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国会発言録

No.012 164回国会「衆議院 経済産業委員会 14号」  2006年04月21日


⑥平成18年4月21日 経済産業委員会
○石田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉良州司君。

○吉良委員 おはようございます。民主党の吉良州司でございます。
 きょうは、議題となりました経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案、このことについてもろもろ、確認も含めて質問をさせていただきたいとは思っておりますが、二階大臣が途中から参議院の方に向かわれるということをお聞きしておりますので、この法律案のもととなっておりますEPA、FTAに関する政府の方針について、まず質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、私の理解としまして、日本としてはもともとは、WTOまたラウンド交渉等、多国間の連携といいますかシステム形成ということを重視してきたわけでありますけれども、FTA、EPAという二国間または地域間、地域内の経済連携の強化という世界的な流れを受けて、日本としても二国間または地域との連携を深めてきている。その中で、シンガポールであり、メキシコであり、そして、このたびマレーシアとのEPAが結ばれた、このように了解をしております。
 シンガポールにつきましては、お互いが貿易立国また通商立国でありますので、大きな障害がなかったと思いますけれども、メキシコについて、そしてマレーシアにつきましては、国内産業を守るという観点でも難しい問題があったにもかかわらず、このような締結にこぎつけたということは高く評価しております。
 特に、マレーシアにつきましては、実は、私が商社に勤めていたときの、本当に一からイロハを教えてくれた大先輩が十年マレーシアに駐在をしておるわけですけれども、このたびの日本・マレーシアのEPAの交渉締結におきましては、特に通産省出身のアタッシェの方が中心になって、現地の進出日本企業の声も本当に丁寧に時間をかけて聞いて、ほとんどそれらの要望も組み入れた形の協定になっているということで、現地の方からも高い高い評価をしておりましたので、そのことについては本当に敬意を表する次第であります。
 ただ、一方で、言い方は悪いですけれども、先ほど言いましたメキシコ、マレーシアも、国内産業保護という観点で障壁があった、それを乗り越えて締結したということはあるんですけれども、それでもまだ交渉しやすい、締結が比較的容易にできるところから交渉が進み、または締結されているというように思っております。
 そういう中で、政府としても、最近、新エネルギー戦略というものを策定されて、資源を豊富に持つ国とのFTA、EPAをより強化していこう、こういう方針が出されているというふうに聞いております。
 そこで、まず最初に二階大臣にお尋ねいたしますけれども、新エネルギー戦略の中で、対外的な資源獲得、日本から見ればエネルギーの安全保障、資源獲得の安全保障、そういう観点で、どういうところに力を入れておられるのか、それをまずお聞きしたいと思います。

○二階国務大臣 実は、きょう午後、国会のお許しをいただいて、私は、二十二、二十三と開かれます、これはカタールのドーハでございますが、七十カ国のエネルギー担当閣僚が集まる、議員も御承知のとおりの、産油国と消費国、産消対話とも言われておりますが、この会議が持たれるわけであります。
 私ども、今日、原油の高騰によって、すべての国民がこのことに頭を悩ませておる現状でございます。そしてまた、振り返って、第一次オイルショックから考えてみますと、オイルがむやみに上昇することが果たして産油国の継続的な発展につながるかどうかということを一つ考えなくてはなりませんが、同時にまた、我々の側も、原油は安ければ安いほどいいということであって、産油国が今後の開発に対して意欲と資金的な問題を解決できるかという課題を抱えておると思います。
 したがいまして、私ども、まさに産消対話によって努力をしていくこと、これが大変重要なことであるわけでありますが、同時に、それぞれの国は、日本に対していろいろな希望、期待を持っております。例えば、教育の問題でもっと協力してもらいたい、航空機の乗り入れをさせてもらいたい、そういう個々別々の意見、関心事があるわけでありまして、先ほど議員からも御指摘のありましたように、EPA、FTAという大ぐくりで交渉していくことが第一義的には大事なことでありますが、同時に、個々の交渉、バイの会談といいますか、そうしたことも綿密にやっていかなくてはならない。
 そういう意味で、私どもの出先を初め、外務省はもとより、関係省庁が力を合わせて、その国のために何ができるかということを真剣に、しかも親切に協議し、協力をしていかなくてはならないと思っております。
 大分で出発いたしました一村一品運動も、今やアジアにこの方式が転化され、アジアからさらに、私たちは、アフリカに向かってこの方式を導入していただくように呼びかけておるわけでありますが、最近、各地が非常に熱心になってまいりました。そして、一つの見本として、国民の皆さんにもこのことを理解していただく。
 我々は、自分だけ満足な生活が送れればいいのかというと、議員も御承知のとおり、世界に十一億以上の一日一ドル以下で生活している人たちのことを思えば、貿易、外交を通じて、やはり相手の国の生活の向上、民生の安定に寄与できるところはやはり積極的にやっていかなくてはならない。
 その中において、日本がのどから手が出るほど欲しいエネルギー源といいますか石油資源等につきまして、私たちは積極的なエネルギー外交を展開していく。それがこれから、私ども新エネルギー戦略と申しておりますが、こうしたことに対して、転ばぬ先のつえではありませんが、最初の第一次オイルショックのときの国を挙げての慌てぶりから考えますと、今こそ真剣な、しかも慎重な対応が必要ではないかと思っておる次第であります。

