No.013 164回国会「衆議院 経済産業委員会 17号」 2006年05月17日
⑦平成18年5月17日 経済産業委員会 ○石田委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 おはようございます。民主党の吉良州司でございます。 きょうは、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案という法のかなり大まかなところについての考え方をお聞きすることと、それから、時間がありませば、私自身の一つの国会議員としてのライフワークだとも思っております経済安全保障、特に原料、資源、エネルギーの安定確保、この二つのテーマで質問をさせていただこうというふうに思っております。 まず、提出された法案については、私自身も、方向性としては異論が基本的にはない。昨日も私ども民主党は、証券取引法に絡んで、日本版のSECをつくるべしということを再度提出いたしまして、自由な経済活動、競争、そういうものは、同時に、ここでも言われているある種の規律強化の必要性、またガバナンス充実の必要性、このことは十分理解をしておるつもりであります。そういう意味で、方向性として大きく異を唱えるものではないんですけれども、それを前提に、あえてちょっとそもそも論をお聞きしたいと思っておるんです。 まず、今、政府としての中小企業政策の理念を、以前の大企業と中小企業の格差の是正という観点から、多様で活力ある中小企業の育成、発展というふうにある意味で理念を変えてきた、こういう背景がございますけれども、今回の法改正は、先ほど言いました規律の強化、ガバナンス充実の促進、こういう側面を持っておるわけであります。これが、多様で活力ある中小企業の育成、発展という、自由な経済活動をやってもらうということと相反する部分もあるんではないか。 私、常々、いろいろな不祥事が発生したときの対応について見ておりますと、わかりやすく例を言いますと、例えば百人のお医者さんがいて、その中で五人だけ悪徳医師というんですか、余計な治療をして、稼ぐために余計な医療を施そうとするようなお医者さんがいらっしゃる。九十五人は非常にまじめに、できるだけ負担をかけまい、それでいていい治療をしよう、こう思っていても、例えば五人の悪徳医師というのが出てきたときに、その五人をどうするかということではなくて、百人全員の手足を縛って、それでその五人を出さないようにしようとする。こういう規制が、ある意味で、善良なといいますか性善説に立った方々の手足を縛ることになるんではないか。 そういう意味で、今回の提案の背景が、一部いろいろな形での不祥事が起こっている、規律の必要性というのが出てきている、これはわかるんですけれども、今申し上げました中小企業の新しい理念、多様で活力ある中小企業の育成、発展、そのためにできるだけ自由に活動させるということと今回の規制強化ということとの整合性についてどう考えておられるか、二階大臣の御見解を賜りたいと思います。
○二階国務大臣 中小企業組合は、御承知のとおり、昭和二十四年の法制定以来、相互扶助の精神で中小企業が連携して事業を行うという組織として今日まで活動してまいりましたことを政府として後押ししてきた、こういう関係であります。大企業と中小企業の格差是正を目的に、同業種の中小企業者を組織化し、共同購入、共同生産、共同販売等が活発に行われるように期待をしてまいりました。 近年、異業種を含め、中小企業者がそれぞれ強みを持ち寄って連携し、創業、新事業展開等を行う事例がふえてきまして、成功事例も相当ふえてまいりました。こうした活用例は、まさにやる気と能力のある中小企業の育成、発展という中小企業政策の基本理念に合致するものであります。 しかしながら、今議員御指摘のように、こうした企業組合の中にも、不祥事につながるような行為を行うものも全く皆無ではありませんので、その点につきましては、政府として、やはりこの制度を推進していく上において、そうした不心得者に対してはきちっとした対応をしていかなくてはならない。そして、これだけ広く多くの関係者が存在する中小企業の団体に対して経済産業省が十分目が行き届くわけではありませんから、これは、県御当局、またその他の団体ともよく連携をとって対応していきたいと思っております。 今後とも、中小企業組合が、中小企業者の創業、新事業展開など、一層いい方向で活用されることを期待しているものであります。
