていくべきテーマであろう。
 それを、今回の、特に九月のサミットの集まる場というものが常任理事国入りの一つの大変大きな山場でございますから、それに向けて、今後、日本国としてこのODAをどうしていくのかということはよく議論をして、私、外務大臣の立場では、何らかの新しい方針が決められればいいな、かように考えているところでございます。

○吉良委員 こう言っています民主党自体も、民主党が出した独自の予算案の中で、民主党としては、国際貢献の必要性は十分強調しながらも、やはり財政規律重視という観点で削る予算案を出していますので、党としてそのことは言えないんですが、私自身は、今の政府というのは、先ほど言いましたように、なりふり構わずという言い方は適切ではなかったかもしれませんけれども、優先順位を明確にする必要があるんだろうと。
 ですから、私も、未来永劫ODA予算を伸ばしていけ、こういうふうに言うつもりはないんです。ただし、この安保理改革というのは、限られた時間しかない中で、そのときだけは、時限立法じゃないですけれども、緊急避難的にそこだけは増額をする、そのかわり来年以降は必ずまた削りますとか、そういうようなめり張りのきいた予算をつけてもいいのではないか、こういうことを指摘させていただきたいというふうに思っております。
 きょうは基本的質疑ということで、一般質疑の中で、ODA、経済外交のあり方についてはまた質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 次に、年金改革についてというふうに申し上げましたが、年金改革についての細かなことを議論するつもりはございません。私がちょっと指摘しておきたいポイントは、民主党が提案をした消費税の目的税化による、今でいえば基礎年金、民主党案では最低保障年金、これはやはり社会の構成員全体で支えていくという税方式でやっていくべきだということをまず申し上げたい。
 それからもう一点は、これは私の持論なんですけれども、戦後六十年が経過して、この国はほぼ四世代が同居する社会になっております。そして、今の七十過ぎ、六十五以上になりましょうか、特に七十過ぎの高齢者については、あの戦争というものを経験して、自分の人生があの戦争によってゆがめられた人も大勢いる。また、戦前の家長制度の中で、やはり家業を継いでいくという習慣が残っていた中で、自分の人生は必ずしも自分だけで切り開けなかった。そういう世代が一方でおり、しかも、その世代が本当に土曜も日曜もなく働き続けて今の豊かな日本がある。一方、その方々が築いてくれたインフラの中で、私どもを含めて、豊かな社会に生まれ育った世代がいる。
 こういういろいろな時代背景を持った世代を全部一つの制度でマネージしていこうなんて、これはしょせん無理があると私は思っております。
 基本的な考え方は、今申し上げましたように、国の行為によって自分の人生が切り開けなかった今の高齢者に対しては、私は、とことん国が面倒を見ていくといいますか、国が手を差し伸べ続けていく。一方、豊かな時代に生まれ育った若い世代は、自分の人生、その気になればどれだけでも切り開けたわけですから、やはり自己責任で、自分のことは自分でマネージしていく、自立していく、これが原則であるべきだというふうに思っているんです。
 したがって、今の高齢者、よく批判があります。今の高齢者が一番お金を持っているんじゃないかとか、高度成長に乗って一番得をしたのは高齢者じゃないか、こういう意見もありますけれども、でも、先ほど言ったような時代背景を考えれば、まずは国が責任を持つ、その中でとことん裕福な方々がいれば、またいろいろなお願いをして、特例でもって、まあ特例を受理してもらう。一方、若い世代については、基本的には自己責任を前面に押し出して、その中でもどうしても切り開けない方々に対して手を差し伸べていく。こういうふうに、四世代も違う時代背景をしょった世の中で、一つの制度ではくくれない。世代によって扱いが違って当然、それは正当な、それこそ公平だというふうに私は思っています。
 そういう中での年金の議論であり、社会保障の議論であるべきだ、このように思っておりますが、小泉首相、それから尾辻大臣のコメントを聞きたいというふうに思っております。

○小泉内閣総理大臣 民主党の方々も幅広い意見を持っておられるようでありますが、それだけに年金の問題は難しいんだと思います。
 公式的に民主党の考え方というのは、国民年金それから厚生年金、共済年金とを一元化しようということでありますが、今、若い人たちは独自のものを持つべきだ、四世代、違う考えなんだからということでありますが、そういう意見があるのも承知しております。
 しかしながら、現在、民主党が提案している年金一元化を含んでこれは協議しよう、そういう方向だと思うのでありますので、今さまざまな議論がある中で、果たして、そういう若い人だけが自力でやっていけるような形を議論すればいいのか。その自力でやればいいということはどういう考えか、まだはっきり御意見を聞いたわけではありませんが、例えば確定拠出年金みたいなもので公的年金の部分は減らしていくべきだという考えもあります。あるいは、生活保護は弱者に対して、あるいはどうしても自力ではできない人に対しては生活保護という部分だけで、これは税を投入しなきゃならないけれども、ある程度余裕のある人は自分で貯蓄なり投資なり民間の保険でやれという考え方もあるのを承知しておりますが、今の前提において、与野党の中では一元化を含んでという議論がありますので、そういう中でそのような考えを入れていくとなると、これはなかなかまた議論が収れんしていかない部分があるんじゃないかと思っております。
 まずは、政府としては、共済と厚生、これの一元化を目指していこう、そして国民年金の部分についても納税者番号とか、民主党が提案されております、国民年金も厚生年金も全部一緒にしろという考え方に対してどうかという要求をされておりますので、そういう点も含んで、これから胸襟を開いて議論した方がいいんじゃないでしょうか。
 御意見は御意見として、私は理解できます。四世代も一緒の中でずっと一本にするのは難しい、難しいから今までできなかったんですから。そういう点もよく考えて、これから年金の議論の場において、率直な意見交換ができる場を早く民主党も考えていただければなと思っております。

○尾辻国務大臣 年金制度、各世代ごとの時代背景を踏まえて制度を検討すべきであるというお考えについては、各世代が制度の意義、役割を十分理解して、納得して参加していけるようにするという上で、一つの大事な視点だと思います。
 ただ、先生、四つの世代が今、日本に生きているからとおっしゃって、その後の具体的なお話を余り伺っておりませんからよくわかりませんけれども、もし、それが四つの制度にしようというようなことではないですよね。一元化ということで考えておりますから、その四つの世代をどういうふうにうまくつなぐかというのは非常に大事なポイントになるだろうというふうに思います。
 またいろいろ御意見を聞かせていただきたいと存じます。

○吉良委員 今、最初に私が申し上げたのは、この日本で生きる以上、先ほど言った、消費税を目的税化することによって、最低限はどの世代も安心をかち得るということは大前提の上で、その二階建て、三階建ての部分についての意見を申し上げたということで、民主党の考えをベースに協議をしていきたい、このように思っております。
 あとちょっと、教育問題、また国際災害、復旧について意見を申し上げたかったんですが、次の一般質疑に譲らせていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。

○甘利委員長 これにて吉良君の質疑は終了いたしました。


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