○吉良委員 今、のどから手が出るほどというような表現でエネルギー確保の必要性について大臣から答弁いただいたわけでありますけれども、先ほど言いましたように、見方によっては比較的交渉が容易なところから進んでいるという中で、資源大国とのFTA、EPAの取り組み、正直言って、優先順位を明確にしてそういう資源大国とのEPA、FTAを促進していく、それも時間に猶予がないという覚悟を持って臨んでいただきたいというふうに思っています。
 詳細、この後、資料も見ていただきながら私の問題意識を提示したいと思っております。
 今回の原油高騰、もちろん、私が言うまでもなく、すべての人の共通認識でありますけれども、中国を中心とする資源エネルギーの爆食というのが背景にあって、特にBRICs諸国についてはエネルギーの効率もよくないというような状況で、そういう意味で、環境面それから省エネ技術の提供といった意味でも、日本が積極的に指導的立場に立たなければいけないと思っておるのです。
 先ほど言いましたように、優先順位を明確にして資源大国とのEPAを促進する必要がある。それは、中国が世界じゅうの資源供給源という供給源をある意味では買いあさっている、手を打ちまくっている、こういう状況なんです。
 私、商社におりまして、私の専門は電力プラントとか電力事業というのを海外で展開するものだったんです。同じ本部にエネルギー化学プラント部というのがありまして、またその隣に、やはりエネルギー、いわゆる石油だとかそういう天然資源の輸入部隊がいたわけです。戦略会議を開くときというのは、大きな世界地図を張りまして、そこによくピンで、我々政治家だったらここで集会をやったとかいって自分の選挙区でピンを押して立てているわけですけれども、そういうエネルギーの部隊それからエネルギー化学プラント部隊の世界地図には、世界のどこで原油がとれるんだ、埋蔵量を示す部分、それから実際にもう生産をしているピン、それから天然ガスがどこにある、それから回廊と言うんですけれども、油だとか天然ガスがどういう輸送路で消費国に送られているんだ、そういうようなピンがずっと立っているわけですね。
 お手元の資料をざあっと国だけでも見ていっていただければありがたいんですけれども、実は、ここに載っている国々というのは、今言った世界の中での油だ、天然ガスだ、そのほか鉄鉱石だ、そういう重要天然資源があるところは、ピンが集中しているわけですけれども、そういうところにほとんどすべて手を打っているわけなんです。
 そこには、申しわけありませんでしたが、CNPCとか横文字で出ておりますけれども、中国石油天然ガス集団公司というのがCNPC、Sinopecというのは中国石油化工集団公司、CNOOCというのは中国海洋石油総公司というような、中国政府が意思決定権を持っている、そういう会社であります。
 こういう、国そのものが資源を確保するための手を打ち尽くしている。権益取得のみならず、インフラに当たりますパイプラインですとかその辺につきましても、もう既に手を打っているというのが現状であります。
 それから、ちょっとお断りしておきますけれども、この資料、出典元を書いておりませんでしたが、JBICの資料をベースにして、ちょっとこの委員会用にまとめ直したものであります。
 例えば、きょうは担当の方がいらっしゃらないということもあり、また、先日私ども、野田委員が追及したことでありますけれども、イランのアザデガンにつきましても、もともと日本が種をまいて一生懸命肥料をやって育てているけれども、ここに来て、対米との関係配慮の問題があってなかなか前に進めない。ところが中国は、その隣でヤダバラン油田というものにもうしっかりと手を打っているし、同時に、もしアザデガンについて日本として断念せざるを得ないような状況になったならば、先ほど言いました、日本が種を植え肥料を上げ育てたにもかかわらず、中国は後ろで茶わんとおはしを持ってじっと待っているわけですね。こういうような状況が世界の至るところで展開されている。
 こういうようなところを見ると、日本としても一刻も猶予はならない、このように考えておるわけですけれども、政府として、EPAの重点、優先順位を資源国との締結に置く、その辺についての御方針、それから実際に今どういう交渉をやられているのか、その辺についてお聞きしたいと思います。

○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 吉良先生からただいま御指摘ございましたけれども、経済連携促進関係閣僚会議、一昨年十二月になりますけれども、今後の経済連携協定の推進につきましての基本方針というものを関係大臣、経済産業大臣も含めまして決めております。
 その中で、基準ということを特に明記いたしまして、この基準を十分踏まえるということでございます。交渉相手国・地域の決定に関する基準ということでございますけれども、重要な点が幾つか挙がっておりますが、その中で、我が国への資源の安定的輸入、資源の輸入先の多元化に資するか否か、こういう点を考えて、我が国全体の経済利益の確保というようなことに資するという点を交渉相手国及び地域の決定に関する基準として明記をして決定していただいているところでございます。
 具体的な交渉におきましても、我が国に対しまして銅鉱石の大変多くを供給しておりますチリ、これにつきましては既に交渉を開始しておりますし、それから、近々でございますけれども、GCC六カ国とのFTAの交渉というものに早く入れるようにということで、大臣及び官邸から御指示をいただいております。
 それから、まだ交渉中でございますので、国名はあえて明示いたしませんけれども、アジアの国々との間では、いわゆるFTAではなくて、経済協力、技術協力、こういった経済面での協力を広く視野に置きまして、経済連携協定、こういうような形で進めておりますので、その協力の項目の中に、エネルギー、こういったものも含めまして、経済関係全般の中にエネルギーの重点ということを視野に置いて進めているところでございます。