○吉良委員 今の答弁のこの法を提出する意味合いについては、おっしゃるとおりだと思いますし、わかっているつもりであるんですが、今回の場合は、特に組合員数の多い大きな組合等については外部監査、例えば外部の会計監査を義務づける等、その組合にとって費用もかなりかさむであろう。一方でガバナンスの充実というものがなされるにしても、やり方によっては大きな費用負担も発生する。 それが、先ほど私が言いましたように、では、不祥事が確かに百あるうち二つ三つ起こっていますということで、その人たちに対するいろいろな意味での指導は強化していかなきゃいけない。ただし、さっき言いましたように、網かけをすることによって、これまできちっと善良にやってきた、そういう組合の方々までも大きな費用負担を強いるようなことになってしまう、そういう意味での問題提起をさせてもらっているわけでございまして、その辺についてどう考えておられるか、もう一度御答弁をお願いします。
○西野副大臣 大臣もお答えいたしましたとおり、本法を制定したのが昭和二十四年でございますから、おおむね五十数年経過をしている。この間に、当初の目的以外に新たに、時代の変化とともに、異業種との関係、あるいは事業自身が多様化し、高度化してくるわけでございます。その中でたまたま二、三件、こういう破綻とかいう問題を惹起しているわけでございます。 したがいまして、今回の法改正は、御承知のとおり、そういう事態が起こらないためのガバナンス、規律を強化するということとあわせて、大事なことは、共済事業が健全性を確保していくんだということがやはり大変必要であろうというふうに思います。 古い言葉でございますけれども、備えあれば憂いなしでございまして、そういうことがないように、広く、そういう事業者に対して、組合に対して一種の規制、指導を行っていくということも、組合員の信頼を確保する意味でも大切なことではないのかな、このようにも思っておるところでございます。あわせて、これが多くの優良な組合の活性化に向けて役立つものであれば大変ありがたい、いわばこの規制は必要最小限度のものである、むしろこのような考え方を持っておるわけでございます。
○吉良委員 若干しつこくなるかもしれませんけれども、例えば、今回、余裕金の運用制限というのもあるわけですけれども、私が勉強した限りでは、これまでも余裕資金の運用については制限が実際設けられておったということでありまして、かつ、今回、具体的なその運用方法については主務省令で定めるということになっております。それから外部監査の導入につきましても、外部監査対象となる組合の基準として、共済掛金の保護という趣旨を踏まえ、負債総額に着目し、これが一定額以上の場合に導入を義務づけることが予定されているが、具体的な負債総額の金額は未定であり、今後政令で定められるというふうになっております。 いわば、これまでも一定の規律、制限はあった。それから、くどいですけれども、大半は守っていたという状況の中で、再度それを強化する。それで、この法律が出てきている時点で、その細目はということになれば、それは省令です、政令ですということになっているわけですね。運用方法についてのさらなる細目については、これは大きく組合の活動自体を縛るものではないと思うんですけれども、先ほどちょっと読ませてもらった、負債総額の金額をどの程度にするのか、これも政令で定めると。これは、どういう政令が出るかによって大きく組合の活動が制約を受けてくるわけです。 その点について、もう一定の判断基準を示されておるのか、それから、今言った、いわば経済産業省が生殺与奪の権を握るようなことになりはしないか、この点についてはいかがでしょうか。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘いただいた幾つかの点について、政省令等にゆだねられている部分があるというのは御指摘のとおりでございます。 特に、負債総額が一定規模を超えた場合に外部監査を義務づけるということについては、外部監査をお願いすれば、当然それなりの費用がかかるということでございます。 その点について、今、具体的に何億円とか何十億円とかいうところまでまだ決めておりませんけれども、この点は、今の共済組合の事業の実態等もよく見きわめて、あと、監査をした場合に、今の共済事業のやっているやり方から見て、監査法人から見るとどれぐらいの費用がかかると言われるのか、この辺も今いろいろ問い合わせなどもしておりまして、幾つかの数字などもいただいております。