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国会発言録

No.009 164回国会「衆議院 経済産業委員会 5号」  2006年03月17日


○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。
まず最初に、二階大臣にお伺いしたいと思います。
先ほどの同僚議員の質問に対する二階大臣の答えの中で、中小企業と地方に光を当てることこそが政治の役割だ、このような答弁をされたかと思いまして、そのような思いというのは私も全く同感するところであります。
実は私は、今民主党に属していまして、二期目なのですが、二〇〇三年の最初の総選挙のときは無所属で出馬しまして、実はその際に「経済の活性化と雇用対策」と、とことん安い選挙費用でやっていますので、こんな一枚ビラでありますけれども、こういうものをつくった中で、私自身、「「ものづくり」にこだわる国の追求。二兆円を投じて頑張る中小零細企業を支援。また新産業、未来フロンティア産業(ナノテク、バイオ、環境技術)への一兆円投資」、こういうようなことを、無所属だから言えたのかもしれませんけれども、それぐらい、この辺は政府また与野党を問わず、日本の繁栄の根幹はものづくりにあり、そしてものづくりを支えているのは中小企業だ、そしてその中小企業を支えていくのが政治の役割だ、このように思っております。
そういう観点から見た場合に、今回のこの中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案とそれに基づく予算措置、例えば研究開発六十四億円、またもろもろありますけれども、出会いサイトとでもいうのですか、そういうものに二億円とか、余りにも私からしてみると予算的に小さいのではないかというふうに思っています。
断っておきますけれども、私も小さな政府主義でありますので、何でもかんでもばらまいて拡大しろというふうには思っていません。この法律の背景にもありますまさに選択と集中、そういう中で、二階大臣もそうでした、先ほど言いました、政府も与野党も共通しているのは、ものづくりこそが日本を支えている、こういう認識であるならば、ほかの予算を削ってでも、またほかの省庁から分捕ってきてでもこの分野に予算を集中投資すべきだ、私はこのように思っているところであります。
なかなか腕力も旺盛な二階大臣とお聞きしていますけれども、先ほどの、中小企業と地方に光を当てることこそが政治の役割だという御認識と決意、それと今回の予算措置、私から見ますと大きな乖離があると思うのですけれども、その辺についての御見解をお聞きしたいと思います。

○二階国務大臣 おっしゃるように、我々の中小企業育成あるいは中小企業の繁栄のために何をなさなくてはならないかという観点に立ちますと、今まだ予算は十分なものとは決して思っておりません。しかし、議員も御承知のとおり、今与えられた条件の中で予算を編成するといえばこの程度にならざるを得ないことは極めて残念であります。
しかし、今後、委員各位の御理解、御協力をいただいて、このものつくりに対して後押しをするということを積極的に進めていくと同時に、全国で中小企業の皆さんが各地で頑張っていただくこの姿を、国民の皆さんにもまた財政当局にも十分御認識をいただいて、また将来に向けて考えていきたい。
私は、先般のいわゆる予算の大臣折衝におきましても、経済産業大臣の御発言は以上でございますか、こう言われましたときに、その際、中小企業に特化して、中小企業の問題だけを最後の大臣折衝のテーマにいたしました。しかし、こんな程度が私の本当の要望ではありませんよということで、もう一つペーパーを出して、谷垣大臣に、これはすぐ回答をよこせというものではありませんが、十分お考えをいただいて、こんなことだけでは現在の経済産業省が日本の経済を立て直していこうなんということはとても、言うはやすく、今議員おっしゃったように、現実と理想との乖離が大き過ぎる、だからこれだけのことはやはり考えてもらわなきゃ困るということを申し上げたことがあります。
我々は、そうした主張を根底に持って新経済成長戦略なるものを打ち立てて、今後に思い切った産業政策を展開していきたいという理想だけは持ち続けていきたいと思っておりますので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。

