No.018 168回国会「衆議院 内閣委員会 8号」 2007年12月05日
②平成19年12月5日 内閣委員会 ○中野委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。 きょうは、大田大臣と増田大臣に質問をさせていただきたいと思っております。 最初に、当初は大田大臣に、成長か財政再建かという問題をお聞きしようかなと思ったんですが、本委員会の冒頭で自民党の木原委員が最初に触れておられますので、後でまた質問させていただこうとは思うんですが、前回時間切れでゆっくりと議論できなかった増田大臣に、地域の再生、活性化という論点から話をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、各論に入る前に、両大臣はもちろん、ここにいらっしゃる委員の方に釈迦に説法になるんですが、私自身の今の日本の見方というのは、要は、発展途上国の日本と先進国の日本が併存をしている、だからこそ改革もあれば抵抗もある、こういうふうに思っております。 言うまでもなく、今の国の仕組みのある意味では土台になっているのは、戦後復興、そして高度成長、そしてその後の緩やかな成長期、緩やかでありながら世界の中では機関車と言われたような、そういう時代の制度を一方では引きずっていて、改革はされてはいるけれども、例えば、制度が百積み上がっているとすれば、そのうちの四つ、五つをはがして新たに改革をしている。本当の根底からの改革になっていないという認識を持っております。 もちろん、数字だけ見れば先進国になってはいるんだけれども、一番問題なのは、私も地方の議員でありますけれども、発展途上国時代の意識を国民が濃厚に持っているということだというふうに思っています。 その意味で、今後、地方分権、私は地方分権という言葉が好きではありませんで、地方分権というのは中央が主役で地方は出先だというこの概念、哲学が残ったままでありますので、いつも、地域主権、それは、都会の方の地域地域もそれぞれ主役になり得るという意味で地域主権というふうに使わせてもらっていますが、その地域主権時代に向けての工程表をつくっていく必要がある。 私は、実は今、個人的な勉強、研究としても、戦後百年に当たる二〇四五年の国の姿というものをつくっております。そして、現在から二〇四五年までというこの時期を、ある意味で移行期間というふうに位置づけております。この移行期間について言うならば、さっき言いました、発展途上国と先進国が併存していて、特に我々は今このダブった世界にいる。さっき言った制度と意識という意味では、濃厚にダブっている。その意味で、移行期間については、一国二制度、三制度あっても仕方ないのではないか、都市部と地域というか地方によって制度のあり方が変わっても仕方がないのではないか、このように考えておるわけであります。 済みません、先に長々と演説をさせていただきますが、一つの例が、今、例えば農業問題について、私ども民主党は、戸別所得補償ということで、零細農家も含めて農業全般に対しててこ入れというか支援していこう。一方、自民党さん、与党は、四ヘクタール以上という、産業として力強く成り立つ農業という視点で大規模農家に力を入れている。それぞれ、民主案に対して自民は、ばらまきだ、こう言うし、我々民主は、零細農家切り捨てだ、こういう論争をしているわけですけれども、私は、実はどっちも正しいと思っているんです。 それは、今言った移行期間という考え方をした場合に、言うまでもなく、今の農家を支えているのはもう六十五歳以上が半数という中で、最近でこそコンピューターを使って相対取引だ、マーケティングだという農業が実際行われておりますけれども、これを、六十五、七十の高齢の農業従事者の方に、これからはマーケティングの時代だとかいって、やれという、これは正直言って無理だと思っています。 であれば、それらの方々が、若い時分に子供を三人も四人も五人も育て、地元には残らず、どんどん都会に送り出し、そして一方、高度成長期にどんどん食料を供給していった、そういうこれまでの日本の発展の恩に報いる意味で、老後で、かつ農業をやりながら生活を立てておられる方々にはきちっと生活保障していくという考え方はおかしくない。けれども、そのやり方を今二十代、三十代のこれから農業をやろうという人にやれば、これは、悪いけれども、甘えの構造になってしまう。 