そういったことを見て、そのコストを、当然、コストがかかった分は、掛金が上がるというようなことで保険契約者に最終的には負担していただくという形になっていくと思います、もちろん効率化というようなこともありますけれども。 そういったことで、保険契約の掛金が上がれば、余り上がればほかに行った方がいいということで、事業は成り立たなくなるというようなこともございますから、そういったこともよく勘案しながら、適切な水準に決めていきたいと思います。 ただ、負債総額は、数十億とか、あるいはもうちょっと上かもしれませんけれども、そういったオーダーで考えておりますので、小規模な、小さなところでいきなり監査を入れて事業が成り立たなくなる、そういうようなことは余りないと思いますし、逆に、それぐらいの規模になればやはりそれぐらいのきっちりしたものをやっていただかないと、安心して健全な経営だというふうに認めるわけにはいかないということかと思いますので、その点は、実態をよく踏まえながら判断して決めさせていただきたいということでございます。
○吉良委員 冒頭申し上げましたように、資本市場における日本版SECということと今回の組合関係というのは、より広範な投資家の保護という意味合いと、中小企業の方々はほとんど入られているとはいえ、かなり限定された組合が対象になります。そういう意味で、私自身はもともと、何か不祥事が起こるたびに、言い方は失礼ながら、役所が焼け太りをして、その権限がよりふえていって、結果的には対象となる民間の個人、それからそういう団体が手足を縛られることのないようにというのが私の基本的な考え方でありますので、先ほど冒頭言いましたように、方向性について大きな異を唱えるものではありませんけれども、その辺のところ、焼け太りのなきようということをお願いして、次の、経済安全保障という観点での話に移らせていただきます。 私は前回も、日本の経済の安全保障、その経済の安全保障を担保するものは、日本がほとんど海外に依存する原料、エネルギー資源の安定確保である、このような視点で質問をさせてもらい、またある種の提案もさせてもらったわけでありますけれども、きょうは、まず第一番目に、余り世間では注目をされないレアメタル、希少金属の安定確保という点についての問題提起、また政府の方針をお聞きしたいと思っております。 まず、国民に知らせるという意味もあって、レアメタルというものが一体どういうものなのか、それが日本に、また日本の経済にとってどういう位置づけにあるのか、その辺について、これは参考人からでも結構ですけれども、御答弁をお願いします。
○近藤政府参考人 お答えを申し上げます。 今、レアメタルでございますけれども、例えばニッケルでございますとかクロムでございますとか、タングステン、コバルト、モリブデン、こういったようなものでございます。 少し具体的に申し上げますと、例えばニッケルでございます。これは、ステンレス鋼でございますとか構造用の合金鋼、要は非常にかたい金属に使うといった用途がございますし、最近ではICの材料それからニカド電池といったようなものにも使われております。それから、もう一つだけ実例を申し上げますと、タングステンにつきましては、超硬工具ということで、ドリルでございますとかカッターといったようなもの、さらには耐熱鋼であるとか、非常にかたいものでございます。加工に使うもの。 こういったようなものを含めまして多くの種類があるわけでございますけれども、今先生御指摘のように、我が国にはいずれも存在が非常に乏しいものでございますので、これらの資源の確保というのが非常に重要なテーマになっておる、このように理解をしておるところでございます。
○吉良委員 ありがとうございます。 私は、いわゆる狭義のレアメタルに加えて、最近また注目されておる希土類といいますかレアアースということも含めて問題提起をさせてもらいたいと思っているんです。 今説明いただいたように、レアメタルというのは、量的にも非常に少なくて済むんだけれども、いわば御飯にふりかけをかけるだとか味の素、そういう調味料を振るとかいうような形で、そういうものをすることによって、変形するにはやわらかいけれども非常に強度が強いですとか、今御指摘になったような、それこそドリルというので金属に対して穴をあけるだとか、それから高熱のタービン材料として耐えられるだとか、単純に鉄鉱石とコークスだけで鉄をつくったのではそういうものはできないけれども、そういうものをまぶすことによって非常に高度な、質の高い鋼板等々ができてくるということで、ある意味で、日本の現在の産業というのは素材が非常に質が高いということで、それに伴って自動車産業であるとか家電産業であるとか、そういうものが繁栄をしているわけであります。 