○吉良委員 非常に前向きな答弁、決意をお聞きできて、非常にありがたく思っておりますが、財政再建というのも国政上のもう待ったなしの改革テーマでありますので。予算措置に限界があるというのは私も存じ上げております。存じておりますけれども、ならば、この限られた予算を、じゃどうやって有効にしていくのかと。
私は、実は、先日の参考人質疑それからここしばらくの質疑を聞いておりまして一つ気になっておりますのが、マラソンで言うと、今回のこの法案及び予算措置が大事なんだけれども、ただメガホン持って頑張れ、頑張れと叫んでいて、その価値はある。確かに、先日の参考人の清川さんですか、メッキ工業の方が、もう光を当てていただいただけでもう十分だ、そのことを盛んに強調されていましたけれども、裏を返せば、今言ったように、メガホンで頑張れ、頑張れと応援をしてもらったことは大変感謝するけれども、この程度の予算と、それから、ここに書いてある運用というのですか、それでは恐らく実質的な効果はなかろう、こういうような思いが裏から読み取れたのであります。
そういう意味で、メガホンでただ頑張れ、頑張れと言うだけではなくて、本当に筋力を鍛え、高地トレーニングをやるというような、どうやってそこまで持っていくか、そういう意味での実効性についての質問をちょっとさせていただきたいと思っています。
そして、一つ、まだそういう話をする前提として、私自身、この法案作成の背景に、今までは中小企業イコール弱者なんだ、そしてその弱者には手を差し伸べなきゃいけないということで、いわばお涙といいますかばらまきのような政策から、はっきりと意欲がある、やる気があってかつ可能性がある、技術があるという、また、伊丹先生の言葉をかりれば、頂上に近い七合目、そこらあたりにいる企業というところにターゲットを絞って支援をしていくという選択をしたこと自体は高く評価しております。
ただ、その先の運用ということになったときに、果たして今のもろもろ書いております施策の中でどれだけ実効性があるのかということに、正直言って疑問を持っているわけなのであります。
まず第一が、これは事務方でも結構ですけれども、これまでの質疑の中で、学者または役人の意見を聞きながら技術の選定をし、そしてまた評価をしていくというようなことがあったのですけれども、同じく参考人の伊丹教授からあったように、最終的に技術の発展とその技術を担う人材の育成というのは、その当該技術を含む事業がどれだけ拡大していくか、そこにかかっているという趣旨の話をされたと思うのです。
そういう意味で、今回のこの法案、それを運用していくときに、どれだけ実需、現実的な取引、現実的な契約というものを反映させていくのか、この法案それからこれまで経産のお役所の方から受けたレク等では、ちょっとイメージができないのです。その辺について、実需それから現実的な取引、契約というものをどう反映させていくのかということについて答弁を願いたいと思います。

○望月政府参考人 お答え申し上げます。
この法案について、朝から累次議論になっておりますのは、この法案が単に中小企業一つ一つについて、その技術開発を支援するということではなくて、その中小企業が、日本経済の強みである製造業を支えている強みの部分としての中小企業の力を涵養することによって、経済全体の推進役にしようという高い期待をこの中小企業群に持ってやっているわけでございます。
したがって、この中小企業の役割というものが、川下の組み立て産業であるところの製造業の人たち、これは大手企業の方々が多いわけでございますけれども、のニーズに合致して、言ってみれば彼らの求めているような技術の方向というものとうまくマッチングさせて、それで中小企業の方がみずから技術開発をしていく、こういう組み合わせをうまくどうやってつくれるかということがかぎになるわけでございます。
したがって、先ほど先生が御質問になりました、特定の技術というものをどういうものを選ぶんだということになれば、まずおのずと、川下の製造業の、組み立て産業の方々から成る有識者の方々、それから、今、技術開発をしてこれに納めようと思っておられる川上の中小企業の方、この方々の対話をいかにスムーズに正しい方向へ持っていくかというのが原点だろうと思いますから、この構成員がまずあって、加えまして、やはりもう少し高い立場で全体の技術の動向をよくわかっていて、あるいは産業技術の流れをよくわかっている学識経験者、先生方にお集まりいただいて、その流れをつくっていただく、こういうのが基本だろうと思います。そういう中で、この特定技術というものがどういう方向へ向かっていくのかというものを、共通認識を持つということが大事だろうと思います。
私どもは、この法律の目的とか構成がそういう趣旨でつくっていって運営されるべき法律であるということをむしろバックオフィスでしっかりと見詰めて、全体がうまくいっていただくことをお支えするという役割ではないかと思っております。そんな格好で組織をされております。