○吉良委員 質問通告の中には今から申し上げるほどの細かいことを通知はしていないんですけれども、今、銅鉱山といいますか、銅の関係でチリということが言われましたけれども、先ほど言いましたように、やりやすいところからやっているというように思われてしようがないんです。チリは確かに、銅鉱山というか銅の輸出先、我々から見れば輸入先として大変重要な国ではありますけれども、ブラジルとの話が全然進んでいないという状況にあります。
 先ほどお配りした資料の中にも、ブラジルで、ごらんいただければわかりますとおり、中国は、ブラジルの石油公社でありますペトロブラスと相当な提携関係が進んでいる。一昨年十一月に、胡錦濤首席以下中国の首脳がブラジルに入り、油関係のみならず、御承知のとおり、リオドセという世界最大の鉄鉱石供給会社とも、投資とこれからの協力関係について合意がなされているわけであります。
 リオドセについては、リオドセが民営化される際に、三井物産が、一〇%だったと思いますけれども、株を取得しており、日本の意向がある意味で反映されるようにはなっていますけれども、中国は、先ほど言いました、国がかりで押さえてきておりますので、正直言っておくれをとってしまうんではないかと非常に危惧をしております。
 その危惧というのは二点ございます。
 一つは、これはちょっと言葉として言いづらいんですけれども、御承知のとおり、南米は、ルーラ大統領というのは、もともと中道左派というか左派政権であります。ベネズエラしかり、それからチリも、最近、中道左派の政権が誕生いたしました。それから、ボリビアもしかりであります。そういう意味で、もともとの政権の成り立ちそのものが中国とくっつきやすいという状況にあるわけですね。ということで、ますます中国が、今の政権の間に中南米という資源供給国としっかり手を結ぶ可能性があるというのが一つ。
 それから、先ほどブラジルのリオドセという話をさせてもらいましたけれども、日本の高い技術というようなことをよく言われていますけれども、経産関係の人には申し上げるまでもなく、非常に質の高い素材をつくっている。特に、鉄鋼の製品につきましては非常に質が高い。そこが全産業にわたる競争力を持たせている。こういう側面がある中で、昨年以来、日本の鉄鋼メーカーもリオドセとの交渉で非常に苦労しております。鉄鉱石の価格がぐっと上がっている。
 この先、私が恐れるのは、今言いました、買い手である日本、その売り先そのものが中国の傘下におさまってしまう、こういうリスクであります。
 先ほどインフラ整備という話をしましたけれども、日本の千代田化工さんだとか東洋エンジニアリングだとか、そういうプラントメーカーだとか商社だとか、その辺はガスパイプラインの受注とかをしております、今はできておりますけれども。これが、だんだん発注元そのものが中国になっていってしまう。そうすると、だんだんそういうビジネスチャンスまで中国に奪われていってしまう。このような危惧を抱くわけであります。
 そういう意味で、一刻も早く、ブラジルも含めた、そういう資源国との提携関係を急がなければいけない、このように思っておりますけれども、大臣の御見解を聞きたいと思います。

○二階国務大臣 ブラジルが資源国として大変な底力を持っておるわけですから、重要な相手国であるということはもう申すまでもありません。
 また、環境面におきましても、ブラジルを初め、御承知のとおり、中国、アメリカ、インド、そうしたところが我々の念願とする京都議定書からすっぽり抜けておるような状況になっておるわけですから、ブラジルに対しても、先般来、私が就任してからもう既にブラジルのエネルギー担当大臣と三回お目にかかっております。この国会が終わったらぜひブラジルへ来てくれと言って、ブラジルへの招請も三回目ぐらいであります。
 議員も御承知のとおり、我々は、きょう先ほど申し上げました、エネルギー会議あるいは博鰲アジアフォーラムに出席を許されたわけでありますが、これは国会との関係が一番重要でありまして、エネルギー外交も極めて重要でありますが、国会開会中はなかなか外に出られないという縛られた関係にあるんです。これは議会として当然のことでありますが、私は、先ほどからのお話を伺いながら、エネルギー資源の担当官をしょっちゅう海外に派遣するなど、今も行っておりますが、もっと頻繁にやっていかなくてはならないと思っております。
 ブラジルの話の出たところでありますから、ブラジルはエタノールの日本への市場開発という意味で極めて熱心でございまして、先ほどお話に出ましたルーラ大統領と小泉総理との会談等におきましても熱心なお話がございました。
 また、私がWTOで、例えば香港なら香港へ出張中でも、三日滞在しておると見れば、ブラジルの閣僚が香港へやってくる。そして、何でこんな旅先まで来るかと聞くと、うちの大統領は日本との交渉を早くやれと、国会であるとかいろいろなパーティーで出くわすと、君はまだ日本へ行っていないのか、こう言われて、私はブラジルにおることができなくて、あなたを追っかけてやってきたというようなことから、ブラジルとの協議に取り組んでまいりましたが、エタノールの問題も順調に進んでおると申し上げて差しさわりありません。
 同時に、先般、資源問題とは異なるかもしれませんが、デジタルテレビの問題につきましての熱心な御要望がありました。これに対して日本方式でやるということを約束してもらいたいというのが日本側の主張であります。それは当然のことであります。三人の閣僚、外相、エネルギー相それから通信担当の三人の閣僚がお見えになっていましたが、これは大統領の権限であるから、我々がこの旅先で日本方式に決定しますと言うわけにはいかないということでありますし、その決定がなければ日本も融資その他において条件をのむわけにいかない、こう出るわけです。
 私は、先ほど来議員がお述べになりましたような資源エネルギーの問題もありますから、この問題は、単なる商談を片づけるようなそういうものではなくて、もっと戦略的にこの決着をつけなくてはならないということで、朝七時ごろから、彼らが帰国する日なんです、少し首うなだれて帰国する、そういう状況でありましたが、私は、これは手ぶらで帰国をさせてはならない、この話はやはりつけるべきだということで、関係閣僚と連携をとって、そして、最後の出発の前に、日本の外務大臣とアモリン外務大臣との間で調印にこぎつけたということもあります。そういう具体的な面で今着々と手を打っておるところであります。
 議員が言われるように、経済産業省が何もしていなくてぼんやりしていると。商社ほどしっかりはしていませんよ。商社ほど目が鋭いわけではない。しかし、我々は、エネルギーをお預かりする責任ある立場でこれからもこの問題にしっかりと対応していきたいと思っておりますから、与野党挙げてこれには御協力を、私の方から改めてお願いを申し上げておきたいと思います。