こういう意味でいけば、世代間の違いによって、さっき言いました、一国二制度、三制度があってもいいんだろうと。これは年金等についても言えると思いますが、きょうはそういう場ではないので割愛させていただきますが、そういう将来の二〇四五年、そしてそれまでの移行期、それぞれについて、まず増田大臣にお聞きしたいと思っているんです。 その第一は、将来の二〇四五年、それに近い時期に一直線に向かっていくという意味での地方議会のあり方、地方議員の選び方という問題であります。 先ほど言いました、地域主権の時代は地域経営の時代というふうに考えますと、今までのように、昔、リヤカーで物を運び、徒歩で歩いていた時代に、小さな自治体のさらにまた小さな地域の代表として出てくる、または、一部の利益団体、圧力団体の代表として出てくる、そういう人たちが地方の議会を構成するという時代は終わらせなければいけない、このように思っておりまして、その一番手っ取り早い方法は、定数を大幅に削減することだというふうに思っています。私は、もう一挙に現在の四分の一、五分の一でいいのではないかと。 これは私は思い切って言うんですが、私の大分一区といいますか、私は大分市が地盤なんですが、地元なんですが、大分市は四十六万人の人口で四十六人の市議会議員がおります。これをもう一挙に七、八人にしてしまえという論であります。 というのは、どの民間企業もそうですけれども、本当に決定をしていくという役員は五、六人から十数人で構成されるようになって、執行側も執行役員というふうになっている。本当に経営をして意思決定をするのはもう何十人もいる時代ではない、このように思っているわけであります。 その意味において、これは地域再生、地域活性化のための地域経営、そのための地方議会のあり方ということですが、多少総務大臣としての増田大臣にもかかわってくるかもしれませんけれども、今私が申し上げました地域経営時代の地方議会、またその議員のあり方ということについての増田大臣のお考え、所見をお伺いできればというふうに思っています。
○増田国務大臣 お答え申し上げます。 総務大臣の立場でのお答えに係る部分が多いかと思いますし、それから、地方議会の問題でございますので、総務省としてもまだきちんとした考えがまとまっていないところもございますが、そういったことを踏まえて申し上げますと、先生は、分権というよりむしろ地域主権というお言葉を使われました。私も知事時代はよくそういった言葉を使っておりまして、これからの地域主権時代の地域経営の中で、地方の自治体の首長のみならず、地方議会がみずから条例等を制定して、そして地域経営の重要な役割を果たしていく、これは大変重要なことであるということでして、そのために、一人一人の議員がどういう選ばれ方をするかも含めて、地方議員がどういう役割を果たすのか、あるいはどういう権限、権能を持つのか、このことは大変重要だというふうに思っております。 そのときに、地方議会の役割自体もこれからもっと拡大をして、いろいろなところに地方議会が関与する道を開くと同時に、これは今地方制度調査会でこの議会のあり方をちょうど議論しているところでございます。地方議会の構成ですとか数も、いろいろ多様性があっていい。 今、先生の方からは、例えば大分の例をとらえて、思い切ってもう七、八人でいいんじゃないか、これも一方で一つの考え方で、これを否定するものでは決してございませんが、これから重要な地方経営の役割を担っていくとなりますと、地方議員が非常に少数の人たちの意見もきちんと踏まえた上でいろいろ活躍をするということで、今の時代に地方の議会費をふやすということはなかなか住民の皆さん方の御理解を得られないと思いますが、思い切って、諸外国の中でも例がございますが、かなりボランティア的に、金は非常に少なく、しかし数を多くして、きめ細かく地域のことを踏まえた活動を展開していく、こういうやり方も、これはこれからの民主主義の中で一方ではあり得るのではないか。 したがいまして、こうした議員の数も含めて、議会が本当にこれからどういう役割を果たすのかというのを、今まではどちらかというと、例えば知事ですとか、それから県庁の執行部の方のいろいろな機能などが大きく議論されてきた場合が多いわけでございますが、それも重要でございますが、それとあわせて、議会のあり方についてもっと議論があっていいということと、それから大きさも、横浜のように非常に大きな市議会もございますのと、人口一万人そこそこの市議会というのがあるわけでございますので、幾つか選択肢を用意して、その中で多様性を選択できるような、それは住民が選択していくということになります。そういう議会のあり方もあっていいのではないか。 それが具体的にどういうことかということはこれからもっと詰める必要がございますが、多様性の中でいろいろ地域が選択できるような議会制もあっていいのではないか、このように考えております。