○吉良委員 正直言って、今の答弁でも全くすとんと落ちていない、得心できないんです。
今の答弁であれば、筑波とかそのあたりで研究していけばいい話であって、やはり中小企業というのは必ず、ここでもいろいろな場でもあっていますけれども、川上があり川中があり川下がありという中で、取引の中で、実需があって、ニーズがあって、初めてそこで要望が出てくる。しかも、それにこたえられたら、その製品が売れていく、その技術が汎用性を持っていく、こういうことですから。
繰り返しますけれども、具体的な、例えば大企業なら大企業と、その下請なら下請の契約の中で、または、ニーズにこたえる、どうやってこたえようかという中で出てくるものだ、こう思っているんです。答弁の中では、私は正直、いや、僕が一番理解ないのかもしれないけれども、皆さん全くイメージがわかないと思うんです。
例えば、自動車の部品産業でも結構です、携帯の部品でも結構です、または液晶メーカーとその下請でも結構です、メッキでもいいです。具体的にどういう取引なりどういうニーズの中で、どういう具体的な申請が上がって、そしてそれに対してどういう審査がありという具体的なイメージのわく漫画で答えていただきたいと思います。

○望月政府参考人 これは、現実の今の世界の中で、産業界の方が大変苦労されて、この法律抜きにまず手始めにおやりになったことを申し上げますと、先ほどもちょっと一例を申し上げましたけれども、燃料電池車をつくらなきゃいかぬと。
今、燃料電池車が走っておりますけれども、一億円するとか、そういう高い燃料電池車。これをコストダウンするというのがやはり非常に大事なことでございますし、日本経済にとっても非常に大事だと。その燃料電池のコストダウンをするというのは、いろいろな面がありますけれども、やはり一番大きいのは、先ほどもちょっと申し上げましたが、あそこに白金の触媒を使わなければいけない。ところが、これは非常に高いものでございますから、その白金の量をいかに少なく使ってこの燃料電池をつくるかというのが大手の燃料電池メーカー、電機メーカーの方々の共通のターゲットなわけでございます。
ところが、このメッキの世界、これは白金メッキ、いかに量を少なくやるかということは、薄膜のメッキをつくらなければいけない。このメッキの世界について、現実に実行しノウハウを持っておられる方というのは、中小のメッキ産業の方々でございます。この中で、すべてではございませんけれども、そういう能力を持っておられる方が数社おられるわけです。その会社というものは実はそんなにたくさんないものでございますから、大手の電機メーカーが通常つき合っているメッキ屋さんでないケースが結構あるわけでございまして、みんながあるメッキ屋さんに集中する場合があります。このメッキ屋さんに発注をして、それで薄膜化についての努力をしてほしい、こうやるわけです。
ところが、ちょっと短く言いますが、この燃料電池については、それぞれの電機メーカーが別々のスペックで開発をしているわけです。そこに秘密のカーテンがあるわけです。受けたメッキ屋さんの中で、二十人ぐらいの小さい会社の中で、この中でファイアウオールをつくって、横の秘密を漏らさないようにして開発計画をつくってやるということになるわけでございますから、この中小企業にとってみれば、無駄な負担が物すごくかかるわけです。
こいつをどうやって短期間に低コスト化するかということになれば、おのずと電機メーカーさんの方も気がつかれたのは、このスペックを共通化しなければうまくいかないということに結論がなったわけでございます。その辺から、大変申しわけないですけれども、だれか中立的な第三者が入ってこれをやらないと、このスペックの共通化は、開示などなかなかできないので、工業界の中心にある方がやるか、あるいはそういう燃料電池みたいなエネルギー政策の一環でもございますから、役所の方に声をおかけになって、スペックの開示ということを、ある中における開示というのを行って、共通スペックの中でこの開発に新しく着手し始めた、こういうのが一例あるわけでございます。
そこで申し上げましたのは、朝から出ております、系列関係が緩やかになったことによって自然に秘密が流れるような体制がなかなかできなくなってきたというのが現在における一つのこういう中小開発型の企業の悩みであるわけでございまして、こういう悩みを解決するためにも、ここの情報流通を速やかにするような仕組みをどうやってつくったらいいか。 先生がおっしゃいます、たった二億円か三億円の予算で川上と川下の情報流通をなだらかにする仕組みをつくるというのは、お金を幾らかけるかではなくて、むしろこの仕組みをどうやって工夫してできるか。工業界一体になったり、あるいは役所も絡んだりして、先生方も絡んで、どうやってつくるかというような仕組みづくりが大切なので、額は少ないですけれども、大事な政策だと思っているわけでございます。そういうことも一端でございますが、ちょっと長くなりますから、このぐらいで。