○吉良委員 与野党挙げてということで、経済安全保障といいますかエネルギー安全保障という意味では、これはまさに国益そのものでありますから、与野党はないと思っています。そういう意味で、国益をきっちり守るために、私もいろいろ提案をしていきたいというふうに思っています。
 ブラジルについて言いますと、私自身も住んでいたこともあり、先ほど言いました、中国がブラジルに出かけていっているということも確かでありますが、同時に、御承知のとおり、二〇〇四年には四百人もの経済界のトップを連れて中国に訪問をしている、政府、経済トップが中国を訪問しているという例もございます。それと、ブラジルには、パラナ州というのがサンパウロ州のちょっと下にございまして、そこは自動車産業の集積地であります。GMだとか、それからフォルクスワーゲンだとか、世界各国から工場が進出しているわけですけれども、そこから今、中国向けに対して、中国で小型車のノックダウンをしているということもあって、どんどん部品が輸出されております。
 そういう意味で、資源のみならず、ちょうど日本がマレーシアとの連携をすることによって日本・マレーシア間の自動車部品等がスムーズに貿易が行われると同じように、ブラジルも、資源プラスそういう部品の供給をスムーズにするという意味でますます経済連携の必要性を認識して、強めてくると思っています。だから、私は非常に恐れています。中国が先に結んでしまうと日本としては非常に困った状況になるというふうに思っておりますので、ぜひ、私は経産省がぼんやりしているとは思っておりませんが、大臣の強い政治指導のもとでより一層強化を進めていただきたい、このように思っております。
 あと、エネルギーに関連して一つ、原子力のことについてちょっと提案をしたいわけであります。
 先日、やはりこの質問に立ったときに、最後、本当にさわりだけで言わせてもらったことは、中国が今現在でも三十二基の新たな原子力発電所を建設しようとしている。日本にとって、中国の原子力発電所に協力をする、または日本の技術でもってつくっていくということは、日本の国家戦略上極めて重要だというふうに思っております。
 第一の理由は、中国が原子力発電所をふやすことによって、今現在、油だとか石炭だとか天然ガスでたいている、その化石燃料の消費を抑えることができる。それから、中国で何か原発事故が起こったときに被害をこうむるのは、チェルノブイリじゃないけれども、日本であるということ。それから、日本の今後の原子力のリプレースメントといいますかリニューアルにかかわる技術、そしてその技術者の、特にまた現場技術者の技術の伝承といいますか、これをやるためにも中国の原子力発電所建設に日本企業も積極的にかかわるべきだし、日本政府としてもそれを積極的に支援すべきだというふうに思っております。
 そういう意味では、中川経産大臣の時期ですか、中国に対して大臣書簡を提出されていますね。それから、JBICが支援の用意がありというインタレストレターを供給している、既に提出している、このように聞いておりますけれども、中国の原子力発電所の建設にかかわって、政府は今後どういう方針で臨もうとしているか、その辺についてお聞きしたいと思います。

