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国会発言録

No.005 162回国会「衆議院 予算委員会 14号」  2005年02月17日


②平成17年2月17日 予算委員会
○甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。吉良州司君。

○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。
 きょう、まず最初に、大どころとしては経済安全保障についてということで、御存じのとおり、最近は中国を中心としてBRICs諸国が急激な経済発展を遂げる。このこと自体は日本経済に好影響を及ぼしているわけでありますけれども、同時に、この中国を中心としたBRICs諸国が世界の食料、それから資源原料を、今はやりの言葉で爆食しているという状況の中で、資源原料が大きく高騰してしまっている。そのことは、長期的には日本経済への不安定要因になってくるんではないか。そういう観点から、原料資源の安定確保ということについて、中川経産大臣、町村外務大臣、お二方を中心に質問させていただきたい、このように思っております。
 まず中川経産大臣にお伺いしますけれども、今申し上げました原材料の大幅な高騰というマクロの経済情勢を受けて、川上インフレ川下デフレという言葉を御存じかとは思いますけれども、そのことが、日本経済、日本の産業界に与える影響について今どのようにとらえておられるのか、まずお聞きしたいと思います。

○中川国務大臣 今委員御指摘のとおり、日本は資源がほとんどない国でございまして、そういう中で、世界じゅうから安定的に資源を確保して、そして日本の技術力でもっていいものをつくって国民生活あるいはまた世界に出していくということが、ある意味では与えられた与件なわけでございます。
 そういう中で、特に去年の年初から、中国、インドといった国々、あるいはまた世界経済の回復等で、石油、鉄鉱石、その他あらゆる鉱物資源を初めとした、紙とかそういうものも含めて大分値上がりしたようでありますけれども、そういう状況で、それを利用してつくるメーカーが、原料の確保あるいはまた価格の問題等々で非常に苦労しております。

 それはきちっと価格転嫁ができれば、ある意味では最終的に、いい悪いは別にして、正常な一つの流れなんでしょうけれども、今委員御指摘のように、世の中デフレ状態で、景気もいまいち、特に去年の今ごろはまだ不透明な状況でございましたので、ただ単に次の段階に価格を、そのコストを乗っけていくということがなかなかできにくいということで、各段階が非常に今苦労している。このことを象徴的に言っているのが、今委員が御指摘の川上インフレ川下デフレという言葉だというふうに理解をしております。
○吉良委員 そういう川上インフレ川下デフレという日本の置かれた状況の中で、御存じのとおり、例えば鉄鋼業、これは中国の増産ブームで活況を呈しているわけでありますけれども、日本が鉄鉱石で依存をしている豪州それからブラジル、同時に、原料炭を負っている豪州、ブラジル、こういうところからの安定した、しかも望むらくは低価格の輸入が望ましいわけですけれども、御存じのとおり、昨年、中国の首脳が、APECとあわせてブラジルを初めとするメルコスル諸国を訪れ、一つはFTA交渉を開始したということが言われております。同時に、中国に至っては百億ドルに上る投資をコミットした、こういうことが言われておりますし、一部確認もされております。
 そして、中川経産大臣、御存じかと思いますけれども、ちょうどその中国の南米接近と時を同じくして、異様に原料価格が上がっております。特に豪州からの原料炭に至っては、昨年はトン当たり五十六ドルであったのが、ことしに至っては百二十二ドル。百二十ドルを超える、二・二倍というような高い価格交渉を余儀なくされている。その意味で、昨年の中国首脳陣によるブラジル、メルコスル諸国への訪問と、もろもろの提携確認、そのことが我が国に及ぼす影響についてはどのように認識をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○中川国務大臣 先ほど申し上げたいろいろな価格アップ、原料不足要因の代表的なのが、今吉良委員御指摘の、中国の、爆食というお言葉をお使いになりましたが、本当に果てしない購買意欲であると思います。
 その象徴が、ブラジルにおいての鉄鉱関係、あるいはまた、ブラジルに限らず、世界じゅうでの石油でどんどん進出していくということでございまして、鉄鉱石に関して申し上げますと、日本の場合にはオーストラリアを中心にやっておりますけれども、とにかく、全体バランスがとれていたものが、ばんと大きなところが中国によって占められてしまうということは、全体に大きな影響を与えるわけでございます。
 それから、それと関連して、例えば船賃なんかも大幅にアップをしていくわけでございますから、特に南米、ブラジルあるいは最近はベネズエラとも云々なんて、石油の問題で中国がというような報道もあるようでございますけれども、こういうものは、日本はもとよりでございますけれども、世界的に、原材料不足、原材料高という影響が大きな影響を及ぼしているということは我々も強く認識をしているところであります。