そのレアメタル、レアアースというのは、御承知かと思いますけれども、地政学的に見て極めて不安定なところに偏在をしている。レアアース、希土類については、特に最近、日本が得意とするデジタル家電だとか自動車のモーターとか、まさに日本の産業を引っ張っている、こういう産業に必要不可欠なものでありますけれども、レアメタルパニックと言われるごとく、特に希土類、レアアースは中国に偏在をしている。日本の輸入量の九〇%を中国に頼っている。ただ、その中国が最近は生産制限をしている。かつ、自国の経済発展に伴って、当然国内使用、国内消費が非常にふえている。この二つが相まって、日本への、または中国以外の地域への供給が細りつつあって、異常なほどの高騰に見舞われている、こういう状況であります。 政府の方で、希土類というかレアアースの現状、それから、それが中国に偏在しているということを受けて、今どのような対応をされているのか、また今後されようとしているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○近藤政府参考人 お答えを申し上げます。 今先生御指摘のように、私、先ほどレアメタルだけ御説明をいたしました。さらに加えまして、今御指摘のレアアースを少し例にとって申し上げますと、レアアースというのは磁石でございますとか二次電池といったものに使うわけでございますけれども、この主要生産国を見ますと、中国が世界全体の九三%、インドが三%。ですから、一位が九三、二位が三%、こういう偏りがあるわけでございます。 このほかにも、例えば中国のシェアが大きいもので申し上げますと、タングステンは八八%が中国、二番はロシアの六%、こういったような状況でございます。また、クロムあたりでも、半分は南アフリカ、こういったような状況でございまして、相当資源が偏在をしているということは事実でございます。 今御指摘の中国、それから、これからの政策全体をどうするかという御指摘でございますが、ちょっと細かくなりますが、中国のことを少しお答えさせていただきますと、最近、中国の方でいろいろと輸出の抑制をするような動きがあるということが新聞等でも報道されているわけでございます。これは、一昨年でございますので二〇〇四年からでございますけれども、銅、ニッケル、タングステン、それから今御指摘のレアアースといったものを含めまして、国産の金属に対して輸出関税を引き上げることなどによりまして輸出抑制を促すといった措置を講じておるところでございます。 ただ、中国は、中身が二つに分かれると申しましょうか、一つは、中国は既に銅とかニッケルなどの主要な金属につきましては完全な輸入国でございまして、そういうものについては、輸出抑制をすることがあっても、さほど私どもに大きな影響はないわけでございます。ただ一方、今御指摘のレアアースでございますとかタングステンといったものにつきましては、中国に供給の大部分を依存しておりますので、これは非常に重要な、私どもにとっても大きな影響が出てくるわけでございます。 そういう状況も頭に置きながら、今、いろいろとこの非鉄金属の中で、どういう形で資源を確保していくのかということが非常に重要なテーマだと私どもも思っております。 特に、我が国産業の国際競争力のためにこの希少金属の安定供給確保というのは非常に重要でございますので、昨年の十二月から、資源エネルギー庁の方に、関係業界の代表や有識者をメンバーとする資源戦略研究会というのを設置いたしました。東京大学大学院理学系研究科の浦辺先生に座長になっていただいて、希少金属を初めとする非鉄金属の安定供給確保のあり方について今議論をしているところでございます。 この研究会での議論も踏まえまして、海外の資源の権益の確保でございますとかリサイクル、代替材料開発ということをしっかり取り組んでまいりますし、さらに、これに加えまして、短期的な供給障害に備えたレアメタルの備蓄制度、こういったものの適切な運用といったことも検討して着実に実施をしていきたい、このように考えておるところでございます。