○細野政府参考人 お答え申し上げます。
 今、委員の方から御指摘ございましたように、中国におけるエネルギー需要、なかんずく電力需要は大変な勢いで伸びております。もともと石油依存度が高いだけではございませんで、電力につきましても、日本でいいますと関西電力に相当するような需要が毎年増加する、国でいいますとメキシコとかスペインに当たるような、それぐらいのボリュームの電力需要が次々と生まれてくる、こんな状況でございます。
 先ほど御案内ございましたように、そんな状況を踏まえまして、中国におきましても原子力発電をやるべしということで、現在九基原発がございますけれども、今後二〇年ぐらいの間に二十基から三十基ぜひつくりたいということでございます。先ほど委員の方から御指摘のあったとおりでございます。
 我が国の方の対応でございますけれども、もちろん隣国でございますし、それから環境その他の問題もございます。したがいまして、中国がみずからの電力需要、あるいは、しこうして世界の電力需要にもかかわりますけれども、そういったものについての供給を安定的にするという意味では、中国自身が原子力発電の健全なる発展をしていただくということが非常に重要でございます。
 したがいまして、そういう観点から、先ほど御指摘がございましたように、日本の優秀なといいますか安全性の高い技術を活用して、ぜひ中国の建設事業が円滑にいくようにということで、いろいろ協力をさせていただきたいと思っております。
 そのための具体的なツールといたしましては、もちろんいろいろな、JBICあるいは貿易保険等の金融的な側面も重要でございますけれども、なかんずく運転管理あるいは安全面での支援というところが非常に重要かと思います。
 したがいまして、現在、これまでもそうでございますが、これからも中国の原子力発電所の建設及び運転について的確な規制がなされるように、あるいは運転がきっちりできるようにということで、人材面での協力をすべく、研修生の受け入れ等々でソフトの面でもいろいろ協力をしてまいりたいと思っております。

○二階国務大臣 ただいま経産省の取り組みについて申し上げたところでありますが、私は先般、中国の温家宝総理と二月二十二日でございましたか、北京でお目にかかりました際に、温家宝総理の方から、中国の大きなテーマである東北開発、西部大開発、さらに北京オリンピック、いわゆる上海万博、これについて、このプロジェクトを成功させるために日本側企業の参加を願いたい、こういうメッセージが示されたわけでありますが、こうした中にも、この原子力問題は当然含んでおるものと考えております。
 あわせて、この五月の末でありますが、中国と日本と、これは毎年毎年継続して開いていこうと思っているんですが、省エネルギーそして環境問題を大きなテーマとする日中間のフォーラムを開催しようということで、担当大臣もお見えになるということがほぼ固まってまいりました。
 私は、その場におきましても、省エネルギーということは、行き着くところ、やはりエネルギーの節約と同時に、原子力の問題に対して当面はこれを避けて通るわけにはいかない。そうすると、日中共同の問題として、このエネルギー問題イコール原子力問題について取り組んでいかなくてはならない。日本の今日まで持っております経験と知見を、中国の原子力政策に協力できるところは積極的に協力していく、こういう方向で臨んでいきたいと思っております。

○吉良委員 ありがとうございます。
 私自身、中国の原子力発電への日本の協力ということについて、具体的な二つの提案をさせていただきたいというふうに思っています。
 一つは、現時点でもそうですけれども、日本単独でいわゆるターンキーといいますか元請をするというのは、政治上のこともありましょうし、リスクの面からいっても非常に困難が伴うということで、実際、今、日本企業が応札しているのも米国企業と組んでやっているわけでありますけれども、やはり政府としても、対中国の原子力発電所への協力という意味で、米国政府と、それと、カナダは伝統的に中国のもろもろ発電関係の協力というのをずっと歴史的にやってきております。そういう意味で、米国政府とカナダ政府との連携を深めていく。具体的には、米国の輸出入銀行であるとか米国の投資庁、それからカナダのEDCという、やはり日本でいう輸出入銀行ですね、こことJBICとの連携を踏まえて、中国向けに出るときには、日本が表に出ずに、ある意味で米国なりカナダを押し出しながら、実のところを日本がとっていく、技術の伝承もしていく、そういうような連携が必要なのではないかということが一点。
 それから二点目は、御案内のとおり、今現在、世界銀行それからアジ銀、アジア開発銀行等も、原子力発電所建設には原則融資をしないことになっております。先日、世銀にも再確認をしてきました。ただ、それは、かつては原子力というとどうしても軍事転用の問題があって、政治、軍事の面からそういう金融機関が非常に手を出しづらかったということもあり、今のようにエネルギーの価格が逼迫している状況ではなかった、こういう背景がありますが、比較的、原子力の平和利用に限って言えば、エネルギーの消費を抑えていくという意味で、世界的に必要だという認識が高まっております。こういう時期に、世銀そのものもそういう原子力発電に対する借款供与を検討していく、そういう働きかけを日本政府自身がやっていく。世銀に対しても、日本はナンバーツーの拠出国でありますので、そういう発言権もあろうかと思っております。
 もう一つは、これも今、原子力は借款対象にはなりません、なっておりませんけれども、例えばOECDのもろもろの借款基準、それからJBICの、JBICといいますか、政府系の制度金融が縛られておりますOECDガイドライン、この辺も原子力発電所に対する支援については見直していこうではないかというような動きを日本が積極的にやるべきだというふうに私自身は思っております。
 今言った米国、カナダとの協力、それから国際機関への働きかけについて、政府としてどういう対応をしていくか、私のそういう提案に対するコメントを賜りたいと思います。