○吉良委員 認識はほぼ共有されていると思うんですけれども、実は、この原料の高騰については、昨年後半というだけじゃなくて、もう一昨年あたりからもかなり指摘されておって、これは経済産業省も中心になって原料資源安定供給等研究会というものを立ち上げておられて、昨年の六月に中間報告も出ております。そのときにその問題意識が産業界と政府で共有されているはずなんですが、それが今年度の十七年度予算で一体どのようにあらわれているのか、それが、正直言って私には見えません。そのことについてお伺いしたいのが一つ。
 それから、中間報告を受けての最終答申といいますか最終報告というのはもう既に出ているのか、そのことについてお伺いしたいと思います。

○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 昨年の中間取りまとめを受けましての来年度予算への対応でございますけれども、これは、基本的には、委員よく御承知のとおり、それぞれの民間企業が長期契約等で手当てをするというのが基本でございまして、全体として申し上げますと、かなり大手の企業が中心になって関与をしておりますので、具体的に予算という形では、特に十七年度予算に新たなものを考えるというようなことには至っておりません。
 それから、最終的な取りまとめが出たのかという御質問でございますけれども、これにつきましては、その後も勉強しておりますけれども、まだ最終的な取りまとめというようなことはいたしておりません。

○吉良委員 私も、原則民間主導、余り政府が口出しをすることは、特に国内経済においては大反対の人間でありますけれども、事資源、原料確保ということについては、前面に民間企業を押し出すにしても、政府による強力な支援体制というのが必要だと私は思っております。それが、あれだけの産業界の知恵を結集した中間報告が出ていながら、どうして予算としては反映されていないんでしょうか。

○中川国務大臣 今、吉良委員も御指摘になりましたように、原材料の価格がじりじりと上がり始めたことを踏まえて、経済産業省の中に、原材料の需給、価格についての研究会を設けたわけでございますが、石油、鉄鉱石、石炭等だけではなくて、総じて、銅とかいろいろな希少金属も含めまして、じりじり上がってきているわけであります。
 基本的には、今エネ庁長官からも答弁いたしましたが、しかし、日本の産業政策の一つとして、原材料が不足する、あるいはまた高騰するということは、やはり政府としては、それは民間ですといって全く無関係でいるべきではないと思っておりました。ですから、例えば、石油が代表的でありますけれども、備蓄という存在をどういうふうに活用していくか。
 石油については備蓄の取り崩しは特にいたしませんでしたけれども、レアメタルなんかは備蓄の取り崩しをいたしましたし、それから、輸出国側、石油の場合ですとOPECなんかに私も何回もいろいろの、暴騰は単に輸入国側だけが困るんじゃなくて、輸出国にとっても不安定要因、一時的にはそれはいいかもしれませんけれども、中長期的に必ずしもプラスではありませんよというような話し合いを何回もしたところでございまして、そういう意味で、輸出側も真剣に考えていただいているのが石油の状況だと思います。
 それ以外の原材料につきましてもいろいろな手法でもってやっていくということで、じりじり上ってきて、企業は決してそれはいい状態ではない、厳しい状態ではありますけれども、ただ、政府に、緊急的な何らかの特別の措置をとってくれというようなせっぱ詰まった具体的な例は、幸いというか、去年の段階ではなかったわけでございます。もちろん、細かいことはいっぱいあったと思いますけれども。
 そういう意味で我々としては最大限の対応を、まだしていない部分も含めて、備蓄なんかの発動も含めていろいろあるわけでございますけれども、それが来年度の予算にどの程度反映すべきかすべきでないかという予算面に関して言えば、特に予算でもって手当てをして何らかの対策をとるというところまで至っていないというのが実情でございます。

○吉良委員 そうであるならば、今、日本自体が国として持っているもろもろの手段、それはODAであったり、国際協力銀行、JBICのプログラムであったり、そういったところで資源開発をより積極的に援助する等々の具体的な支援策があってもいい。だから、予算的に巨額なものでなくても、そういう既存のプログラムを強化充実させるという意味で、幾ばくかの予算、私は計上されてしかるべきだと思っております。
 では、既存のプログラムの中で、先ほど言った中間報告ではありますけれども、もう明確な日本の産業界の方針も出ている。それは、ついては日本の国益にもなるという方向が出ているわけですから、具体的にはどういうプログラムを考えておられるのか、それをお聞きしたいと思います。

○中川国務大臣 国として、一般会計等の純粋の予算という意味では先ほど御答弁申し上げたわけでありますけれども、広い意味で国の関与ということになりますと、例えば生産国に対して、より生産力をアップしていただきたい、増産していただきたいという意味での国の関与としては、ODAでありますとか政府系金融機関を通じた開発等の支援でありますとか、さらにはJBICのいろいろな制度金融でありますとか、そういう形で川上の方を強化するための役割をする。
 あるいはまた、外務省そして経済産業省を通じていろいろな情報収集をして、できるだけそういう逼迫した状況からの脱却のために、先方、海外、国内含めて情報収集して、適切な判断をする上での情報を関係の民間に差し上げるとか相談に乗るとか、そういう意味で国としては最大限のあらゆるツールを利用させていただいておりますし、今後も、まだまだ原材料高が、急激ではありませんけれども高値安定みたいな状況でございますので、これからも努力していきたい、いかなければいけないと思っております。