○吉良委員 まず最初に言いましたように、私は、メガホンで頑張れという意味での効果はあると思っていますし、それから、先ほど二階大臣の方で、この法律自体で満足はしていない、ただ、この法律は一つのきっかけとして、今後、中小企業支援の実効を高めていくんだという趣旨の答弁がありましたので、そのこと自体を否定するものではないんですけれども、正直、今でもすとんと落ちない。基礎研究的なものと、まさに実需というか実ニーズに基づく対応。
私ももう現場を離れて数年になりますので偉そうなことは言えないんですけれども、やはり具体的な商談の中で困るところは、先行手配がというか、材料にしろ人手にしろ、先に資金が出ていってしまう。それで、上からの支払いというのは数カ月かかる。場合によって、ある一定の成果を出せなければ、それまでの投資が全部無駄になる。こういうようなところで中小企業というのは一番困っているわけですね。特に研究開発も含めた高い技術を持っているところが。そういう中小企業の一番のどから手が出るぐらい欲しい支援というものがなかなか頭に浮かばない。
今おっしゃられたことも間違いではないんでしょうけれども、間違いじゃないというかニーズであるんでしょうけれども、どちらかというと、基礎研究的な、今言ったメッキならメッキ、今の国際競争力を支える産業に共通するような技術を研究したいみたいに聞こえるんです。それだったら筑波の世界じゃないか、ちょっとこう思っていますが、これをやりとりしてもしようがないので、先に進みたいと思います。
もう一つお聞きしたいのは、審査委員。
先ほど来の答弁の中では、学識経験者、そして役所の方になるんだろうと思っていますけれども、それ以外にあるのかというと、民間企業の人間がここに参画できるのかということと、日本の場合、いつも問題になることですけれども、ある技術を持った民間企業というのが複数社ありますので、どこかを代表に出すと、そこに情報が漏れるんではないかとか、特別に優遇されるんではないかということで、結局、民間は入れずに、公平公正を保つということで、どうしても学者と役人ばかりになってしまう。その結果、先ほど言いました実需だとか、そういう現場の取引からかけ離れて、何かいい技術をただただ追い求めていって、実際の大手メーカー等のニーズからはかけ離れたものを求めていく、こういうことを恐れるわけですけれども、審査委員の選定方法・基準、そして、今言った民間企業の委員が入っていくのかどうか、その辺についてお答え願います。

○望月政府参考人 例えば、これは金型なんかのケースでございますけれども、先生おっしゃいますように、一番中立的な方は、この場合は大学の先生でございます。大学の先生も今や産学連携とかいろいろやっておられますから、そういう意味で、現場について十分御理解になった上で御見識を示していただけると思いますけれども、大学の先生。それから、金型なんかの場合には、ユーザーの企業の方々、この方々が民間企業としては入られます。それから、つくる方の企業の方々で申し上げれば、どちらかというと、今や個別の企業は卒業したけれども、地方自治体の関係のものづくりセンターのような、そういう中小企業を支援するようなお立場に立つようなところで活躍しておられる、言ってみれば企業のOB人材の方々というような方々を中心として構成をするというのが実際の場合のつくり方ではないかと思っております。
いずれにしても、この方々の名前はもちろん公開をされますし、そうなったときに、しかるべき納得性のある権威ある方がおられなければ、この選定についての公平性、公正性は疑われるということでございますので、非常に慎重に今有為の方々を選んでいるということでございます。