○二階国務大臣 吉良議員が今日までの第一線で御活躍いただいたエネルギー問題に関しての経験から今御指摘いただいた点は、大変参考になる意見だと思っております。
 世銀の総裁ともいろいろな会議で出会うこともありますから、今後、こうした問題について、あらかじめ我々の国の考え方を申し述べておきたいと思っております。また、JBICも、国際的にも大いに活躍をしようという意気込みを持っておられるし、それだけの実力を、経験を蓄えてきたわけですから、JBICの活用につきましても、ぜひ、私どももよく相談をしながら対応してまいりたいと思っております。
 私も、あす、曽慶紅副主席とバイの会談をさせていただくことに相なっておりますが、私は、そうした場において、どれほどの時間があるかわかりませんが、可能な限りエネルギー問題等について、また環境問題について突っ込んだ意見の交換をしておきたいというふうに思っております。それを五月の両国のフォーラムにつなげていきたいというふうに思っておる次第であります。
 原子力の問題に対応することは、やはり我々の念願とする京都議定書の問題ともつながるわけでありますし、日本の産業をこれから大きく発展させていくためには、我々の今日まで築き上げてきたこの日本の経験、知見を国際社会に貢献すると同時に、きれいな言葉で言うと貢献でありますが、やはり日本の産業を後押ししていくという意味からも、この原子力問題に対して新たな方針を打ち出し、積極的に対応していくということが大事であり、中国の環境の悪化がもしこれからも進むとすれば、やがてそれは、黄砂が日本の空に翌日飛んでくるような、こういう間柄でありますから、我々は相手の国のことだとか近所の国のことだとかいってのんきなことを言っておれない、自分の国のことと思って対応すべきときに来ておる、こう考えておる次第であります。

○吉良委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。全く問題意識を共有させてもらっております。
 今大臣からも御指摘ございましたように、日本は京都議定書のリーダーということで、環境面と省エネ、それから世界全体のエネルギー消費を抑えていく、そういう面でのリーダーとして、先ほど私、世銀とかOECDに対する働きかけと申し上げましたけれども、一つは、そういう世界の仕組みづくりについて日本が積極的に発言をしていくということと同時に、今大臣がおっしゃられた、やはり日本が持つ最先端の技術をそれこそ世界のデファクトスタンダードにしていく、そういう心意気で、官民一体となってこの分野については進めていくべきだということを申し上げて、いよいよこの法案の方に入らせていただきますので、大臣、では、どうぞ。
 続きまして、原産地証明発給手続にかかわる、この法案の具体的なことについて質問させていただきたいと思っています。今まで輸出者が原産地証明を申請し、指定機関が輸出者にということだったわけですけれども、今回、生産者が指定機関に対して提出できるというふうに変わりました。
 そこで、まずお聞きしたいのは、生産者自体が資料を提出できるようにした、そのように改定した背景ですね、具体的にどういう問題が生じていたからそのようにしたのか。または、よりよくするために、どういうメリットを期待して変更したのか。また、変更することによってのデメリットは生じないのか。この辺についてお伺いしたいと思います。

○石田政府参考人 ただいま先生御質問の点でございますけれども、現行法のもとにおきましても、輸出者が生産者でない場合に、コストの問題であるとか製造工程の問題であるとか、その原産性を確認するために生産者の協力が必要である場合は当然あったわけでございます。その場合には、まさに生産者に協力をしていただいて、発給申請の段階でそういったデータを提出していただくという形で対応してまいりました。
 今回の法律におきまして、具体的にそこを手当てさせていただきましたのは、例えば、製造工程なんかについて、やはりノウハウの問題とか企業秘密の問題等があって、輸出者にも知られたくないというような場合が当然あるわけでございまして、そういう場合に、生産者が直接発給機関に対してそういったデータを提出するということができるように、これを法律的に明示したというのが今回の改正の一つのポイントでございます。
 こうしたことによって、私ども、特に不都合が生ずるとは考えておりませんけれども、よりよい発給、さらに効率的な発給ができるのではないかというふうに考えております。

○吉良委員 この点については、もうちょっと突っ込みたい部分もありますけれども、今の答弁で了とさせていただきます。
 今回、全国の商工会議所が指定機関となるわけですけれども、これまでもこの実務は商工会議所がやってきておるとのことですが、商工会議所が引き続いて指定機関となることのメリットと、それからデメリットというのはないのか、この辺についてお伺いしたいと思います。

○石田政府参考人 現在、この日・メキシコあるいは日・マレーシアの協定におきまして、これは同じでございますけれども、この特恵原産地証明の発給主体というのは、権限のある政府当局あるいは権限のある政府当局が指定する団体ということに条約上規定をされております。
 メキシコなんかのときもそうだったわけでございますけれども、当初、先方は、やはり政府が直接これは発給主体になるべきだということを主張されまして、それに対して、私どもとして、民でできることはできるだけ民でという趣旨で交渉いたしました結果、この原産地証明の発給機関として信頼のおける団体を指定するという形で最終的な合意に至ったという経緯がございます。
 商工会議所は、戦前から既に各種の原産地証明書の発給業務を行ってきておりまして、昭和二十八年に制定されました商工会議所法におきましても、この原産地証明事業というのが一つの事業として法律上明記をされております。現実にも、例えば十六年度一年間とっても、日本の原産地証明書の約九六%、五十六万件を発給いたしております。そういった実績等あるいは体制等を勘案いたしまして、今回、マレーシア政府との間でも商工会議所を指定団体とするということで了解を得たものでございます。
 今の先生の御質問の中で、この商工会議所を指定し続けることで何かデメリットが起こり得るんじゃないかというような御指摘もございました。法律上は、他の団体を指定することについて別に排除をいたしているわけではございません。現状ではまだ、そういった体制を整え、あるいは発給事務をやりたいという団体がほかにあらわれていないということでございますけれども、将来、そういう団体が仮にあらわれれば、これは相手国の了解をとる必要がございますけれども、そういった団体を指定の対象とするということもまた検討してまいりたいと考えています。