○吉良委員 私自身がこうやってこだわっておりますのは、一つは、この問題というのは、日本の長期的な資源原料の安定確保ということのみならず、中長期的には日本の雇用を含めた景気回復、特に雇用、賃金アップ、それにもつながってくるということも申し上げたいんです。
 先ほど、川上インフレ川下デフレということを申し上げましたけれども、一方で、例えば自動車産業だとか家電産業だとか、これは韓国、中国を含めてメガコンペティションの真っただ中にあって、製品価格上昇ということでは転嫁しづらい。一方、御存じのとおり、原料供給元というのは、国境を越えた、寡占に寡占がというか、合併合併が積み重なって物すごい寡占状態にある。したがって売り手市場にあって、売ってやろうか、おれの言い値で買うんだったら売ってやるぞと。
 この世界に挟まれて、日本の素材産業等々は結局価格に転嫁できない。一方で原料価格の上昇を吸収せざるを得ない。それは、残念ながら、雇用を抑えるとか賃金上昇を抑えるということで対応せざるを得ないわけなんですね。
 そういう意味で、政府としても、きちっと早目早目に、原料が低価で安定的に供給される、そういう手段を講ずるべきだ。細かくは申し上げませんけれども、私自身も、前、専門でやっておりましたJBICのODA及び旧輸銀プログラムを使った民間企業の支援、これをぜひお願いしたいと思っています。
 特に、先ほどの政府参考人からの答弁でありましたが、この業界というのは、日本の中でもかなりメジャーな、財政力の強い企業が出ていっている場合が多うございます。そして、残念ながら、私の経験では、これまでの外務省というのは、例えばドイツだフランスだというのは、外務省の大使とかいえば、まるでその国というか、あるドイツ企業だフランス企業だのセールスマンみたいな役割をやっていたんですが、日本の外務省だけはそれをやらなかった。それは、ある事業に対して複数の商社なりメーカーがその事業を追いかけていた、一社だけに肩入れをするわけにはいかない、こういう基本方針があった。その時代はよく理解をできております。
 ただし、先ほど言いました、世界的に原料の供給元というのは寡占化が進んでいる、より強くなっている。そこに対してがっぷり四つでバーゲニングパワーを維持していくためには、たとえ日本の企業の中でメジャーと言われるところであっても、そういう既存のプログラムの中できちっと支援していかなければいけないということを私の方で申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 ちょっとそれに関連してなんですけれども、私のきょうの一つのテーマは、治にあってといいますか、平時にあって乱を思え。要は、先ほどありましたけれども、まだ日本というのは購買力があります、資金がありますので、まだ値段が高くなっても買える、こういう状況ではありますけれども、この先予想されますのは、まあ、このことについては必ずしも党の意見と一致しないのかもしれないんですけれども……(発言する者あり)いやいや、これは言いっ放しというか指摘だけなので、問題意識の提示として聞いていただきたいと思っています。(発言する者あり)では、自分の意見で。
 民主党として独占禁止法という民主党案を出して、国内にあっては官製談合を防ぐということでこの独占禁止法を厳密に運用して、当然ながら、競争、公平、オープン、こういう原則を前面に押し出すべき、こういうふうに主張しております。これについては私自身も大賛成であります。
 ただ、一方で、先ほど言いました、国内というよりは対外的な問題としては、寡占が進んで、より資本力の強い、交渉力の強い相手が存在する。鉄鉱石に至ってはもうほぼ三者で八割の輸出量を占めている、こういうような状況で、日本全体としてのバーゲニングパワーをつけるという意味で、独占禁止法の対外的な運用について少し考える必要があるなと思っています。
 実は私も明確な解答があるわけではありませんので、このことは、今言いました日本の国全体としてのバーゲニングパワーを維持するという意味での問題意識ということで聞いていただきたい、このように思っております。
 次に、先ほど、途中といいますか、治にあって乱を思えと。今の日本は、先ほど言いました購買力がありますから何でも買えるという立場にありますけれども、御存じのとおり、希少金属、レアメタルと言われる、日本の高品質の素材をつくるに不可欠な希少金属、これはもう御存じのとおり偏在をしております。一九七〇年後半から八〇年代の希少金属の枯渇といいますか、また供給不足を恐れて、日本としてもそれを備蓄するというふうにはなっています。ただ、現実の世界では、その後大きな埋蔵量が確認をされ、同時に生産供給体制も整ってきましたので、無理に備蓄は必要ないんじゃないかというような声が出ております。
 これについて、希少金属の備蓄の今後の必要性について中川経産大臣はどのようにお考えでしょうか。