○吉良委員 御自身の御経験も踏まえた詳細な答弁、ありがとうございました。 私自身も、諸外国の例を見て、例えば無報酬のボランティアというようなところもございますし、その辺については是とするところではあるんですけれども、正直言って、地方の議会というのはどうしても、先ほど言いました一部の利益団体、圧力団体の支援さえあれば、百の有権者のうちの五だけ集めれば代表になれるというようなことになって、どうしても見返りを要求される選挙になって無駄遣いが多くなるという観点、それから、先ほど言いました、大きく時代は変わるんだ、これからは地域経営の時代なんだ、その前提は、地域主権のときには、ある一定時点からもう国には一切頼れない、全部自分たちの責任において決めてください、こういうことが前提になると思います。 先ほど言いましたように、大きく時代は変わったということを象徴的にあらわしていく意味で、これからは地域経営、そのときの経営者を選ぶのが基本的には地方議員のあり方なんだということを示していただくということと、全部ぽんと地方に任せたら、恐らく拡大することはあっても縮小することがないのではないかとちょっと今の時点では危惧をしておりまして、そういう意味では、この時点では、まだ中央政府が強い段階でドライブをかけていく必要があるんじゃないかな、このように思っているところであります。 実は私、おもしろい資料といいますか、ことしの九月十八日の地方分権改革推進委員会、増田大臣の元同僚であったと思いますけれども、知事仲間として、当時の片山善博鳥取知事、現慶応大学大学院教授が、そこで地方分権改革推進について話をされております。今大臣がおっしゃられたように、地方議会の改革を進める上で必要なことは、議員の選び方を変える必要があるということと、選び方を複数の選択制にして、一つだけの選び方ではない、単一の選出制度でなくてもいいのではないかというような発言がございます。また、大事なことは、議会に質の高い人が集まって自治の拠点をつくることが必要なんだということも言っておられます。 象徴的な言葉としては、例えば交付税を機械的な算出ルールにして、国のサポートは決められた形だけにして、これをもう所与の条件として、それ以上必要な費用、何かプロジェクトをやろうとする場合は、増税してでも行うべきかどうかを住民に聞いていく。これが今後の地方のあり方じゃないかというふうに思っています。 私は、自分のライフワークとしては、今選挙権を持たない将来世代の代表だというふうな思いで今議員をやっておりますので、そういう意味で、国に頼らない仕組みを各地域地域がつくっていくことこそが、後で大田大臣にもかかわってきますけれども、借金をこれ以上ふやさない、減らしていく、その方法ではないか。そのために質の高い議員を選ぶ。そのことをぜひ地域再生大臣としても、総務大臣としてもお進めいただきたいなと思っています。 参考までに、ちょっと限られた英米系諸国ではありますけれども、お手元に市議会議員の数を書かせていただきました。これは、先ほど増田大臣からもありましたけれども、日本の中でも横浜等々大きなところでは、市議会という意味での議員の数は欧米と遜色はないんですけれども、私が先ほど言いました大分のような地方中核都市あたりはまだまだ多い。それからまた、最近合併したばかりの自治体もまだまだ多い。このように思っておりますので、ぜひ、先ほど申し上げたような観点でリーダーシップを発揮していただければなと思っております。 今申し上げたのは、ストレートに地域主権時代の議会のあり方、そこにまっしぐらに向かっていく提案でございますが、もう一つは、移行期における国の施策として要望したいことは、ある時期から国に頼らなくなるということで、社会インフラという意味において、同じスタートラインに並ぶような施策をお願いしたいということであります。 もうちょっと言えば、日本全体をネットワークで結ぶ、そういう高速道路については、私の大分だとか、どげんかせないかんというあの東国原知事の宮崎あたりもまだ通っておりません。