○吉良委員 大きなデメリットはないんだろう、戦前からずっとやってきておることなので、そのように思っておるんですが。
 生産者の中には大手企業もあれば中小もあるということで、手数料を低減していく、ずっとその指定機関であり続けるということで、コスト削減、それが例えば手数料の低減につながっていくような、そういう努力が果たして行われるのか、このような疑問がちょっとあります。それよりも、もちろん経験が豊富なところがやった方が、結果的にはコストが低いんだろうと思っておりますけれども、今言ったように、本来、自分で出したいんだけれども、例えば輸出者が商社とかであれば、いろいろ、その辺どういうものを出すというようなことを輸出者に頼ったりするような、そういう中小もございますので、できるだけ中小企業の手間暇それからコストが抑えられるような仕組みが必要だなということを問題意識として提示させていただきます。
 実は、私は、これとは直接関係なくて、きょう厚生労働省の方がいらっしゃっていると思うんですけれども、この原産地証明書の発給手続とちょっと類似したことで、国というか政府に対してお願いしたいことがあって、残りの五分を使わせていただきたいと思っております。
 実は、私の地元に、農産物、特に生鮮野菜を輸入している会社があるんですけれども、その会社が、実は法令違反だということで企業名公表をされた経緯がございました。
 どういうことかといいますと、日本と韓国で、具体的にはパプリカという野菜ですけれども、その輸入に関して、ある一定の農薬の規制値というものを設定して、当然その規制値以下の残留農薬でなければいけない、そういう取り決めがあって、日本政府と韓国政府で、実は、生鮮品でありますから手続に三日も四日もかかっていてはどうしようもないということで、それを簡素化するために、韓国政府が農家を指定して、その農家というのは、きちんとその残留農薬の基準値を守ります、実際そういう実績がある、そういう農家を具体的に指定しまして、その指定された農家だけが輸出の生産者になり得るということで、私の地元の輸入業者は、その指定業者が輸出したものであるということで、そのまま輸入通関をしたところ、実は残留農薬が規制値よりも多かった、こういうことで社名公表をされて、その後、実被害をこうむっている、また風評被害をこうむっている。
 こういうことで、大きなクレームで、日本政府がその日本の輸入者を代表して韓国政府と協定を結び、きちっとその残留農薬の基準値を守るという前提で指定されたその生産者から輸入して、その取り決めを信じて輸入したにもかかわらず、そのときに基準値を超えている、それは輸入者の責任だ、こういうことでそれを罰する、こういうような対応があってもいいのか。こういう大きな憤りを私もぶつけられて、それはさもありなん、このように思ったわけですけれども、この辺についての経緯と、政府の現時点での見解をお聞きしたいと思います。

○松本政府参考人 先生今御指摘の韓国産のパプリカにつきましては、平成十五年四月、食品衛生法に基づく残留基準を超える有機燐系殺虫剤であるエトプロホスの検出事例が継続して確認されましたために、輸入時の検査を強化いたしまして、輸入の都度エトプロホスの検査を行うよう輸入者に命じることとしたわけであります。この輸入時検査を強化した場合には、この検査の結果が出るまで流通できないということになります。
 ちなみに、一般的なことを申し上げますと、今、日本は世界じゅうから食料を輸入しておりまして、件数としては平成十六年度で百七十八万件、量で三千四百二十八万トンほど輸入しております。その食品安全の観点から、検疫所におきましてサンプリング調査をして、そこで日本の基準に合わないものについては廃棄とか回収とか、食品衛生法に基づいてやっておりますけれども、それが継続するようなことになりますと、検査を強化して、命令検査ということになります。この韓国産のパプリカの場合もそのような措置をとらせていただいたわけです。
 その後、平成十五年十月に、韓国政府から、対策を講じた企業から出荷されるパプリカについて輸入の都度の検査を省略するよう要請があったということであります。これは、韓国政府がそういう業者を指導して、ちゃんと守らせる、日本の基準に合うようにさせるということで、その都度、輸入のたびに命令検査させることを、従来のとおり、サンプリング検査に戻してくれ、そういうことでございましたので、その韓国政府が認定した企業から輸出されるパプリカについて、輸入の都度の検査を免除するということに緩和、普通の状態に戻したということになります。
 同時に、厚生労働省といたしましては、韓国側の安全対策を検証するという観点から、従来からやっております検疫所におけるモニタリングの検査を行ってきたところであります。平成十五年十月からそういう形に戻しましたけれども、十六年はそういう違反はございませんでした。
 その結果、昨年十二月以降、エトプロホスと同様の有機燐系農薬であるクロルピリホス、そういう農薬の残留がありまして、それの違反が十二月に一件、ことしになりまして二件ということで、継続して確認されたものであります。
 輸入食品の安全確保につきましては食品安全法に定めておりますが、輸入者等の食品関連事業者が食品の安全性の確保について第一義的責任を有するとされているところでありまして、残留農薬基準に違反する食品の輸入事例におきまして、第一義的には安全性の確認を行う立場にある輸入者がみずからの責任において必要な措置を講ずるべきものというぐあいに考えております。