○中川国務大臣 私は、レアメタルに限って言いましても、御承知のとおり国家と民間の備蓄があるわけで、その備蓄目標というものがあるわけでありますが、結論から言いますと、今後とも必要だというふうに思っております。
 レアメタル、御専門でしょうけれども、三十数種類ある中で、限られた品目だけではありますけれども、日本としては、石油天然ガス・金属機構と民間とがそれぞれ協力し合って備蓄をしております。その結果が、例えばタングステンは、ロシア、中国、二カ国でもうほぼ九割という状況、あるいはまた、白金でも上位三者で八五%近い寡占状態という中で、しかも絶対量が不足してくる、価格が暴騰してくるということでありますから、そういうときのためにこの備蓄の役割が発揮されるということで、現に昨年においては、バナジウム、モリブデン、マンガンで合計十一回の放出をやった。つまりそれは、やはり備蓄の本来の目的を、こういう緊急事態で機能したということの、ある意味では証左であり、今後ともこういう制度はむしろ充実していく必要すらあると私は思っております。

○吉良委員 私も備蓄は続けていくべきだと思っていますけれども、一方で、私ども民主党も、特殊法人というもの、税金をむだ遣いする特殊法人というのは徹底的に見直せという考え方を持っております。もちろん、備蓄している備蓄部というのは今存在しなくなりましたけれども、私自身は、要は、国の備蓄から、民間備蓄を政府が支援する、もっと具体的に言えば、備蓄部分の借り入れについて政府が保証して、金利部分の、全体なのか、ある部分をきちっと保証していく、そういう財政的に負担がかからない方法で国としての必要備蓄を維持していく、このことをぜひお願いしたいというふうに思っております。
 余り日本の中で最近、シーレーン防衛とあわせて一時はあれだけ希少金属の備蓄といいますか必要性が叫ばれて、最近はほとんど話題になっておりませんので、私はあえて、平時にあって、資源、鉱物の安定供給の必要性と日本の産業の根幹である希少金属の備蓄の必要性を強く訴えておきたい、このように思っております。
 続きまして、先ほど中川経産大臣からも、情報力を強化しなければいけない、このような指摘がありました。そのことに関して、続いては、日本の情報力ということについてお尋ねをしていきたいというふうに思っております。
 まず町村外務大臣にお伺いしますけれども、現在、外務省の在外公館を含めた外務省関連、また日本国の出先機関すべて含めてもいいと思っていますけれども、日本としての情報収集力、情報分析力、まあそこまで言うとちょっとこんがらかりますので、情報収集力ということで絞ってまいりますが、十分とお考えでしょうか。

○町村国務大臣 議員御指摘の、日本の情報収集力がどうであるか、大変重大な問題指摘だと思って、私どももそういう問題意識を持ちながら取り組んでいるところでございます。
 日本は、自衛隊の活動というのは極めて限定をされている中にあって、やはりウサギの長い耳を持っているということが大変重要なんだろう、こう思います。それは、何も安全保障分野のみならず、先ほどから御指摘の経済分野の情報でありますとか、その他いろいろな分野の情報収集をしなければなりません。
 そういう目で見ておりますと、私ども、今、在外公館、二百六十九の大使館、総領事館、代表部等々があるわけでございますけれども、その中で、皆さん一生懸命やっております、なかなかよくやっているとは思うんですが、本当に十分かと問われれば、それはまだまだだと率直に認めざるを得ない。
 一時期、日本の外務省員の数をせめてイタリア並みにとか、人数の話をしておりました。これも今、少しずつではありますけれどもふやしていただいてはおりますが、これとてもまだまだ。さらに、その情報収集のための活動経費がどうかというと、これも正直言って相当削減をされているというのが今の実態でございます。
 しかし、人も不足し、お金も不足しているから何もやらないというわけにはまいりませんので、一生懸命やっているところでございますが、率直に言ってなかなか厳しいところがございます。
 それで、いろいろな情報というのは、実はかなり公開情報、新聞とかマスコミに出ている情報というのが非常に多くて、これだけでも実はかなりの情報収集ができると言われております。
 そうした面でかなりの、一生懸命やっていることは事実でありますが、さらに機微にわたる情報というところまでになりますと、これは率直に言ってまだまだでありまして、大いに先生からも御指導いただきながら、よりしっかりとした情報収集活動に全精力を挙げていかなければならない、かように考えております。

○吉良委員 私自身、もと商社に勤めておりましたので、これは外務省には大変失礼ながら、外務省の情報というのはほとんどすべて、商社と現地にプロジェクトを持っているメーカーさんのプロジェクトマネジャーを中心とする、現地に何カ月も何年も張りついている方々、またはODAのコンサルタントをやられている方々、そういう、ほとんどが民間企業に情報を負っている。民間企業は地べたをはいずり回って情報収集して外務省に届けて、それは外務省からしてみれば二次情報、三次情報なんですけれども、それが残念ながら日本の国としての情報というふうに思っています。
 また、今度はマスコミに失礼ながら、私ども商社にいたころは、新聞情報は情報の墓場だ、こう言われておりました。したがって、本当にビビッドな生の情報というのは新聞ざたにならない。特にこれはビジネス界で言えることではありますけれども、それだけはいずり回ってフェース・ツー・フェースの生情報が必要だということであります。
 お手元に一枚の資料をお届けしておりますけれども、これは八五年から二〇〇四年にかけての大手商社の支店、駐在員事務所の数の推移をあらわしております。そして、下の方はその駐在員数の推移であります。
 先ほど言いましたように、外務省がほとんどの情報を商社を中心とする民間に依存しているという状況の中で、商社もメーカーさんもゼネコンさんも、非常に厳しい経営環境の中でどんどん支店数を減らしている、また、駐在員数を減らしている。これは日本全体の情報収集力の低下ではないかというふうに思っていますが、その点いかがでしょうか、町村外務大臣。