○吉良委員 詳細な説明、ありがとうございます。 今、最後の方で答弁がありました、レアメタル、希土類、レアアースも含めた備蓄制度、私、以前も予算委員会でこのことを申し上げたことがあるんです。一時は、お金を出せば全然問題なく購入できるということで、今、政府と民間とパッケージといいますか、両方での備蓄制度になっておりますけれども、民間がちょっと消極的な時期もあったと了解しておりますけれども、今の七つの非鉄金属のみならず、もう少し今の日本の、先ほど言いました、主要産業を支えるレアメタル、レアアースについて、対象を広げた備蓄制度をぜひ考えていただきたい。 その際に、今までどおり民間備蓄も継続する場合、または拡大する場合には、民間の負担にならない。確かに、備蓄するわけでありますから民間企業も受益者の一人ではありますけれども、あくまでこれは国全体の産業の育成、安定のために備蓄をするわけでありますから、民間の負担にならない。負担にならないという意味は、備蓄することによって、それを管理するマンパワーが必要になり、在庫を抱えれば当然その金利が必要になる。そういうものを全部民間でどうぞというと、民間は当然ながら備蓄をするというインセンティブに欠けてくるわけでございますので、その辺について、民間がきちっと国の方針、日本全体の経済の安定に資するという形で積極的に乗ってこられるような、そういう備蓄制度をぜひお願いしたいということを申し上げたいと思います。 この辺について、一言でも結構ですけれども、いかがでしょうか。
○近藤政府参考人 お答えを申し上げます。 今、レアメタル備蓄について御指摘をいただきました。 私ども、昭和五十八年以来、官民一体となった備蓄制度を運用しておりまして、今御指摘のように、国家備蓄それから民間の備蓄と二本立てでこの対策を講じてきているわけでございます。 この中で、特に最近でございますけれども、平成十六年以降で、バナジウム、モリブデン、マンガン、ニッケル、タングステンという五鉱種につきまして、十四回の放出といったことを実施しておるわけであります。 このように、最近の相当厳しい状況の中でこの制度の活用を図ってきているわけでございますけれども、今御指摘のように、最近の厳しい金属資源をめぐる情勢の中で、制度創設以降の状況変化を踏まえまして、最低限のコストで最大の政策効果を引き出すという目的に向かいまして、備蓄数量の拡大でございますとか備蓄対象金属の見直しといったことについても検討をする必要があると考えているところでございます。 今後とも引き続き、短期的な供給障害への備えとしての備蓄制度の機能を重視しながら、機動的な運営にも努めてさまざまな検討を重ねていきたい、このように思っているところでございます。
○吉良委員 ぜひ、民間の意見も聞きながら、国家としての安定のための備蓄制度充実をよろしくお願いしたいと思います。 それで、先ほど、やはりレアメタル、レアアースについては、偏在をしているということと中国が輸出制限等もしてきているということで、新たな供給先開拓ということも視野に入れているというお話がございました。 そういう中で、世界的な動きとして私が最近気になっておりますのは、一時、ロシアがウクライナに対して天然ガスの供給をストップしたということもありましたし、最近は南米のボリビアが、自国の石油、天然ガスについて国有化宣言をしたということでございます。そしてベネズエラに至っては、もともとPDVSAという石油企業を国営化し、最近はその国有化の動きがより加速をしている。外国資本の権益を買い戻しといいますか、強引に国に移管させるというようなことまでやられ始めております。そしてこれ以外にも、エクアドルもしかりです。ブラジルはそうでもないですけれども、特にベネズエラ、ボリビア、エクアドルといったようなところがそういう傾向を見せているわけであります。 一方、こういう国々に対して中国は接近をしている、関係を深めているという事情がございます。御承知かと思いますけれども、一九九二年にトウショウヘイさんが、中東に石油があるけれども中国には希土類がある、レアアースがあるということで、このレアアースを国家的な戦略物資として使っていくんだ、こういうような発言をされているわけであります。 そういう意味で、私が非常に心配しておりますのは、世界の中で、先ほど言いましたレアメタル、レアアース、それから原料、エネルギー資源、こういったものを国家戦略物資として、自国の言うことを強引に通すために使い始めているという傾向がございます。 一つ、通告の中でそこまで細かいことを質問するとは言っていないんですが、経産省管轄のNEXIさん、貿易保険の方で、例えばボリビア、ベネズエラ向けの投融資それから輸出にかかわる貿易保険の料率の見直しとかいうことはされておるんでしょうか。