○吉良委員 ちょっと時間がなくなってきたので、これ、本当はもうちょっと突っ込みたいんですけれども。
 私が一つ申し上げたいのは、最終的に輸入者に責任があるんだということで、どこまで、さっき言いました、政府間の協定が結ばれて、韓国政府が責任を持って認定業者を指定する、その認定業者は日本の輸入基準をちゃんと満たしている、このことを信じているその輸入業者に最終的に責任を転嫁するのであれば、どっちみち最後は、責任を転嫁というか責任を求めるのであれば、そんなものなければ、私だったらですよ、自分が一から十まで、輸入するのであれば、全部責任を持ってやりますよ。現地に乗り込んでいって、そこで、輸出前に、本当に基準を満たしているのかやりますけれども、政府がそういう形で、韓国政府の名において認定したところは日本の基準を守っていますと言うから、信じて輸入しているわけです。
 だから、それを、いや、食品安全法上は輸入者の責任だと書いてあるから輸入者なんだ、こういう問題がまず第一点。これを政府が主張するということの問題点が一つ。
 それから二つ目は、経緯を聞きますと、韓国政府自体も韓国政府の非を認めているということなんです。自分たちが指導監督して認定をした農家であるにもかかわらず、そこが基準値をオーバーしていたと。韓国政府が非を認めているにもかかわらず、なぜいきなり日本の輸入業者をそういう実名公表等でいきなりペナルティーを科さなければいけないのか。この点はどうなんですか。

○松本政府参考人 食品の輸入にかかわる一般的なことを申し上げますと、二国間で、輸出国と輸入国がありますけれども、基本的には輸出国政府が、輸入国、日本の基準を守らせるということに責任があるということで、それが原則であります。ですから、そういう食品を輸入するときも、日本国がきちっと守らせるように業者を指導するというのが役割であります。
 ですから、今回の場合に、そのパプリカについては、韓国政府がきちっと業者を指導していなかったということについては韓国政府が、それを認めたのかどうかはちょっと存じておりませんけれども……(吉良委員「認めたんです」と呼ぶ)そうであれば、韓国政府がそういうふうに認めたんだと思います。
 いずれにしましても、食品衛生法、韓国から輸入されるパプリカの輸入の検査等の取り扱い、あるいはそれ以外にもいろいろございますけれども、その内容等につきましては、その都度検疫所長あてに通知いたしまして、輸入者等に周知を図るとともに、厚生労働省のホームページにおいて公表しているところであります。
 ですから、輸入業者につきましても、食品衛生法にきちっとのっとってやっていただくというのが原則であります。

○吉良委員 一つは、繰り返しになるけれども、韓国政府自体が自分の責任であると認めているんです。これは、同じ部局の人がきちんとそれを認めているんです、前回私がヒアリングしたときに。相手に責任があるというのを認めていながらなぜ、食品安全法上は輸入者に責任があるとは書いていても、その今言った輸入者の手続的なもろもろの負担を軽減してくれる、政府から見れば、おれに任せておけ、おれが韓国政府と渡り合って、きちっと安全なもの、基準を満たしているものを輸入するように韓国政府と渡り合うから信じてくれ、こう言って、それで信じている、それで、輸入したら間違っていた、おまえの責任だと。こんなばかな話があるかということが一つですね。
 それから、その輸入者は、今言った、韓国政府と日本政府がそういう取り決めをしたということで、そのまま輸入して大丈夫なんだというふうにもう思ってしまったわけです。仮に、食品安全法上、第一義責任は輸入者にあるとどうしても言い張るのであれば、その辺の周知徹底というのがどこまでなされていたんだ。そういう、政府を信じた自分がばかだったということが現実に起こっているわけですよ。 では、これ、お答え願います。

○松本政府参考人 まず、議員、協定協定とおっしゃいますが、協定を結んでいるわけではありません。それと、厚生労働省は食品衛生法に基づく取り締まりというものを所管しておりまして、輸入食品の監視指導等を実施して、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということを通じまして、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止をもって国民の健康の保護を図るべきものと考えております。
 本件につきましては、厚生労働省といたしましては、韓国政府の責任により対策を講じた企業のパプリカについて、輸入の都度の検査にかえて、輸入時のモニタリング検査により韓国側の対策の検証を行い、その結果に基づく検査強化など、食品の安全性を確保するための必要な措置を講じたものでございまして、その責務を果たしているものと考えております。

○吉良委員 協定は存在しませんと言いますけれども、一方で、先ほど、韓国政府が認定した農家があるということを認めたわけでしょう。協定の中身はどうでもいい、まあ、どうでもいいという言い方はないけれども、実態的に、日本政府と韓国政府が話し合いをして、韓国政府が日本の輸入基準を満たすという農家を認定して、そこからのものを輸入する際には手続を簡素化する、これが実態的に交渉の中で認められているわけですよ、確認されているわけです。協定の、どういう効力を持つ協定かわかりません、しかし、それが実際に韓国政府によって認定され指導されているわけですから、そこを、協定がないなんというようなことを言うのはおかしいじゃないですか。
 もう次の時間がありますので、この件は引き続いて次回取り上げさせていただきたいということを申し上げて、きょうはこの質問を終わります。

○石田委員長 次に、近藤洋介君。


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