○町村国務大臣 今委員からいただいた資料を拝見いたしまして、本当に驚くほど商社の支店等々が減っているんだなということを改めて今実感を持ったところであります。
 確かに、現場で、商社の方々を初めとする日系企業あるいはNGO、いろいろな方々の情報を私ども外務省としてもいただきながらそれを役立てる努力をしている、事実でございます。
 ただ、最近、非常にある意味では困っておりますのは、公務員の倫理法ですね。これで、時にして、会食をしたり、会う、こういうことが今、特定の利害の企業と会ってはいけないとか、やれ幾ら以上の食事はしてはいけないとか、そこは物すごく厳しく制約を受けておりまして、外務省がいらっしゃいと言えないんですよ。それをやってはいけないんだというルールに今はなってきておりまして……(発言する者あり)いや、それは事実なんです。ある意味では非常に萎縮せざるを得ないような仕組みを、実は我々国会が公務員倫理法というのをつくったわけですね。これがまた極端に振れるんです。これは……(発言する者あり)いや、間違っていないです。これは事実です。極端にこれが振れておりまして、非常に情報収集活動一つとってもやりづらい。
 例えば、大使が、三菱商事、三井物産の支店長さんとちょっと集まっていろいろなお話を聞きたいんですがと。それが、そういうことを今やることが非常にはばかられるような雰囲気に満ち満ちておりまして、必要な情報収集が非常にやりづらくなっているという状況を実は我々国会のサイドでつくってしまっているんだということはぜひひとつ御理解をいただきたい。私は何も、特定企業の片棒を担いで一生懸命やることがいいかどうかは別として、必要な情報交換すらできないような雰囲気。そういうのをちょっとでもやると、あそこで大使がだれだれと会って飯食っているのはけしからぬとか、こういう話がじゃんじゃん出回るわけです。
 これはやはりまずいんではないのかなと思いまして、ノーマルな必要な情報交換というのは大いにやるべしと私は今出先の方には言っておりますが、どうしても公務員倫理法なんかが何となく一つの歯どめというかバリアになっちゃっているというのが現実あるということは、どうぞひとつ御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○吉良委員 後ろの先輩からも、ごちそうになるという発想が間違っているということを言って、割り勘であればいいんじゃないかというように思っていますが。
 私もその業界におりましたので、古い時代のODAというのは、一方では外務省がきちっと民間に情報を負う、それから、プロジェクトの発掘、プロジェクトのプロモーションを民間に負う。そのかわり、ある程度タイドでの、アンタイドではなくてタイドベースでの借款だとか、輸銀は厳密にやっているんでしょうけれども、ある程度日本企業の貢献を理解してもらうような支援でもって、日本企業はいわゆるODAビジネスという中で利益を得ていたという時代があったことは事実だと思っています。
 ただ、今現在、もちろんそれは財政逼迫状況の中で許されないというのもわかっていますし、かといって、申しわけないですけれども、外務省の人たちを少々鍛えても、このたくましい民間企業の、はいずり回って情報をとってくる、交渉していく、これは一朝一夕にできるものじゃないですから、こういう民間企業のパワーをどうやって活用するのか、コストは大きくかけずにどうやってその力を利用するのか。そのことをやはり日本全体の情報力の強化という観点で真剣に考える時期に来ているのではないか。
 私も、決して、商社出身だからといって族議員ではありませんので、そこにぼんとお金を渡せとか、そういうことは言いませんけれども、ぜひ外務省の中にも、情報力強化という観点で、民間のパワーをどう利用するかということの具体的な作業チームをつくっていただきたい、このように思っております。
 そうしないと、この前の質問でも言いましたけれども、一方で日本は国連の安保理の常任理事国になるというようにうたっておきながら、実際、その活動についての予算は全く今年度に計上されていない。しかも、このように各国に対する日本のプレゼンスを示す、そういう商社、民間企業の、特にアフリカ諸国を中心としたど発展途上国に対するプレゼンスが減っているわけですから、そういうところにも日本の、先ほどおっしゃったウサギ、アンテナをどう張りめぐらすか、これは非常に重要な国家戦略だと私は思っております。
 町村外務大臣に、そのことについて真剣にというか、必ずそういう勉強会といいますか研究会といいますか発足させて、情報力強化についての外務省内部の組織をつくるということについて御答弁をお願いしたいと思います。
○町村国務大臣 これは私が外務大臣になる前に、九・一一の直後に自民党の中にテロ対策本部というのをつくり、そこでインテリジェンスの能力を高める小委員会というのをつくりました。私はみずからその小委員長を買って出まして、そして日本全体の情報力の、これは国内外両方あると思いますが、どういうことをやるべきかということを提言としてまとめました。それを当時の総理、官房長官などにもお渡しして、少しずつそれを実行してくださいというお願いを、党を代表してしたこともございます。
 それを受けて、余り、事柄が事柄だけに大仰にかねや太鼓でやる話でもないということもあって、着々とそれは今取り組んでいるわけで、今度はみずから、私、外務大臣という職につけていただきましたから、しっかりとこの面では既に取り組んでいるところでございます。
 なお、これは御参考まででありますけれども、ODAをいかに現地の声を反映させた形でやるかということについては、昨年の八月にODA大綱というものを決定いたしまして、その中で、「現地を中心として、開発途上国の開発政策や援助需要を総合的かつ的確に把握するよう努める。その際、現地関係者を通じて、現地の経済社会状況などを十分把握する。」という表現がありまして、これを受けまして、現地ODAタスクフォースというのをそれぞれの国ごとにつくるようにしております。これは、先ほど御指摘のあったJBICあるいはJICA、もちろん在外公館、それに民間の方々、企業の方、NGOの方あるいは国際機関職員で現地にいる方々、そういう方々に集まってもらって常に密接な情報交換をしながら、今何が一番必要としているのか、何が役立つだろうかということを、国ごとに、地域ごとにそういうタスクフォースをつくって、情報の収集と分析と対策というものを、現地の、遊離しない形のものをしっかりやっていこうということで努めておりますことを御報告いたします。