○板東政府参考人 お答えいたします。 先生御案内のとおり、基本的には貿易保険も収支相償という原則に立ってございますので、それぞれの国のリスクに応じて料率を定めていく、こういう方法で現在保険の引き受けを行っております。 ただ、かねてから先生からの御指摘もございましたように、いろいろな形でより資源の獲得という観点から考えましても、リスクについての細分化でありますとか、さまざまな方法でより引き受けやすくする、そういう手法を考えることは非常に大切なことだと思っておりまして、現在、私どもとNEXIとの間でもいろいろ作業を進めてございます。できるだけ早急に見直しの方向で検討を進めさせていただきたいと思っております。
○吉良委員 答弁の中で言っていただいてありがとうございます。 私、以前、特にカントリーリスクについて、日本の貿易保険の方は、本来なら世界的な標準としては四つぐらいのカテゴリーに分かれているのが、日本は全部ワンパッケージ。それは、今御指摘のように貿易保険全体の収支を考えてのことと、この辺のところはわかるんですけれども、そもそも貿易保険が独立したことの背景は、より民間のニーズに地道にかつ丁寧にこたえていくということがございますので、その辺のさらなる検討をお願いしたいというふうに思っています。 なかなか、ボリビアだとかベネズエラというのは直接的な経済関係がないので日本としては余りぴんとはきていないですけれども、御承知のとおり、ベネズエラについては、米国は輸入原油の一割をベネズエラから輸入しているというような現状もあって、最近の南米の、言い方は極端でありますけれども、反米左派政権というものが台頭したことによって、世界のエネルギー需給、原料資源の需給にやはり影響を与えないとも限らない。もうこういうところに既に投資をしている欧米の企業がありまして、そういうところというのは訴訟も開始をしたりしておりまして、中南米の供給があって成り立っている世界の需給がやはり壊れてしまうという可能性があります。 では、日本の国としてどういうことができるのかということになりますと、なかなか具体論は正直言ってないわけでありますけれども、一つは、貿易保険の料率の改定のところで相手国政府ときっちり話をしていただきたいと思いますし、日本が言ってどうなるというのはあるんですけれども、それでも世界の声としてきちっと政府に対して物を言っていってほしい、このように思っております。 最後になりますけれども、ちょっと時間がなくなってまいりましたが、私、前々回の当委員会での質問の中で、今後、日本が原子力の平和利用について世界のリーダーになるべきだという問題意識から、特に、中国が現在、原子力発電所の建設計画が三十二ある、それをできるだけ、日本はもちろんですけれども、日米、日加または日米加共同で原子力発電所の受注をしていくような取り組みをお願いしたい、このようなことを申し上げました。 中国の原子力発電所建設については、前も言いましたけれども、結果的に今、中国を初めとするBRICs諸国の資源の爆食によって世界全体の特に化石燃料の値段が上がっているという現状にかんがみて、原子力発電によるエネルギー供給が進んでくれば相対的に値段が下がってくるだろうという問題意識と、黄砂ではありませんけれども、中国でチェルノブイリ級の事故が起これば被害をこうむるのは日本ということがありますし、また、今後、日本の原子力発電所のリプレースメントのときに、技術者そしてまた技術そのものの伝承という意味で、ぜひ今の中国の建設計画に深くかかわっていくべきだということを申し上げました。 そしてもう一点、もう一歩踏み込んで、京都議定書と並んで、日本はこの原子力の平和利用という意味での世界的な枠組みを積極的につくっていくべきだ、そのイニシアチブを日本がとっていくべきだというような問題意識を私自身は持っております。 その意味で、先日、連休中に、私、ワシントンに伺いまして、世界銀行のエバンス環境局長と面談をしてまいりました。民主党を代表してではありませんし、もちろん日本政府を代表してでもないんですけれども、私個人の問題意識としまして、これだけ今申し上げました世界的なエネルギー資源の高騰がある中で、やはり世界全体として原子力平和利用、原子力発電所建設の推進を図っていくべきだ、そういう中で世界銀行も世界機関の一つとしてその旗振り役をするべきではないか、このような問題意識。 それと同時に、我が国、日本政府としては、OECDに対して、原子力発電所にかかわる、例えば今、JBICに限らず、各国の制度金融が原子力発電所用に融資基準、通常の制度金融よりももっと緩やかな条件の金融を供与することが認められておるわけですけれども、私が問題意識として申し上げたいのは、今、日本としても協力しようとしている、ネシアだとかベトナムだとか、まだ技術的に未熟な国に対しても、先ほど言いました世界全体のエネルギー資源の安定という観点から、今後やはり推進していくべきだ。