お断りしておきますけれども、私は、選挙用の、選挙の票を得るためにばらまきをするということは大反対でありまして、そういう意味で申し上げているのではなくて、先ほど言いました、将来的には国に頼らない地域をつくっていく。ただ、用意ドンのときに、最初からスタートラインから五十メートルも六十メートルも後ろにいるところがあれば同じ競争になりませんので、そういう意味で、高速道路を早急につくっていただく必要があるというふうに思っています。それも国の責任においてというふうに思っておりますけれども。 増田大臣は、岩手県知事の時代から、それから今の総務大臣、地方を預かる大臣としても、高速道路のネットワークについて、有効利用についていろいろと発言されておりますけれども、高速道路体系がもたらす地域経済活性化、地域を元気にするということについて、増田大臣の御見解を賜りたいと思います。
○増田国務大臣 高速道路、全国をネットワークで結ぶということ、これはやはり大変大事なことだと私は思っております。今、先生御案内の大分あるいは宮崎、東回りのところがまだ整備されていないわけでございます。 私は、今、地方対策ということが私の最大のミッションでございますが、全国歩いておりまして、先般、ちょうど海峡を挟んだ向かい側の今治に行きました。造船で大変世界の競争力のある地域でございましたのですが、そこの有力な造船の社長さんが、実は、愛媛のもっとこっちの過疎の地域にもきちんと本当はつくりたいんだと。よそに行かずに、この今治の地域を拠点にして、そこを中心に愛媛ですとか四国のところにドックをつくって造船業を展開したい、ただ、その部品を運ぶ道路のネットワークがまだ弱くて、もしそこに強力な高速のネットワークでもできればもっともっと地元で頑張っていける、こういう発言がございました。 他の地域に行きましても、過疎の地域でございましたが、地域に進出したいんですが、そこに高速道路がないがゆえになかなか企業の話を聞いていただけないという悲痛なお話も伺っておりました。 したがいまして、各地域が本当に創意工夫を凝らしていく上でも、その基盤となる競争条件をやはり同じにしていくということが地方対策の中でも重要でございますし、その上では高速道路のネットワークをもっと我が国に整備していく必要がある。岩手の時代の経験にかんがみましても、やはりこの点はぜひ全国の国民の皆さん方に御理解をいただきたいというふうに思っております。
○吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。 私は、増田大臣のようには知事選に通らなくて、二〇〇三年の大分県知事選に出馬をして残念ながら敗れてしまったんですけれども、その際に、実はどんな場に出てもどんな集会に出ても聞いたことがありまして、それは、道路が欲しいんですか、それとも道路工事が欲しいんですかということなんですね。 やはり今、地方に行けば、道路工事が欲しいために道路を要求するということがまだいまだにまかり通っておりまして、私は、これについては断固反対、それは将来世代にツケを回すことになってしまう。そのかわり、今も発言がございましたけれども、逆に、本当に必要な道路はどんなことがあってもつくっていく、そういうめり張りが必要だというふうに思っております。 今、増田大臣からありましたけれども、私も、二十三日、今治において、利用料金を下げることにもっと大胆に取り組めという発言をされているということを入手しておりますし、さかのぼって五年前になりますか、平成十四年九月四日に、当時の名立たる知事、岩手の当時の増田知事、岐阜の梶原知事、三重の北川知事、和歌山の木村知事、鳥取の片山知事、高知県の橋本大二郎知事、この方々が集まられて、これからの高速道路を考える地方委員会というのが開催されております。その際に増田大臣は、橋本知事の発言を受けて、最終的には高速道路の無料化を考えていく必要があるというふうに書かれた議事録が残っております。それから、そのとき、これからの高速道路を考える地方委員会のときでも、道路特定財源などの国費を投入することをためらうべきではないというふうに発言がございます。 繰り返しますが、ばらまきのためのではなくて、これから地域主権時代をつくっていくスタートラインを同じくするために本当に必要なインフラ整備という意味で、今高速道路が通っていない地域について、道路特定財源を使ってぜひ無料化をしたい、無料化をしていただきたい。かつて、全国知事の旗手であった増田大臣もそのことを主張されておりますので、今、閣内にあって、ぜひ道路財源を使っての高速道路の無料化ということについてのオピニオンリーダーになっていただきたいと思っておるんですが、いかがでしょうか。