○吉良委員 その方向自体、お話を聞いて安心しましたけれども、一方で、やはり外務省に残る、言い方は極端かもしれませんけれども、官尊民卑的な体質がまだまだ残っているという中で、本当に情報がありパワーがあるのは民間だということで、民間の声が直截に反映されるような組織にしていただきたい、こういうふうに思っています。
 ちょっとその関連で、非常に古い話になるんですが、九七年の十二月十七日でしたか、起こりましたペルーの大使公邸人質事件、それに関連してなんですが、実はあのときに、私の本当に大大親友、無二の親友が奥さんともども人質になりまして、奥さんは一日で解放されましたけれども、友達は十日間入っていた。そして、私が物すごく親しくさせてもらっていた先輩は、最後の突撃まで百二十二日間、あの中におりました。
 そのときの外務省の対応、特に、終わってから、人質になっていた人たちに対して何らかの、わび状といいますか、そういうものを出したのかどうか。私が知る限り、最後の四月二十二日の突撃まで残っていた日本人に対しては総理大臣名で出ているということは御本人から聞いておりますけれども、それ以前に人質になって解放された方々に対して、またはその企業に対して何らかのレター等を出したんでしょうか。その辺についてお伺いしたいと思います。

○町村国務大臣 委員から御指摘があったので当時のことを調べてみたわけでございますけれども、事件が解決した後、当時の橋本総理から、国会の場を通じましてお招きした方々に対して、こうした事件を起こしたことに政府の最高責任者としてまずおわびの言葉を述べるということをやっております。
 その後、今委員御指摘のように、事件後一年がたったところで、確かに、全体は五百名以上、当初人質になっていた。その中で、最後まで人質になった方々七十二名、日本人の方、民間人十二名、大使館員十二名、ペルーの方々が四十七名、それから他の国の外交団の方が一名、こうした方々に対して総理から書簡を発出して、おわびを申し上げるというものが出されております。
 確かに、五百名、当初人質になった。そのうちの七十二名に出したということは、四百名以上の方々にはおわび状が出ていない。なぜそういうふうにしたのか、私もちょっと、当時のことでありますから、必ずしもつまびらかにいたしませんが、政府としては、一応こういったおわびの思いを国会でも申し述べ、最後まで御迷惑をかけた方々にはおわびを申し上げた、こういう思いで、別に、官だ民だという思いで差をつけてやっていたということではないということは御理解を賜りたいと思います。

○吉良委員 普通の常識で、例えばの話、民間企業が社長就任パーティーがありますということでお客さんをお招きして、そのときに、ああいう事件が、警備が手薄だった等々の理由により起こったときに、すべての人に対してわびの書簡を入れる、場合によってはこうむった損害に対して補償していくということも常識ではやるのではないかと思うんですね。
 当時、そこの人質になっていた各会社は、私がいた会社もそうだったですけれども、それこそ、ブエノスアイレス、サンティアゴ、それからキト、コロンビアのボゴタあたりの駐在員を全部現地に派遣し、ニューヨークからも二人ぐらい解放までずっと常駐して、それにかかった経費というのは億を超えるんですよね。それを本当にそれぞれの各社がやっていたわけです。それを、個人に対して、それも最後まで、突撃までいた人には出して、それ以外の人または会社には一切出さない。その価値判断といいますか、それはどういう理由によるんでしょうか。