そうしたときに、世銀自体も原子力発電所の建設に関して、借款供与も含めて検討すべきだ。そしてそれは、私の了解では、今現在のOECDのガイドラインを変更しなければいけない。それは、世界銀行もOECDに働きかけ、また我が国も、先ほど言いました、京都議定書と並んで、環境とエネルギー、省エネ、こういう部分で積極的に国際的な枠組みをつくる、そのイニシアチブをとるべき、こういうことでOECDにぜひ働きかけていただきたい、このように思っております。 それで、エバンス局長にぶつけたところ、驚いたことに、私がお伺いした直前の理事会で、やはり世銀としても、原子力発電所も今後、世銀の対象として考えようというような話が理事会で出たそうであります。私自身がぶつけた問題意識についても非常に興味を示しておりました。 最後に二階大臣に、今申し上げました原子力の平和利用、特に、原子力発電所建設について日本が世界のイニシアチブをとっていく、その辺についての御決意といいますか問題意識についてお伺いして、終わりたいと思います。
○二階国務大臣 吉良議員から、過去の御経験に基づいて、我が国の資源エネルギーの確保の問題について示唆に富む御意見をちょうだいしたことを改めて感謝したいと思います。私どもは、そうした御意見を十分体して今後対応してまいりたいと思っております。 原子力発電の世界的利用、特に平和利用、安全の確保等、極めて重要な点を御指摘いただきましたが、私は、認識の点ではまことに一致しておるというふうに考えておる次第であります。 ただいま御指摘の世銀の問題でありますが、私も、先般、アメリカのシーファー大使から、ぜひ訪米をということで熱心にお勧めをいただいておりますので、今国会終了後アメリカに赴く予定であります。その際、世銀の総裁にもお目にかかろうと思っておりますが、そのときの議題、テーマとして、ただいまのことを十分踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。ちょうど総裁は、我々が国会に初めて登場したころにアジア課長か何かをやっておられまして、以来よく存じ上げておりますので、十分そうした問題を話し合ってまいりたいと思います。 また、OECDについての御指摘がありましたが、国会の御了承が得られれば、私は来週早々、OECDの会議に政府代表で出席をさせていただく予定になっておりますので、この際も十分念頭に入れて対応してまいりたいと思っております。 また、原子力平和利用について我が国がリーダーシップを発揮すべきだということ、まことにごもっともでありまして、そうした面については各国の理解、また協力がなくてはなりませんが、そうしたことにもこれから熱心に取り組んでまいりたいと思っております。 なお、ちょうど今月の末に、中国と日本との間で、かねてより再々御報告を申し上げてまいりました、省エネルギー、環境問題の大々的なフォーラムを開催する予定で準備を進めておりました。今月の末には、恐らく中国から、中国政府の方々あるいは民間企業の代表等合わせまして約二百五十名ぐらいの代表団が日本を訪れることになっております。我が国は約三百五十名ぐらいの経済界の皆さんに御出席をいただき、日中間の歴史的な省エネそして環境についてのフォーラムを開催したい。 その我々の目的、願い、ねらいについては先ほど吉良議員からお話のありましたような点で、黄砂の問題一つ取り上げてみましても、あすは我が身でありまして、我々も、これは中国のことだといって説明しておるだけでは話になりませんので、その点についても十分心得て対応してまいりたいと思っております。 こうした問題につきまして、与党、野党の壁を越えて御理解、御協力をいただけることを大変ありがたく思いますが、ぜひ、このエネルギー政策というものは日本の経済の、日本の産業の最も大事なまさに生命線でありますだけに、今後一層の御理解と御協力をこの際委員各位にもお願い申し上げておきたいと思います。
○吉良委員 強い決意、ありがとうございます。積極的な推進をお願いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○石田委員長 次に、近藤洋介君。
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