○増田国務大臣 高速道路は、つくるということ、ネットワークで結ぶということと、そして結ばれた後は今度は利用しやすくしていく、やはりこの両面が大事だろうというふうに思うんです。 したがいまして、今、ガソリン代も高くなりましたので、この道路財源のあり方にはいろいろ議論はあるんですが、私は、国民の皆さん方に高速道路の重要性はぜひ御理解いただきたいということと、それからあと、四国へ行きましてもそうですが、やはり本四架橋の値段が高うございましたので先般のような発言を申し上げたわけでございますけれども、でき得れば、そこを少なくとも安くしていくということが必要だろう。 五年前、実は私もああいうふうに申し上げているんですが、あれは当時、まだなかなか、当時は公団でございましたけれども、利用料金を夜間下げるとか、ああいったことをほとんど行わずにというか、全く行わずに画一的にずっと決められていたものですから、もっともっと利用しやすい工夫があっていいのではないかということで申し上げました。その後、最近、社会実験ということで、料金をいろいろと時間帯によって引き下げたりということがございました。 ですから、私は、常にそういった工夫をぜひしていただきたいということと、この間、いろいろ思いもあって、いろいろ関係のところに聞きましたら、今道路財源を無料の方にすると今度は新規のものがつくれなくなるとか、いろいろな問題がやはりあるということは聞いて、重々そこの難しさは知っているんですが、少なくとも、これからいろいろ議論はあると思いますが、きちんと道路財源を守って、そしてその上で、整備に充てたり、それからまた、今、さらに社会実験も広く行われるようでございますが、そういったことを後押しして、国民の皆さん方にその成果をきちんと、地域経済なりなんなりの発展につなげていく、そういうことをこれから私もきちんと物申していきたいというふうに思っております。
○吉良委員 ありがとうございます。 今、立場もおありでしょうけれども、料金を下げるということどまりだったと思うんですけれども、一方で、増田大臣が岩手知事時代の「二十一世紀の岩手づくりへ向けて」、こういう県の発展プランがあるんですけれども、やはりその中でも相当高速交通ネットワーク整備というものについての記述がございまして、そういう拠点拠点に対するアクセスを、県都盛岡に対しては九十分以内、それから、地方、中核―中核については六十分以内でアクセスできるようにしようという計画でございました。 私どもの大分もそうなんですけれども、今の高速道路というのは実はぜいたく品になっているんですよ、地方の所得が低い地域では。実は私ども、大分市から六十キロ離れたところに空港がございまして、そこまで一応高速がつながっているんですけれども、片道千六百円かかるんです。往復三千二百円。一般道を通れば十五分おくれでは着くんです。そうすると、領収書精算ができない人たち、個人としては、ほとんど使う人がいないんです。十五分早く出れば三千二百円浮かせられる。だから、立派な高速道路はあるんだけれども、ほとんど使っていないというのが実情なんですね。 それで、先ほど私が、道路が欲しいんですか、道路工事が欲しいんですかと言いました。結局、今の日本というのは道路工事が中心になっているんですよ。そういう意味で、つくったものは利用させなきゃ意味がない。高速道路といえども国道だ。プール制ができる前は、阪神だって東名だって、できたら無料化ということが法で決まっていたわけですから、それを考えたら、地域の立場からすれば、料金を下げたぐらいでは生活道路にはならない。高速道路を生活道路にすることがやはり地域の活性化につながる。私自身もアメリカにずっと住んでおりましたので、それは生活圏、経済圏が格段に広がるのはもう言うまでもございませんが、生活道路にするというところに意義があると思っております。 本当に、この高速道路無料化の糸口をどこかつかみたいというときに、閣内では増田大臣なんです。ぜひそのことについて閣内のリーダーシップを発揮していただくようにいま一度お願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○増田国務大臣 何しろこの問題は、非常に大きな国民的な議論だろうというふうに私は思っておりまして、冬柴国土交通大臣がいろいろ御検討されているわけですけれども、地方対策をやっていく上で、できるだけ地域が使いやすいようなものにしていく。