○吉良委員 この種の話というのは審査委員にだれを選ぶかという時点で方向性が決まる場合もよくありますので、繰り返しますけれども、本当に、現場の声がよりよく反映されるような選定をお願いしたいと思っています。
あと、質問なりお願いになるかもしれませんけれども、一つは、先ほども言ったように、私自身も何回読んでもなかなかイメージがわかないという意味で、この法律と具体的な施策についての広報戦略といいますか、周知徹底というもの、これが非常に大事になると思うんです。その辺についてどうされるのか、その辺についてのことが一点。
それから二番目として、出会いサイトと言っていますけれども、交流の場。これは先ほどの答弁の中ではフォーラムだとか逆見本市でソフト面を重視したいというような話がございました。
私がやはり心配していますのは、結局、いつもこの種のことをやるときに、やれフォーラムだシンポジウムだ何だとやって、そこで名刺交換が行われて、何となく交流ができました、これでお茶を濁されるということがよくあるので、これでは本当の生きた交流にはならないと思っています。
そういう意味で、今、あるメーカーのOBの方の活用というようなことをおっしゃいましたけれども、まさに中小企業、それから大手の企業、また商社等々、その方々のOBなりを例えばプールして、その方々との出会いの場をつくって、その方々をいわばスカウトできるような場、そして、今回の予算措置ではないんでしょうけれども、将来的には、例えばそういう人たちの就職の際に、中小企業がプラスアルファ、インセンティブを払えるような支援、そういうようなことを考え、やってもらいたいと私は思っているんですが、その二点についてお答えをいただけますか。

○望月政府参考人 私どもの中小企業政策の広報下手というのは、この委員会でも二年ほど前に徹底的に追及していただきまして、例えばその当時につくっていたパンフレットが、これは私ども三十種類ぐらいあるわけでございますけれども、全部その時点でつくり直して、それで、人が読む気になるパンフレットにするという原点からつくり直して、今、そういう意味では一通りの試練を経た後の資料でございますので、また後ほどお届けしますけれども、少し見る気になる資料になっているかなということから始まりまして、広報について、きちっといい広報素材をつくるということと、それからいい広報ルート、つまり中小企業の方々が自然に行くところはどこだろうかと。
先ほど来ありましたけれども、一番行かれるのはやはり金融機関でございます。政府系金融機関とか信金とか地銀とか、そういうところをフルに活用して広報するとかいうことを含めて、広報については相当工夫を始めているところでございますけれども、なかなかその効果はそう一朝一夕に上がるわけではございませんので、日々また訓練をしていきたいと思っておりますが、御指導賜りたいと思っております。
それから、そのあらわれみたいなところでありますけれども、実は先生が今おっしゃったOB人材の話は、私ども、これは非常に、今も大切ですし、これからまさに二〇〇七年問題を迎えるに当たって大変重要だと思っておりまして、三年ほど前から大企業のOB人材の中小企業への活用というものを考えて、商工会議所のデータベースに御本人から全部登録していただきまして、今約四千名ぐらいの大企業のOBの方々が登録されておりまして、どういう能力があって、どういうことだったらできるというようなことがデータベースに入っております。
中小企業の方々はそこへアクセスをして、自分の欲しい人材にマッチする人がいたら、そこでマッチングのお手伝いを商工会議所がするということを今やっておりまして、約四千人ぐらいの人が登録されて、既に千数百件についてマッチングが行われつつございます。
これなども割と盛大にやっているわけで、最近私も気がついたんですが、今、東横線の電車の中のあれでやっておりますけれども、そういうことで、広報をもっとしていかないといけないということでございます。
そんなことを含めて、中小企業にとっては大企業のOBの方々というのは、何のあれもないOBの方かもしれませんけれども、物すごい人材であるということは自覚をしておりますので、何とか上手に活用をしていただきたいと思っております。