○町村国務大臣 ちょっと私も、当時おりませんものでしたから、よくわかりません。なぜそういう差といいましょうか、あるいは、会社の方になぜ出さなかったのか。ちょっと何とも、当時のことでございますから、私も、どういう資料があるかどうか調べてもらったんですが、率直に言ってよくわかりません。
 わかりませんが、後になってこうやって立ち返って考えてみると、そういう意味の丁寧さといいましょうか、それが確かにこれは欠けているな、それは率直な反省を持つものでございます。

○吉良委員 私が最初、官尊民卑という言い方をしましたけれども、本当にいつも世話になって、先ほど言った国全体としての情報、外務省としての情報力をそういう民間の人、企業の人、その企業に負っている。お客さんだという意識があれば、そんないいかげんな対応というのは絶対許されないですよ。民間の感覚であれば、今言った社長就任パーティーに呼ぶというのは重要顧客ばかりですから、その人たちに迷惑をかけたときにわびを入れる、または何らかの補償をしていく、これは至極当然の常識であります。
 そういう意味で、外務省の官尊民卑といいますか、民間はどうせ自分たちの、例えばODAにしても、政府は金を出すだけで、地べたをはいずり回ってやっておるんだという感覚が、こういうペルー人質事件のときの対応にあらわれているんじゃないか、このように思っておりまして、その体質をぜひ町村さんの代に変えていただきたい。
 その意味で一つ提案なんですけれども、これは先ほどの資源原料の安定確保ということにも関連するんですけれども、在外公館の中には、あえて色分けするとすれば、非常に政治的な関係が強いパートナー、国、それから、経済的関係がより強い国、もちろん今は政経が一緒のことが多いんですけれども、例えば、先ほど言いましたブラジル、アルゼンチン、チリであるとか豪州であるとか、こういうところというのは、日本の経済安全保障も踏まえて、経済的なパートナーとしてより色濃いわけです。そういうところというのは、これは商社、メーカーさんもそうですけれども、メーカーも現地に工場をつくって、そこのトップとして、もう恐らく五年も十年も現地に根差している方がたくさんいらっしゃる。
 そういう経済的な色彩の強い、かつ日本の経済安全保障に資する色合いの強い国にはぜひ民間の大使を起用する。常に外務省が上にあって、その下働きを民間がするのではないということをお願いしたいと思っています。
 主要国における大使の任用状況というのを私もずっと調べてみました。正直びっくりしたのは、アメリカは大使が百五十二人いて、そのうちの政府出身者が百人で、民間または民間と政界を入れたのが五十二人。これは圧倒的に高いんですが、イギリス、カナダ、フランス、ドイツと、いわゆる先進国は、やはり基本的に、外務省といいますか政府出身者が多くて、アメリカに次いで日本は民間の大使が多うございます。それは確認しました。
 ただ、その内訳を見ていくと、やはりかつて官の出身者であって、一時民間に籍を置いている方ですとか、必ずしも民間出身者とは言えず、また、その国に根をおろした方というのは、例えばエルサルバドルであるとかチリであるとか、非常に限られた地域なんですね。
 今言いましたように、今後の日本の経済安全保障を考えたときに、経済がわかる、日本との取引がわかる大使の存在というのは非常に大事だと思っていますので、そういう意味で、ぜひ大使の任命について民間を同等に扱っていく。できれば、先ほど言った経済の色彩が強い相手についてはまずは民間から選ぶというような発想で臨んでいただきたい、そういう制度にしていただきたいと思っていますが、町村外務大臣、いかがでしょうか。

○町村国務大臣 貴重な御意見をいただきましたことを感謝申し上げます。
 あの外務省改革というのが、ちょうど茂木副大臣が当時御担当しておられましたけれども、その中で、大使の人事のあり方ということについても一つの大きな方針を出していただきました。もとよりこれは適材適所という、一言で言えばそういうことでありますが、これは外務省の職員のみならず、他省庁の方、民間の方、この方はという方はぜひ登用したい。今、十数名、十七名だったと思いますが、民間人大使ということで、できるだけこれを私は二十名台に持っていきたい、こう努力をしているところでございます。(発言する者あり)
 たまたま今どちらかの方から、今は南米チリの小川大使、彼は衆議院議員でございましたが、その前は三菱商事の社員としてブラジルで長らく勤務されたという貴重な経験を持って、今チリで大変な活躍をしていただいております。ああいう方々が多くなることは大変いいことだ、こう思っております。
 私どもも、そういう意味で、経済団体の方々に、どうですか、いい方いらっしゃいませんか、御推薦いただきたいというお願いを実はかねてよりしております。ただ、率直に言うと、なかなかこれは具体名が挙がってこないんです。総論は皆さん賛成をなさいます。では、いざ個々具体名でということになってくると、現実はなかなかこれは難しいところがありまして、例えば、あの方なんかどうですかと逆にこちらから、逆指名ではございませんが、することもあるんですが、いやいや、あの人は今こうでこうで、それはちょっとできませんというようなこともあったりいたしまして、なかなか我が方の思いが伝わらないことがある。逆に、民間の皆さん方の思いがこちらに伝わらないこともきっとあるんだろうと思います。
 ぜひ吉良先生も、いい方がいらっしゃったら教えていただければありがたいし、これからまたぜひ適材適所で今後ともやっていきたいと思います。