これは地域でいろいろ声を聞いてございます。地域を歩いた中でも、利用してもっともっと経済圏を広げていって、そしてチャンスをつかんでいきたいということ、その中心にやはり高速道路がある。 ですから私も、工事ということじゃなくて、利用するということは極めて重要という点は全く先生と考え方を一にするものでございますし、その上で現実的にどういうふうにそれを実現していくか、ここはなかなかいろいろ工夫が要るところでございまして、国民的な理解もこの問題についてはかなり要るのではないかと実は正直思っております。一方で、もうでき上がっているところについて、道路財源の問題というのはなかなか理解していただけない部分は岩手知事時代もございました。そういうこともあって、これはやはり総力でいかなければいけないので、冬柴大臣にもよくそういった地域の経営者なり経済を引っ張っていく人たちの声も伝えながら、協力していきたい。 お話の趣旨はよく承りました。その上で私なりに努力していきたいというふうに思っております。
○吉良委員 いろいろ苦しいながら、御理解をいただきながらなかなか思い切った発言ができない立場はよくわかるんですが、ちょっときょうは時間がないので。 私自身は、今、エコノミストといいますかコンサルタントをやっております山崎養世さんという、「日本列島快走論」を主張しておられる方の論に賛成で、住宅ローンを安い金利のローンに借りかえるように、保有・債務返済機構が持つ四十三兆円を今の安い国債金利のうちに借りかえてしまうと、今のままいくと元利を合わせて四十五年で百二十兆円払わなきゃいけないけれども、これを今安い金利のときに借りかえて三十年で返済をすれば、総額六十四兆円の返済額で済むということで、それは毎年幾らずつ払えばいいのか。 仮に、渋滞対策も含めて首都高と阪神だけは料金を取り続ける、ほかは全部無料にするという前提で、一兆六千億から二兆円の間で返済が終わります。正確に言うと、今の試算だと一兆六千億。ということになれば、今の道路財源の上乗せ分の二兆五千億、このうちの一兆六千億を使って無料化にできる。かつ、余った部分のお金で、今新直轄になっていますけれども、まだ完成していない道路をつくることができる。 こういうことでございまして、将来的な債務負担も減るし、今現在の国民の利用料金という負担も減るし、生活道路として地域が活性化するということで、将来世代にとっても現役世代にとってもこれほど有効な手段はないのではないのかな、このように思っておりますので、増田大臣にはぜひ閣内でのリーダーをお願いしたいと思います。 大臣には以上でございます。ありがとうございます。 続いて大田大臣、お待たせして申しわけありませんでした。 冒頭に言いましたが、今、与党内でも、それから経済財政諮問会議の中でも、成長か財政再建かという議論がなされていると思っております。けさほどの木原さんの質問ともかかわってくるんですが、どうあるべきかということについて、大田大臣の所見をいま一度お聞かせいただけますか。 〔委員長退席、江崎(洋)委員長代理着席〕
○大田国務大臣 経済成長と財政再建はともに欠かせないと考えております。 これから人口が減ってまいります。人口が減る社会にあって、成長を高めるということ、それから財政再建するということ、この二つは本当に難しい課題です。どちらも難しい課題ですが、どちらも不可欠のことだと思っております。成長力を高めなければ、日本のようなこの未曾有の高齢化を乗り切ることはできないと思っておりますし、財政の持続可能性を高めていかないと、いずれ成長力も圧迫されてくると考えております。したがって、厳しい道ですけれども、この両立を図っていかなくてはならない。 その意味では、成長力を高めるための取り組みを今から全力を挙げてやっていかなくてはいけませんし、あわせて、なるべく負担の増大を抑えていく、負担の増加を抑えながら必要な歳出を確保しなきゃいけませんので、歳出のめり張りをきかせていくということが重要だと考えております。