○吉良委員 OB活用について、もう一つの視点で、熟練工の海外貢献ということについて簡単に提案をさせてもらいたいと思っています。
ものづくり白書というか、この法律の背景になった危機感として、日本は今、上がっている日本を支える技術というもののおかげで成り立っている、これの海外流出を防ぎたいと。製造技術のノウハウの海外流出を回避するということも大事なんですが、一方で、日本が発展を続けていくためには、やはりアジア、世界と共存共栄していかなきゃいけない。
こういう中で、私は実は、自分の地元、大分ですけれども、そこの工場出身のOBの方々によく言うのは、私も商社なんかにいた割には英語はむちゃくちゃ下手ですが、皆さん方もほんの片言でいいから英語を勉強してくださいという話をするんです。
実は、数年前、大分にある新日本製鉄の大分工場があるんですが、そこである工程の大トラブルが生じたことがありまして、大分工場というのはオートメーションの最先端を行っていますので、コンピューターであれやこれや探して何とか修正しようとしたんですけれども、結局直らずに、どうしたかというと、定年退職した人、または早期退職した日鉄のOBの熟練工の方全員に声をかけて呼んだら、もうあっという間に直ったというようなことがあるんです。
そういうふうなことがあって、私がよく言っているのは、例えば今、東南アジア、中国もそうですけれども、日本の十年前、二十年前、三十年前を追いかけながら経済発展をしている。日本というのは、中小企業が大事だと言っているもとになるんですが、非常に中間層が厚い。トップレベル、それから中間層が厚い。ただ、発展途上国というのは、一番トップはアメリカの大学院帰り、だけれども、その次はもう一挙にマニュアルどおりにしかできないという労働力ということになって、現場で即座に判断をして、そしてすぐに自分の経験を生かして対応できる、こういう人材が圧倒的に不足しているんですね。
そういう意味で、日本の現場で経験、ノウハウを積んだ方々を、今発展途上にあるそういう国にもぜひ活用していただく。彼らはノウハウと経験を持っていますので、もう英語なんか本当に片言でいいわけですよね。
そういう意味で、この中小企業に光をというのは、もちろん企業に光をですけれども、同時に、そこで働く人たちに光をというかやる気を、またプライドをということでありますので、その方々に、そういう自分の経験、ノウハウが評価され、尊敬されるんだ、こういうような場をぜひつくっていきたい、そのような施策を考えていただきたいと思いますが、二階大臣、いかがでしょうか。

○二階国務大臣 今議員御指摘のようなことを、私もかねてシンガポールのチャンギ空港の建設ができ上がったころに伺ったことがあるんですが、その当時、いろいろな関係者のお話を聞いておりますと、日本の技術に支えられている点が多いと。
そこで、技術者の皆さんの言葉の障壁はどうであるかということも伺ったわけでありますが、ネクタイの人よりも技術の人の方が言葉は早い、そして、言葉の要らない技術交流というのがあって、しかも具体的なことであるだけに意思の疎通が非常にスムースにいっておる、ですから、そんなことは心配ないと。日本の技術者の方が給料は断然高いわけだけれども、それでも二倍、三倍の効果があるから、かえって日本の人に来ていただく方がいいんだと、両方の側から、シンガポールの方で雇っておる方からも、日本の方からもそんな声を聞きまして、なるほどということを思ったことがあります。
今議員御指摘のようなことで、日本のリタイアをされておる技術職の方の持っておる経験、これはやはりある意味では、今までは何々製鉄、何々自動車、何々産業というところの財産であったかもしれませんが、OBとなって一般の社会へ出られますと日本国全体の宝物でもあるわけですね。この宝物をどう生かすかというのは、これからの日本が躍進していくためのヒントであろうと思っています。 というのは、学校においても、こうした皆さんから直接授業を受けることができるようなことになれば、小学校、中学校、高等学校を問わず、理科教育、技術教育に対して子供たちが目を輝かせるのではないかと思うことがしばしばであります。そして、他の国々では既に、学校は社会のために、社会は学校のためにということで、お互いに門戸を開き合って相互乗り入れができておるわけでありますから、日本ももっとその点をスムースにして対応していきたい。
今、しばしば私は、文部科学大臣と機会あるごとに、私たちは国立高専に期待するところが大きい、同時に工業高等学校にも多くの期待を寄せている。ですから、我々経済産業省が、聞きようによってはのりを越えて言っておるのではないかと思われることがあるかもしれないが、そういう教育の本質に我々は触れるつもりはないが、その技術力を日本の国の産業に生かしたい。
そして、世の中に、卒業してからニートだ何だといってぶらぶらしているような人たち、こういう人たちは、働く場所また働く道を選ぶ選び方によっては幾らでも輝く未来があるわけですから、そうした面でも、こういう国立高専、工業高校等を活用させていただきたいということを我々は謙虚にお願いをしておるわけでありますが、ともに力を合わせようということを約束し合っているところであります。