○吉良委員 前向きな答弁、ありがとうございました。ぜひ紹介をしたいと思っています。
 ちょっと時間がなくなってきまして、中山文科大臣にお伺いしたいと思います。
 私は、今教育改革が叫ばれておるんですけれども、どうも自民党の方々は、教育基本法の中で、やれ愛国心がどうの、私もそのことは大事だと思っていますけれども、より切実な問題は、御存じのとおり学力の低下、そして子供たちの心の荒廃であるというふうに思っています。そして、特に学級崩壊、学校崩壊と言われているような学校は、私立学校よりも圧倒的に公立の小中学校が多いわけであります。
 そして、教育というのは本来機会均等であるべきなのにもかかわらず、残念ながら、今の学区制という中では、その地域に住んでいればその学校に行くしかない。ところが、その学校は学校崩壊が起こっている。
 こういう状態を解消するには、私は一つの有力な手段として、学校選択の自由を認めていくべきではないかというふうに思っております。そのことについて、もう釈迦に説法になりますが、学校選択の自由を認めることによって学校間の競争を促す、それがひいては教師の自助努力につながっていき、ひいては子供の学力の向上、それから心の荒廃からの脱却につながる、このように思っております。
 その意味で、学校選択の自由について文科大臣としてどのようにお考えかということと、実際、特区の中で、東京都の品川区あたりではやられておりますけれども、そこから上がってくる評価、その評価を受けての中山大臣の御所見を賜りたいと思います。

○中山国務大臣 教育改革、いろいろ進めておりますけれども、学力の向上の話も非常に大事でございますけれども、今まさに吉良委員が言われましたように、心の教育、これは本当に大事だなと思うので、そういう意味で、ぜひ教育基本法の改正、早くできますように頑張っていかなければいかぬな、こう思っているわけでございます。
 それから、学校選択の自由、この幅を広げるということについては、まさにそのとおりだと思っております。近年、市町村の教育委員会の判断によりまして、地域の実情や保護者の意向等に即しまして公立小中学校のいわゆる学校選択制を導入する、そういうふうな動きもかなり広まっておりますし、また、構造改革特区を利用しまして、小中の一貫教育とか、あるいは小学校の英語教育のように、地域の実態に即した多様な取り組みが今進められているところでございまして、東京都等についても今いろいろやっていらっしゃるわけでございます。
 まだそれをどういうふうに評価するというところまでは行っておりませんが、私としては、ぜひ、児童生徒や保護者の意向等を十分酌みながら特色ある教育をそれぞれがやる、そのことがまた学校間の切磋琢磨といいますか競争にもなって、全体として教育水準が上がっていく、こういうことになるんじゃないかと思いまして、ぜひそういう方向で進めてまいりたいと考えております。

○吉良委員 そして、その学校選択の究極の具体的手法として、ぜひバウチャー制導入ということを考えていただきたいと思っています。
 これ、本当はもうちょっと突っ込みたかったんですが、ちょっと前半で時間をとられまして、細かく突っ込むわけにいきませんけれども、一つは、もちろん同じ公立高校の中でも自由に選べるということと、特に、今私立にやっている人たちからしてみれば、一方では税ということで強制的に取られて、一方で新たに私立の学費ということで払わされている。私立学校に通わせる保護者の負担が非常に大きくなっている。これは、教育の機会均等を保障した憲法にも私は反するんじゃないかと思っているぐらい問題があると思っています。
 バウチャー制度について、これを推し進めていただきたいと思っているんですけれども、その辺についての文科大臣の御所見をお願いします。

○中山国務大臣 バウチャー制度につきましては、導入すべきだという議論等がいろいろありますが、また、それに伴ういろいろな弊害等も指摘されるわけでございます。外国の例も余りないんですけれども、いろいろな御提言等をいただいているものですから、米国の例等について今詳細に調査を行っているところでございまして、今後、そういった外国の実態の把握と分析に努めるということからまずやらなきゃいかぬわけですけれども、このバウチャー制度の意義について幅広く問題点等を検討していきたい、こう考えているところでございます。

○吉良委員 実験例からも幾つか問題点が出てきていることは承知しておりますけれども、全体で考えて、少々のリスクよりもメリットの方がはるかに大きいと思えば、やはり思い切ってやらなければ改革には値しないというふうに思っております。
 ぜひバウチャー制度の検討をお願いしたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。

○甘利委員長 これにて吉良君の質疑は終了いたしました。


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