○吉良委員 ありがとうございます。 私はというと、やはりどちらも大事だということは、これはもうだれしもが異論を挟もうはずがないんですけれども、それでもあえて言うならば、やはり成長は追求するけれども、けさほど木原委員からもございましたが、決算時に余剰が出たときに返済に回すだけではなくて、今の元利返済分とは別にきちっと返済原資を、もうちょっと言えば、プライマリーバランスを黒字化するということにとどまらず、積み上がった債務を積極的に減らしていかなければいけない。そのための予算措置を必ず毎年していくというような考え方がやはり必要なんだろうと思っています。 なぜそう言うかといいますと、前回も申し上げましたけれども、これまでの我が国の経済戦略、政策というのは、成長自体を目的としているので、どうしても大規模投資をする可能性の高い輸出産業、ここを育てていけばおのずと設備投資はふえる、それから、そこから上がってくる税収があって政府支出がふやしやすくなる、そして純輸出がふえていくと。 だから、いつも言うけれども、海外に行ったら同じ一万円はすごい使い勝手があるんだけれども日本にいたらもうなくなっちゃったのかというのは、とりもなおさず、物価が高い、消費が伸びない、だから、成長はしているけれども人々の暮らしは豊かにならない、こういうことだと思うんですね。そういう意味で、やはり消費主導型の経済に変えていかなければいけない、それが国民の幸せのもとだというふうに思っています。 ただ、さはさりながら、そう簡単に輸出奨励型の政策またそういう産業構造がきょうあした、いきなり変わるわけではない。いろいろやりとりしようかと思ったけれども、ちょっと時間がなくなったのですが、それでいて、それこそ、サブプライムローンの問題で米国ががっと金融緩和をしてしまった、また原油高もある、イラク戦争もある。結果的にドルがどんどん安くなっていっている。そして、気がついたら、それに引きずられて日本円も弱くなっている。 一つ提案ですけれども、NHKに政府として圧力をかけていいのかどうかわかりませんけれども、今NHKあたりで放映される為替レートを今後、対米ドル、ユーロだけじゃなくて、例えば豪ドル、カナダ・ドルとかほかも示さないと、ドルだけだと、何となく円高になって円の価値が上がったみたいに思われているけれども、実は昨今、もう言うまでもないですけれども、相対的に下がっているわけですよね。米ドルと日本円が下がっている。そういう中で、この前も言いましたけれども、日本の相対的な企業の稼ぐ力というか、もう競争力が相対的にどんどん落ちていってしまっている。 私がさっき言いました、まずは返済原資、減らすための予算措置をしてほしいというのは、経済成長というのは、今回の原油高もそうですし、サブプライムローンもそうですけれども、ビヨンドコントロールなんですよね。ビヨンドコントロールの世界の経済情勢が日本の成長に大きく影響を与えるというのが昨今の現状で、幾ら経済成長、経済成長といっても、世界の情勢を見たときに、思いどおりにはならないということなんです。ということになれば、確実に減らしていかなければならない。 それは、確かに高齢者の中で貧しい方、低所得といいますか資産を持たない方もいらっしゃいますけれども、今の高齢者またこれからの高齢者というのは、高度成長時代にかなり資産形成できた方々が数的には多い。この前も言いましたが、経済成長の中では高齢者は取り残されてしまうんですけれども、この方々を豊かにするためには、やはり預金金利をある程度上げていく。そのためには、金利の融通性を取り戻す必要がある。ということになると、それは今の八百兆円、一千兆円を抱えたままではできませんので、やはり一刻も早く減らしていかざるを得ない。 確かにマイナス要素があるのは承知しておりますけれども、確実に減らすという方策を考えないと、今言った、これから高齢者がふえてくる社会においての豊かさ、国全体、国民全体の豊かさが担保できないと私は思っておりますが、いま一度、大田大臣の考えをお聞かせいただきたい。
○江崎(洋)委員長代理 申し合わせの時間が経過してございますので、簡潔にお答えをお願いいたします。
○大田国務大臣 何事も急激な変化はやはり経済には悪影響ですので、まずは二〇一一年度のプライマリーバランス黒字化を確実に達成させたい。その後、債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくということで、新たな目標をつくって取り組むことが必要だと考えております。
○吉良委員 まだまだいろいろ食い下がりたいのですが、時間が来ましたので終わります。 ありがとうございました。
○江崎(洋)委員長代理 次に、吉井英勝君。
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