○吉良委員 ありがとうございました。
本当に、諸外国から見れば日本の熟練工というのは宝の宝庫でありますので、ぜひこれを生かすということを官民挙げてやっていきたいというふうに思っています。s
時間がなくなってきたんですが、私は、この経済産業委員会での自分としての一つの大きなテーマが経済安全保障というものでありまして、十月にも質問をさせてもらったんです。きょうはちょっと時間がなくなってきたので細かに突っ込めないのですが、最近注目を浴び始めた原子力技術といいますか、原子力の平和利用の海外展開ということをちょっとお話しさせてもらいたいと思っています。
経済安全保障、特に、日本はエネルギー資源の安定確保というものが日本を支える根幹だと思っています。特に、原子力という環境に優しく、かつ原子力発電が行われることによって既存の化石燃料の消費を減らせる、これは、結果的にはエネルギー資源、原材料の価格を低位安定化させて日本の国際競争力が保てる、このように思っているわけであります。
そういう意味で、最近は、アメリカも原子力の見直しを始めていますし、お隣の中国でも新しい原発計画がたくさんある。そういう中で、次回以降もっと詳しく突っ込みたいと思いますが、きょうは中国の原発計画に対する日本の関与ということで大臣の御所見をお伺いしたいんです。
中国が今、三十基ほどの新しい建設計画を持っている、具体的に日本企業も参画を表明しているプロジェクトもございます。そういう中で、日本は、ぜひ政府も全面的に支援して中国の原子力発電所を受注していく、このことを官民挙げて追求していかなければならないと思っています。
その理由の一つは、今申し上げましたように、今のエネルギー資源の高騰というのは、中国を中心として、BRICsの資源の爆食にあるということが一つ。そして、ウクライナのチェルノブイリ、中国において中国版チェルノブイリが起こって困るのは日本である、そういう意味での安全の問題。
それから、アメリカもそうですけれども、ここしばらく原子力発電所計画というのはなかったこともあって、日本の原子力に携わる高いレベルの技術者もそうですし、現場の技術者もそうですけれども、なかなか実践経験がなくなっているということがございまして、二〇三〇年に既存の原発がリプレースされていくことを考えますと、今のうちにその技術の伝承というものをやっていかなければいけない。
そのときに、今言いました、日本の国益のために資源を安定させる、そして日本の安全を図っていく、そして技術の伝承をしていくという意味で、中国における原子力発電所を日本が受注していく、これは非常に大事なことだと思っていますけれども、その辺についての政府の御見解をお願いしたいと思います。

○安達政府参考人 お答え申し上げます。
原子力発電導入の拡大期にある中国とかそういった国に対しましては、核不拡散や安全確保を大前提に、我が国原子力産業の参画を最大限支持する姿勢を政府が表明するのに加えまして、安全面、人材面での協力や資金面での支援を行っていきたいと考えてございます。
委員御指摘の中国におきましては、二〇三〇年には石油依存度が八〇%に迫ると予想される一方で、一年でメキシコやスペインの電力需要を超える需要が増加しております。こうしたエネルギー需給逼迫に対処するため、原子力発電を中国では、現在の九基から、二〇二〇年までに新たに二十基から三十基程度建設する予定でございます。
こうした中国の原子力発電の健全な発展に資するためには、我が国原子力産業が中国の原子力発電所の建設事業に参画することを通じまして、我が国の安全で信頼性の高い原子力技術が中国で最大限活用されることが有意義であると考えてございます。
経済産業省といたしましては、こうした我が国原子力産業の進出に対し、貿易保険等を活用した資金面での支援を行っていくのに加えまして、中国の運転管理者向けの研修事業や中国の規制機関向けの研修事業を行う等、原子力安全に資する人材育成の協力を進めてまいる所存でございます。

○吉良委員 時間がなくなりましたので、ちょっとこれ以上は突っ込めないんですけれども、先ほど言いました経済安全保障とエネルギー安全保障という観点から、このエネルギー政策については、本当に、過度に米国におもねることもなく、日本として、まさに原子力そのものが今後エネルギー源の主力になっていくと思っていますので、日本の技術それから運転、ノウハウを、世界のデファクトスタンダードにしていくというような気概でエネルギー政策を追求していただきたいということを申し上げて、私のきょうの質問を終わらせていただきます。

○石田委員長 次に、三谷光男君。

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